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主人公はu15の少女たち。 主な内容はいじめ文学。このサイトはアダルトコンテンツを含みます。18歳以下はただちに退去してください。
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 『おしっこ少女 10』


 シャワーの音が聞こえる。だが、何だか別の世界から響いてくるように思える。自分は既に黄泉の国へ旅立ってしまい、魂になって現世を彷徨っているのでないか、まひるは、そのような妄想を逞しくする。
 意識が次第に戻ってくる。
 少女は、全裸にされていた。牢獄からすでに自由になったというのに、意識が遠い世界に迷いこんでいるためか、その事実に気づいていない。晴海に支えられながら、ようやくタイルに座していることができる。
 「・・・・・・」
「ようやく、お目覚め?」
「ハア・・・・はあ?!・・・ぁぁあぁああああ!?」
 いきなり身体を摑まれたウナギのように、少女は身を躍らせた。地獄の生地から解放されたぶん、身体は自由に動くはず・・・・であった、しかしながら、事態は少女の思うとおりにはならない。
「ぁああぅ・・」
 まるで、空気を抜かれた風船のようにひしゃげてしまう。少女が、あのスーツから蒙ったエネルギーの消耗は彼女の想像をはるかに超えるらしい。
「ほうら、はりきらないの?まひる赤ちゃん」
「ウウ・・、わ、私、ウウ・・・あ、赤ちゃんじゃ・・ウウア、ない・・!?」
 晴海の顎を見あげる。しかし、少女の双眸には力が感じられない。
「赤ちゃんは、自分の力の限界を知らずに動き回るものでしょう?今のあなたとそっくりじゃない?だから、あ・か・ち・ゃ・ん」
「うう、ひどいぃ・・・ウウ」
 
 女性捜査官の侮辱に激しく泣き始める少女。弓なりになった背中が震えている。
「ほうら、泣かないの、赤ちゃん、汚れたから、きれい、きれいにしまちょうね」
「・・・・」
 完全に抵抗する力を失った少女は、晴海がシャワーの温度を調節する姿を恨めしく見ている。自分がひどく侮辱されていることに気付きながら、抵抗するいっさいの手段を取りあげられている。女子生徒会長ができることは、ただ、銀色の液体を頬に添わせることだけだ。
「うう・・もう、もう、いじめないで・・クダ・・うううう!!」
 少女は、晴海の大腿にその可愛らしい顔を埋めた。彼女が泣き嗚咽を出すたびに振動が熱い温度とともに伝わってくる。
 女性警察キャリアは、冷静を保っているが、中学生の少女から伝わってくる刺激に、精神のあるていどの動揺を感じていた。自分はこの子を憎んでいるのだろうか、愛おしいと思っているのか、まったくわからなくなっていたのである。
「ほら、温かいでしょう?」
「ウ・・・うぅぅっぅ?!」
 自分にかかってくるシャワーは、かつて彼女が得たであろうはずの母の温度を彷彿とさせる。すると、水量が増えれば増えるほどに、余計に哀しくなって涙が零れてくるのだった。
「ぇぇぇエ・・・ェェェェェ」
 激しい嗚咽のせいで少女は激しく噎せる。涙とともに夥しい量の鼻水が流れる。何と、晴海はそれを・・・・。
「うぐ・・き、汚い・・あいう」
 少女の小作りな鼻に接吻すると、それを吸い出したのである。そして、あたかもそのことが真実かのように言い放ったのである。

「愛しているわ」
「ウ・・うう・・ウウウ!?」
 さりげなく言った言葉が中学生の心に回復不可能な痛手を負わせる。晴海は、そんな心理がわかっていながら、あえて、突きつけたのである。
 その甘い匂いを漂わす薔薇には、あきらかに鋭い棘が無数に生えている。だが、少女はそれを予感しながらも、そちらの方向へと靡いて行かざるを得なかった。
「ほ、本当ですか?わ、私をあい、愛してくれているのですか?」
 少女は、必死だった、学校でもそして、家庭ですら、完璧だと一片の疑いすら抱かなかった愛情がいとも簡単に消え失せた。今は、心細いながらも、この美しい女性捜査官の情愛らしきものに頼らざるを得ない。
 しかし、まひるの次の言葉は、彼女が完全に晴海の軍門に下ったことを意味するのだろうか。
「本当ですか・ウウウウウウ、わ、私も・・」
「そう、私を愛してくれているのね」
 冷え切った唇が少女の言葉と心を奪い取る。大人としても、簡単にそんなことが叶ったりしたら、それはそれで面白くないのである。ゲーム感覚からすれば、目指す宝物を得るのにそれなりの苦労をしたほうが、得たときの悦びが大きいというものだ。しかし、その点は気にしていなかった。見たところ、この中学生の女の子は完全なかたちで自分に身体を許したわけではない。
 むしろ、藁を摑む思いで自分に助け船を求めてきただけだ。彼女が置かれている状況はあきらかに逼迫しているのだ。
 
 だから、あえて意地悪をすることにした。
「だけど、それには条件があるのよ」
「じょ、じょうけん?」
 本来は理知的な美少女の顔が、幼女に戻ってしまった。
「そうよ、この汚れを落とさないとね、とても、臭いわよ、しかも、これはあなた自身から出てきたことを忘れないことね」
「ウ・・・?!」
 ぬるま湯から、ドライアイスが浮かぶ海に落とされたようなものである。
 石鹸の塊が足の裏に擦りつけられると、しだいに、踝、脛と上がっていく。
 ふいに、耳の裏がくすぐったくなる。晴海の唇が耳たぶを吸っているのだ。
「汚れているわ、隅々まで綺麗にしないと、でも、まひるちゃっは、こんなところよりも別の処を洗ってほしいのよね、もっと、悪臭を放つ恥ずかしいトコロをね」
「そ、そんな・・ウウ」
 中学生の少女はいやいやする。こんな顔をすると、本当に小学生にしか見えない。中学生などは精神性だけで、小学生と距離を取っているにすぎないのだ。こんな簡単なことでその距離はゼロになってしまう。いや、今のまひるはむしろマイナスになっているとさえ言えるだろう。幼児退行しているのだ。
 晴海は心底、それを可愛らしいと思った。母性というのだろうか、女性捜査官がそんなものを持ち合わせているとは今の今まで気づかなかった。
「フフ、可愛い」
「可愛い?ウウ、わ、私、そ、そんなに可愛いですか?ウウ」
 苦悶の表情で洩らす言葉ではない。しかし、現在の少女が置かれている状況はまさに、その表情が相応しい状況だった。彼女は、たった一本の糸によってどうやら精神的な生存を許されている。それが、この晴海という美しい警察官らしい。その彼女に「可愛い」と言われることは、たとえ、それが愛玩動物に向けるような視線であっても、中学生にとってみれば、自分のリーゾンデータルのすべてを保証してくれる担保に他ならない。
 
 一方、晴海のピアニストのような指は少女のハマグリに達していた。
「そう、特にここが可愛いわ、ここを触れてほしいんでしょう?」
「ぁ・・ウィ・・あ」
 まるで、酔っぱらいのような嗚咽を出す少女だが、それを簡単に認めるわけにはいかない。そうすれば、はるみという少女の人格、すべてを自ら否定することなってしまう。
 意地になっている少女を可愛いと思いながらも、彼女の本心を知ってじらすことで、本当の自分と体面させることにした。少女の未発達な性器から指を外すと、彼女の肩を乱暴な手つきで摑み取った。
 「そう」
「ぁ」
「あれえ?もっと、触れてほしいのかな?」
「ち、違う・・うう」
 口では拒否しながら、大腿を閉じて激しく添わせようとする。
「だあめ!」
「うぐ・・ぁ」
 晴海の残酷な指が少女の大腿の内側、そこのもっとも柔らかいところを抓り挙げる。爪を切っていないために、肉への食い込みは半端ではなく、見えないていどの出血を見るまでに傷付けた。
「臭うわよ、上半身も相当汚れているわよ、あなたのいやらしい液で、ふふ、ねえ、まひるちゃん、話は変わるけど、書道部を存続させる条件って何なの?」
「え?」
 まひるは、驚いた。晴海の口からそんな言葉が迸りでてくるとは思わなかったのである。
「ウウ・ウ・ウ・・うう?!」
 もはや、この人には何も隠し事ができないと諦めざるを得ない。
「ググ・・ふあぁ、そ、そんなところ・・・ぅあ」
 晴海の意地悪な手は、少女の乳首を探り当てる、まだ、芽乳房、それもつい先ほどふくらみかけたのが分かる程度、そんなピンク色をいやらしい手つきでこねくり回す。
 「本当に、恥ずかしいカラダね。こんなに幼い身体なのに、こんなに硬くして興奮しちゃって、弄ってほしくてたまらないのね」
「そ、そんなの・・う、嘘です!ぅぅうあ!?」
 ヨダレを垂れ流しながら、抵抗するので、少女の言い分ににはまったく説得力が感じられない。
「ふふ、嘘言ってもだめよ、さあ、答えなさい、安藤さんたちはまひるちゃんに何をさせようっていうの?」
「っ・・っゥウウウ・・、恥ずかしい恰好で街を、ウウウウ、あ、歩かせるです・・っ」
「ふうん、東横線って?どうして、そんなところまで」
「私のためを思って、そんな遠いところでって恩、ううゥウウ、恩、着せがましく・・ウウウゥ、言うけど、本当は、ああっ、も、問題になるのが、・・・困る・・・ウウウ、だぁら」
 だんだん、声に鼻がかかってくる。
 晴海のねちっこい指が再び、中学生のハマグリに指を食い込ませたのだ。
「ほら、早く、話なさい!!」
「ぃ、痛い!!ぅあ」
 痺れを切らした晴海の指が、クリトリスを潰しにかかった。残酷な催促は少女に接種された自白剤の役割を十二分に果たそうとしている。
「クア・・はあ、はぁ・・、遠いところに電車ってわざわざ、行くんです。ィウウ・・ああ、ぁぁ」
晴海の胸で、激しく号泣する。そんな間にも少女のハマグリは彼女の手によってこねうりまわされ、貝柱やヒモが10%ほど膨脹している。
「お友達で楽しく外出ということね」
「ひ、ひどぃ・・ゥウゥうう?!」
 おそらく、かつてはそういう友だちもいたのだろう。そう、女性捜査官は見当をつける。
「外崎さんと仲よかったみたいね」
「あ、綾ちゃん・・・や、やめてください!それは、それあ」
まひるにとってみれば、決して失ってはならない大切な友人のことである。決して触れられたくない傷が無惨にも広げられ、内部にメスが入れられた。
 無神経というのは、あくまで自分が他人を傷付けているのを自覚していない場合に限られる形容である。けっして、それを自覚して行うことに関して使う言葉ではない。晴海がやっていることは、まさにそういうことなのだ。

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  『おしっこ少女 9』

「ふふ、もう限界のようね・・・起きなさい、子猫ちゃん」
「ウウウ・・・!?」
 とつぜん、上腕を摑まれるなり、まひるは立つことを強要された。月に向かって引き上げられるような気がした。優しい光を讃える月でなくて、冷たい光を放つ氷の牢獄に放り込まれるような錯覚を憶えた。
「あぁぐぐグ・・・グググィ!?」
「ふふ、いい?そんな気持ちよかった?」
 それどころではない、外部から急激な刺激を受けた悪魔の生地は、激しく収縮し、それが蓄えた力は少女を激しく陵辱する。すなわち、性行為の最中に男性に立ち上がられた女性のごとく、下半身から激しく震える官能に身を悶えさせたのだ。
「すごいわよ、服の上からも、まひるちゃんが興奮しているのがわかるわよ、そんなに気持ちよかったのね、羨ましいわ、そんな恥ずかしい体に生まれて!」
「ウウ・ウ・ウ・・うう、嘘です!!アアア・・・ああ!?」
 激しく悶えながらも、まひるは、テニスラケットを放さない。
「本当に、テニスが好きなのね」

 極度に厳しいテニス部になると、練習の開始と同時に手に縛り付けられて、終わるまで戒めを解くことを許されないらしい。
 この少女は、それほど厳しい訓練を受けてきたというのだろうか。健気にもスポーツを愛する精神に徹している少女に、晴海は拍手を送りたくなった。あいにくと、片手が塞がっているために、それは不可能である。
 その代わりと言ってはなんだが、少女を揶揄することにする。 
「あなたの右腕はまだ、テニスがしたいって言っているわよ」
「ウウ・・ウうう。もう、もう、限界です・・・ゆ、許してクダさい・・ィ」
 さすがに限界を超えていると判断した晴海は、ようやく、地獄のテニスから解放することにした。
「そうね、今日はこれくらいにしてあげるわ」
「ハア・・はあ、あ、アリガトウ・・・ご、ございます・・ハア・・ああ」
 ほとんど、息も絶え絶えという他に表現がない。アウシュビッツから解放されたばかりの囚人のように、一人で立つのもままならない。
 それがわかっていながら、残酷に質問する。
「一人で歩けるかしら」
「ヒ、さ、触らないでください・・ぁ」
 まひるは、外部から刺激を受けることを極度に怖れた。今の、まひるは蚊がぶつかることすら嫌がるにちがいない。
 だが、言ってしまってから、ひどく失礼なことを、奴隷の自分が言っていることに気づいた。別に奴隷だと、自分に対して明示したわけではないが、適当な訳語がないために便宜上、そのようにしておく。
「す、すいません」
「いいわよ、まひるちゃん、早くお風呂に入ろうね。このテニス場には会員制の宿泊施設があるのよ」
 失言に対して謝罪する少女を、愛おしく思いながら晴海は言った。

 受付で宿泊の手続きを終えた晴海は、夢遊病者のように蹌踉ける美少女を、先導して
部屋に向かった。
「ほら、ちゃんと歩きなさい、赤ちゃんじゃないんでしょう?まひるちゃんは。それとも赤ちゃんみたいに愛情に飢えているのかしら?」
「ウウ・・ウ、ひどい・・・っ」
いちいち、ツボに嵌った悪口を繰り出してくる。女性警察官僚の言葉には刺がある。しかも、安藤ばななと違って、洗練されているからなおさら質が悪い。
 ボンデージ服の中は、彼女じしんの愛液によって満たされている。ほどんど水の中にいるようだ。しかも、ぬめぬめする生地によって、始終、締め付けられていたので、ほとんど全身を縛られたままで葦の密生する沼地を歩かされたようなものだ。
 少女の疲労はピークに達していた。
 エレベーターで晴海が押したボタンは、最上階を示している。しかし、どうしてこんなどうでもいいことが目に入るのだろう。
「はあ、はあ、はぁ・・・・・・ウウ・・っ!?」
 身体の何処かを動かすたびに、女性の敏感な場所が刺激される。少女のクリトリスは高温多湿の環境にて、とんでもないことになっている。当然のことながら、押し潰されて表皮が剥かれている。
 気の遠くなるような官能に苛まれながらも、少女は、大変な事実に気づいた。
「でも、あの機械がないと、これを脱ぐことはできないんじゃ・・・そんな」
「ふふ、それは嘘よ」
 いかにもあっさりと重大なことを言われて、少女は一瞬、反応に戸惑った。
「ひどい!悪魔!ゥア・・・うぅぅっぅぅ!?」
 一瞬だけだが、自分の獲物が持つ本来のプライドが、その目に宿るのを確認することができた。思わず、ほくそ笑む。
「かわいいわ」
 ペットのマルチーズを見るような目が、まひるに突きささる。自分は、犬じゃないのに!
 悔し涙が床に落ちるのが見える。きらきらする反射が美しすぎるのが残酷だ。失恋をした夜、ネオンサインが冷たく見えるのと近いかもしれない。いや、恋愛というものは罷り成りにも、自発的な行為である。
 しかしながら、今、まひるが目の当たりにしている境遇は、彼女じしんが望んだことではない。まるで奴隷のように引き込まれたのである。何にか?少女はその答えを出したくなかった。もしも、掘り当ててしまったら、自己の存在自由が明後日の方向に飛び去ってしまうように思えたからだ。
 絶え絶えなく流れる涙に、頬を濡らしながら少女は自分の孤独に胸を引き裂かれるような思いに苛まれていた。 しかも、それを辛うじて曖昧にしてくれるのは、安藤ばななを筆頭するにするいじめっ子たちと、残酷さという意味に置いて彼女たちをはるかに凌駕する、麻木晴海という警察官僚なのである。
 ある部屋の前に到着すると、鍵を差し込んだ。
「ようこし、ここはいつも、私が使っている部屋なのよ、それから、まひるちゃんが愛する大事な家族のみなさまを招待してあるの」
 スチャとドアが開く、まさにその瞬間に悪魔の声が聞こえてきたのである。思わず、魔の手から逃れようと藻掻いた。
「ぁぁあぁあうううぅうっぅぅ!?」
 「バカな子ね、どうなるのか、痛いほど分かってるんじゃなかったの?頭のいいまひるお嬢は?」
 いかにも小馬鹿にした美貌が宙に浮いていた。晴海は黒っぽいテニスウェアに身を包んでいるために、薄暗い廊下でそう見えたのである。
「ぅぅうっぅうl!?ヒドイィィ!?うううぅぅっぅぅぅ?!」
 ブザマに床に転がった少女は、じたんだ踏んで悔しがった。晴海の笑顔を見たとたんに、彼女の真意を見抜いたのである。
「フフ、嘘よ、ちゃんとわかったんだ。賢い、賢い、フフ」
 悪魔の笑声を上げると、今度は情け容赦なく少女の華奢な首根っこを摑むと、それはあまりにも白かった、それこそ、プラチナのように透き通っていた、晴海はその美しさに唾を飲み込んだ。そして、少女を部屋の中に荷物のように引き入れた。
「いやあ!いやあ!もう、いやあぁぁあっぁ!?」
 入室してしまえば、そこはもう防音装置が取り囲んだ密室である。たとえ、ここでハードロックのバンドが生で演奏しようとも、外にはほとんど音が漏れないだろう。
 さりげなく、この美しい警察官僚はそのことを少女に告げた。それでも、幼女のように泣きじゃくる。
「ふふ、まひる赤ちゃんは、いったい、誰を求めて泣いているのかしら?ママ?ふふ」
「うううぅぅっぅうぅぅ・・・・ウウウウううう?!」
 身体を裂かれそうな侮辱を一身に浴びて、少女は、ボロぞうきんのように床にうち捨てられている。
「何時まで、そこに転がっているつもり?それとも、インランなまひる赤ちゃんは、おませだから、ずっとそのままでいたいのね」
「ウウ・ウ・・ウ!ち、違います!うぅぅl・・は、はやく、脱がしてくだ・・・ウウ・ウ・・ウ・ウ
 はあ、はぁ、死んじゃう・・ウウ?!」
「だったら、自分で立って浴室まで付いてきなさい、それとも明日の朝までそうしてる?」
 明日の朝というキーワードが少女の何かをこじ開けたようだ。まひるは、股間のことも忘れて、立ち上がると叫んだ。そして、後悔した。
「そうだ、明日、用があるんです!!あぁ・・・・はあぁ」
「ほら、何回、失敗すれば学習するの?あなたって、学習能力、ゼロね」
 成績優秀をまさに自認してきた、彼女にしてみればそれは耐え難い侮辱に他ならないが、今は、このおぞましい生地から自由になりかった。
「ウウ・・」
 悪魔の手に自分の身体を委ねることにしたである。
だが、あくまで晴海は酷薄だった。
「私は、自分の足で付いてきなさいって言ったのよ、聞いていなかったの?」
「ウウウ・・」
 芋虫のように這ってくる少女を見て、満足そうに微笑むと晴海は銀色に光る金属を示した。
「鍵?」
 それはさえあれば、少女はこの屈辱的な状況から解放できるはずだった。しかし、それを得る手段はあきらかに奴隷のそれとしか言いようがないほど、従属的だった。何故ならば、その鍵は、彼女の主人である晴海の手にあり、彼女の憐憫を買わねば念願は叶わない。
 
 だが、そんなことを斟酌する余裕は、少女にはすでにない。
 気が付くと、再三繰り返してきた失敗を忘れて、手足を動かしていた。
「ふふ、なんど同じ失敗を繰り返したら気が済むのかしら?」
 やおら近づいた晴海は、屈むとその長い指を少女の身体に這わせる。そして、臍を超えて骨盤を探し出す・・・。
 何と、瑞々しい肌触りだろう。ゴムの生地の上からでも、それが如実に伝わってくる。晴海は、女盛りでありながら多少なりとも嫉妬を憶えていた。なおさらいじめたくなる。爪と指を使って微妙な圧力をコントロールして、少女により性感を与えようとする。
「ぁあぁぁぁぁ!?」
 暴力的で嗜虐的な手から、少女は逃げる手段を持っていない。見る見るうちに、凶悪な指は、少女のハマグリを摑みとっていた。
「ああ、そうか、それはオナニーなのね、もっと、気持ちよくなりたいんだ。そうなら、こうすればいいのよ!!」
「ァアアギググ・・・あ!?」
 晴海の手が少女の股間に食い込むと同時に、少女は断末魔のような声をあげた。性感の絶頂とは苦痛に限りなく近いのだろうか。被虐のヒロインの顔には、恍惚とともに苦悶の色がはっきりと見える。
 「ああ、また、イかせちゃったか。まったく、世話の焼ける」
 晴海は、まさにオルガスムスの絶頂にある少女を見下ろしながら、彼女の日曜日の事情というものが知りたくてたまらなくなっていた。




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『おしっこ少女 8』

「ううううぅぅっぅん?!」
「そのシートはメーカー製の特別あしらえなのよ。疲れた身体をたんと休めてね」
 運転者は傍らのシートに身を沈める奴隷に語りかける。
「この車が相当の高級車であることを感謝しなさい。あそこへの刺激もこの程度で済んでいるのよ」
 車に関するまひるの知識では、晴海のカービジネスの世界を理解することは難しい。よって、現在、彼女が乗せられている車種を教えられたところで、その価値を理解することは難しかった。
「ウウ・ウ・ウ・ウウ、ほんとうに、このままでテニスを?」
「してもらうわ」
 麻木晴海は接ぎ木の要領で言葉をつなげる。

 だが、最初の木とそれにつなげる枝との関係にそれほどの親和性は見いだせない。いや、むしろ、完全に相反する。生まれたときから憎しみあう兄弟のようで、とても握手しあうような仲とは言い難い。
 だが、後者の圧倒的な権力によって、無力な前者は支配されねじ伏せられる運命なのだ。
 そうは言うものの、学校でいじめられる時とは何かが違う。それを具体的に説明しろと言われても、あいにくと、まひるの語彙力ではうまく表現できなかった。
「ウウ・ウ・・・」
「これでも、学生時代はテニスをやっていたのよ」
 何がこれでもなのか、まひるにはわからない。
「そこにラケットがあるから見てみなさいよ」
「ウウ・ハイ・・・」
 晴海が指す先は背後の席だった。性器に生地が食い込むのを必死に我慢しながら、上半身を動かしてラケットに触れる。
「ウウ・・・・?!」
 ビニールに包まれたそのラケットはかなりの高級品である。
「眺めていないで、中を出してみなさいよ」
「・・・ハイ」

 まひるの上品な鼻梁がかすかに動いたことに、晴海は見逃さなかった。しかし、それをすぐに表に出すような真似はしない。運転しながら、少女の挙動を観察して楽しむ。
 少女はテニスラケットを握っている。
「振ってみなさいな」
「こ、ここでですか?」
「そうよ」
 晴海の声は小さいが至極断定的だ。被虐のヒロインに、背く気力すらない。
 何度も振るう。
 それを見ていたまひるはほくそ笑んだ。
「まひるちゃん、テニスの基礎があるのね」
「・・・・」
 とたんに、少女の顔色が青みを帯びるのを晴海は興味深く見ていた。
「言ったでしょう?これでもテニスの経験があるって、見れば分かるわよ、握り方をね。幼いころから相当、しごかれたわね」
「・・・・・・・・・」
 本来の表情をまひるは取り戻していた。しかし、本人はそれに気づいていない。まだ治りきっていない精神の傷に塩を塗られたのである。そんな時に見せる表情が本来の自分などと、誰が思うだろう。
 しかしながら、女性捜査官の慧眼は確かにそれを見透かしていた。知っていて、あえて、塩を塗る行為を強行してみせたのである。
「その通りです。でも、才能がなかったんです、でも、妹が同じテニスクラブのジュニアにいるんです」
「ふうん」
 語尾がふいに明るくなった。それにつなげるように晴海が言う。
「妹さん、ジュニアの選手権で準優勝を飾ったのよね」
「エ?ご存知なんですか?」
「公安の捜査能力を甘く見ないで欲しいわ」

 自分で言っておいて、思わず噴き出しそうになった。確か、そのような台詞があるコミックスにあったはずだ。彼女が小学生時代に読んだ旧い記憶である。
 まひるはそんなこととも知らずに、自分の車を運転する女性に恐怖を抱いた。この人は自分に関することをなんでも知っているのだろうか。
 自分がテニスに関することで傷を受けていることだけでなく、そのことで安藤ばななから脅迫を受けて、それが原因で彼女の奴隷になっていること等、それらのことをすべて知悉しているのではないか。
 しかし、それはまひるの買いかぶりと言えよう。
 それほど、この時の晴海が美少女に関心があったわけではない。もちろん、公安の捜査能力を行使すれば、それは不可能なことではない。しかし、それは事件に関する可能性がある場合に限られる。何故ならば、日本は民主国家であり名義上は少なくとも警察国家ではないからだ。
 まひるの妹の件も、たまたま見た地方紙の片隅に見たからだ。彼女の記憶力には定評がある。その点は、たしかに公安の捜査能力なのだろう。
 だが、この時、女性捜査官は被虐の美少女に関して新たな知識、そうまでいかなくても手がかりを直接的に得ることができた。

 テニス、そして、妹。
 この辺が佐竹まひるという少女を解くキーワードになりそうだった。
「今夜は泊まっていきなさい、連絡しておくから」
「・・・・」
 もはや、悪い意味での夢心地の状態に陥っている少女には、事態を正しく把握する能力はない。まひるは意識の外で、晴海が、彼女の義理の姉、すなわち、少女の実姉に電話をかけていることを知った。
 だが、それに何ら影響力を行使することはできない。
 よしんば、しようと思ったところで、彼女にその気力はない。全身が性器のようになっているまひるには、手足を生まれたときから奪われた巨大な海鼠以外のどんな存在価値があるというのだ。
 それにしても、この女性キャリア警官は、そんなまひるが可愛らしくてたまらないのである。いじめれば、いじめるほどに味わいが出てくる。
 そもそも、彼女に嗜虐という趣味はなかったはずだが、この女子中学生を目の当たりにした瞬間に、その感情が芽生えてしまった。何かを嗅ぎつけたのだが、現在の晴海に、具体的な理由を見つけ出すことはできない。
ただ、欲望が要求するままに、残酷な行為を続けているだけなのだ。

「まひるちゃん、起きてる?まひるちゃん!」
 車が止まったとき、少女は軽く意識を失っていた。
「あ、朝ですか・・・・・!?」
「何を寝ぼけているの?ほら、起きなさい!」
 まひるの股間に邪悪な指が侵入していた。
「えぐ?グウ・・・・・」
 意識を取り戻してみて、自分が悪夢の中にいることを知った。あるいは、現実そのものが悪意に満ちていることを知らされた。
「あ、安藤さん・・・・・」
「まだ、寝ぼけているのよ、ついたわよ。テニスコートに、折角、テニスウェアもあるけど中身が見えちゃうし」
「アヒイ・・・・ア・・・・・はあ、はあ!?」
 晴海の掌がまひるの大腿を摑んだ。それだけのことで、少女の性器に負担がかかるのだ。まさに全身性器である。
「このいやらしい足が見えちゃわね、仕方ないわ、今日はジャージで楽しみましょう」
 女性捜査官の美貌が、月夜によく映える。まひるはぞっとなった。だが、安藤たちに感ずる圧倒的な恐怖とそれに基づく拒否とは違う感情を、この年上の女性に感じていた。当然のことながら、姉に対する感情とは完全に異なる。

 かつて、体験したことのない感情に、まひるは戸惑っていた。それをどう受け取って、反応したらいいのか、皆目検討がつかない。
 全身を覆うぬめぬめした化け物は、情け容赦なく美少女を強姦していく。少女は身動きするたびに官能の疼きに耐えねばならない。あたかも、ボンデージ服は固有の意思を持っているかのような動きで、彼女を捕らえて放さない。
 ホテルのような高級感溢れるエントランスを通って、更衣室に入ったはずだが、その記憶はあやふやで頼りない。
いつの間にか、少女の虚ろな目はぼんやりとした光の束を見つけていた。
 テニスコートだ。
 夜の闇に咲く奇妙な都市である。天上まで続く柱とネットは、あたかも、少女を閉じ込める牢獄を構成しているように思えた。
「はあ、はあぁ・・・・・あぁ」
 いつの間にか、硬い地面に手をついていた。
「だ、駄目です・・・・・テ、テニスなんて、ハア、で、できません・・・・ハア」
「何言っているのよ、立ちなさい!」
 棒のようなものが少女の頬に突きささる。言うまでもなく、テニスラケットだ。
 まひるの位置からはちょうど逆光になっていて、晴海は闇の女王のように見えた。
「ハイ・・・・ハア・・ハアぁ」
 力無く答えると、少女は半病人のように立ち上がろうとした。右膝を地面に立てて、ようやく上半身を持ち上げる。
「ウウ・ウ・ウうう?!」
 たったそれだけの衝撃で、いきなり股間に指を突っ込まれたような官能が、少女の下半身を襲う。
 顔を上げると、既に、晴海はテニスコートに立っていた。
 本能的に、そう、かつて、テニスに打ち込んでいた記憶の残り滓が、少女を反対のコートに足を運ばせていた。
小さい頃から叩き込まれてきた教育によって、ほぼ無意識のうちに、まひるはボールを待つ体勢に入っていた。
テニスは大好きだった。小さい頃から、プロテニスプレイヤーになることだけを夢見て、辛い練習にも打ち込んできた。
 それが、彼女がテニスコートに出現することによって、内的にも、外的にも、少女を打ちのめす結果となった。妹が天賦の才脳を開花させるに至って、懸命に努力してきたことで勝ち取ってきた家族の関心は完全に奪われ、孤立した彼女たけがぽつんと取り残された。
 いまの、まひるのように。

 ボールは、情け容赦なく、右、左と放たれる。
 テニスボールがはずむ音は、少女に苦痛な既視感を与える。性器を襲う官能は、少女に、新たな道を示す。それらを同時に与えられた場合、少女の中で一体何が起こるというのだろう。
 過去と現在をつなぐもの。
 まるで、酔っぱらいのように千鳥足でボールを追いながら、あるいは、チョウのようにか弱い身体に凶悪なボールを受けながら、女子中学生は、過去と現在を行ったり来たりしていた。
すると、目の前に立ちはだかるテニスプレイヤーは何者だろう。
 妹か?
 いや、違う。それにしては背が高すぎる。
「ウウ・ウ・ウ・・うう?!」
 思わず、右膝を付いてしまった。
 股間のことはもうわからない。もう自分ではないようだ。得体の知れない宇宙生物に乗っ取られてしまったかのようだ。
「どうしたの?まだ始まったばかりなのよ」
 残酷な言葉が、ボールにもまして怖ろしい速度で飛んでくる。
 このまま得体の知れない化け物に、全身を乗っ取られてしまえばいい。脳にまでその汚らわしい触手が伸びれば、精神まで支配されることは必至だ。そうなれば、もう、まひるは苦しまないだろう。
 何となれば、まひるなどと言う少女はこの世の何処にもいなくなるからである。
 しかし、そうは問屋が卸さない。
 残酷なまでに美しい声が天頂から降ってきた。





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『おしっこ少女 6』


 麻木晴海のマンションはまひるの家から車で15分ほどの場所にある。
 だから、彼女が被虐のヒロインが放り込まれたドラマ空間を知るのに、同じ時間程度のタイムラグがあった。
「うーん」
 女性捜査官は、装置のスイッチをオンにすると煎れたばかりのコーヒーを手に、ソファに腰を据えた。
「さて、今日はどんなラジオドラマを聞かせてくれるのかな?」
 はたして、スピーカーは、晴海を満足させるほどの空気の波を造ることができるだろうか?
 乾いた電子音とともに、何か堅いものに躓いたような音、そう、それは声と呼ばれるかもしれない、それが聞こえてきた。
―――――ママ、ありがとうね、こんな高いもの・・・・。
―――――いえ、まひるちゃんが喜んでくれて嬉しいわ。わたしたちにとっては、何よりもあなた、家族のことが一番大切なのよ。
―――――そうだね、パパも、お前たちのためにがんばって働いているのだしね。
―――――そうよ、まひるちゃん、わたしたちはね。ねえ、皐。
―――――わたしたちって? 皐お姉ちゃん?
 
 おそらく小さな妹の声なのだろう。やけに黄色い声が耳に付く。家族の会話は当て所もなく続いていくが、晴海の関心は身体の清潔の保持に向かっていった。
「やれ、やれ・・・・・」
 女性捜査官はおもむろに立ち上がると、浴室へと向かう。
 着替えを用意するためにタンスの前に立った晴海は、あることに気づいた。

―――そうね、まひるちゃんの言葉が聞こえなかったわ。
 やけに大人しい少女のことが気になった。最初だけ聞かれた唯一の台詞も、何処か機械的で抑揚に乏しかった。それは、しかし、必死に自分を押さえている証左とも取れる。マグマのようなドロドロとしたものが、彼女の中で犇めいて今にも噴出しようとしているのだ。まひるの可愛らしくもはかない理性が、涙ぐましい努力でそれを防いでいる。
―――可愛らしいじゃない。

 晴海はほくそ笑んだ。自分の精神が嗜虐へと向かっていることに、今更ながら気づいた。どうしてなのかわからないが、佐竹まひるの苦しむ姿を想像して性的な興奮を得るまでに達している。

――――私は彼女を憎んでいるのかしら?
 
 浴槽の底に残った水滴を見ているうちに、風呂に入る気が失せた。シャワーですますことにする。何だか、生物めいた不潔をその中に感じたのである。

――――どうして?
 
 シャワーが吐き出す無機的な音と水流は、何故か、はじめで出会ったときのまひるの横顔を想い出させた。
 性欲に理性を失った男どもに囲まれながら、不敵な笑みを浮かべる美女のように、彼女は自身が犯されることを知っているのだが、あえて、泰然自若としている。
 心身共にぼろぼろになりながらも、虚勢を張っているまひるを見ていると、女性捜査官は、たがが中学生の少女に心を奪われている自分を発見して、苦笑するのだった。
 それが芝居であることがすぐに察知できたが、自我が崩壊寸前でありながら、あえて、それを保持しようとする自尊心の高さを愛したのではなかったか。
 それが、今、憎しみの感情に変わりつつあるのを感じる。それは、あたかも、外部から何者かの手によって強制されているような気分に、酷似していた。

――これほど迄に、私にこんな感情を抱かせるとは・・・・。

 それは ――――。
「チクショウ!」
 マックスにしたシャワーの音でさえ、その下品な叫びを押さえてはくれなかった。瞑目しているのに、自分の醜い姿を目の当たりにさせられる。
 完全なまでに、自分の感情をコントロールすることにかけては、自信がある彼女は、自分自身にすら感情の吐露を簡単には許さなかった。

 蛇口を摑む力。

 やがて、それは即座に豪雨を止ませる。しかし、数個の水滴は、なおも晴海の肌にまとわりついて、尿がほとばしり出るような音をたてている。

―――ふん、あんな子供にこの私が・・・・・。

 濡れた身体を清潔な布で包みながら、何故か女性捜査官の魂は、彼女の思いも寄らない場所へと誘っていた。
 彼女は今、自分を拭っているよりもさらに巨大な布、布団のようなものに包まれている。そして、何か温かく硬いものが幾つも自分の身体に沿って這ってくる。
とてつもなく温かいもの。
 彼女にそれを保証する何者かだった。少なくとも彼女はそう受け取っていた。
 やがて、それは満面の笑みとともに、目の前に具現する。

――――ママ・・・・・・。

 少女はそう名付けた。
名 称というものは、人間が外部世界を理解するために、ある対象に名義を与えることにすぎない。それによって単なるものが、彼や彼女にとって意味ある存在へと成り代わるのである。
 濡れた少女を支える指や手は ―――。
 それは指や手と名付けられた。
 そして ―――。
 それらを操るものは、母親と名付けられたのである。
 小さな晴海を見下ろす満面の笑み。
 それは限りない愛情に満ちていた。それを受けた少女はできるだけ同じ量と質を兼ねそろえたものを、返そうとする。
 豊潤な愛の応酬が滞りなく行われるはずだった ――――。
 しかし、それに異を唱えるものがいた。少女だけに聞こえる言葉でこう言ったのである。

「まるで、可愛い飼い猫だな ―――」
 脱衣所の隅には兄が立っていた。
「・・・・・・・・・・」
 しかし、改めて見回しても、彼も母親もいない。あるのはがらんとした虚の空間だけだ。
 手早い手つきでネグリゲェに着替えると、洗濯機のスイッチを入れて、台所へと向かう。
 その日の夕食には、久しぶりにワインを一本開けた。拭いきれない不快な記憶が何重にも身体にまとわりついているような気がしたからだ。それを排除、あるいは忘れきるには、アルコールの力を借りる必要があったのである。
 何を食べたのか覚えていない夕食が済んで、意識を取り戻したとき、8時をすでに何分も回っていた。
「もう、こんな時間か ―――」
 そう言ったとき、聞き慣れた機械音が聞こえた。
「誰だ?」
 台所の隅にある応答機に触れるとアルコールに汚れた声を出した。

「わ、私です・・・・・・まひるです・・・」
「・・・・・・・・・」
 どんな表情をしていいのかわからず、美貌にいらぬ道草を食わせた晴海だったが、すぐに、ほくそ笑むと残酷な言葉を送った。
「まひる? 何処の誰? あいにくと聞いたことがないけど ―――」
「さ、佐竹、まひるです! ウウ・・・」
 怒ったような声とともに、押し殺したような泣き声が返ってきた。
「ふーん、何処の佐竹さん? 警視総監の佐竹弓彦さんが私ごときに、何の用かしら? 機械の調子が悪いね、何やら子供の声のように聞こえるんですけど」
 先方に映像を送ることができるわけでもないのに、わざと美貌を歪めて大根役者ぶりを発揮する。それは声に現れているが、それが顕わならば、顕わなほど、少女に与えるダメージも底なしになっていくのだった。
 だが、もう潮時だと判断した晴海はこう切り出した。
「わかったわ。鍵を開けるから来なさい」
 ただし、こう皮肉を付け加えることを忘れなかった。
「警視総監閣下」

 まひるが彼女のマンションを訪れるのは、これが二回目である。
 だから、ドアが自動的に開いて高級ホテルのような扱いを、受付から受けるのは少女にとって居心地の悪いことこの上なかった。
 消え入りそうな我が身を震わせながらも、エントランスを抜けるとエレベーターに身を潜める。
 たまたま、居合わせた母娘はふたりとも相当に高級そうな衣服に身を包んでいた。彼我の違いを思うと少女は胸が張り裂けそうな心持ちに顎まで涙を伝わせるのだった。

「ねえ、ママ、お姉ちゃん、泣いているわよ」
「しっ、見ちゃだめ」

 母親はそう躾るように言うと、娘の手を握るとまひるを避けるように、フロアに消えていった。まひるは、自分がいかにもおぞましいもののように思えて、さらに惨めになるのだった。あたかも、そのようなレッテルを貼られたような気になる。
 確かに、こんな時間に中学生くらいの少女がひとりでこんなところにいるというのは、どう考えてもおかしい。晴海が住んでいる高級マンションはかなりの高層であり、200戸以上が入っている。
 どの部屋にどんな人たちが住んでいるかなどと、知りようもないが、入ってきた人物が住人かそうでないかという区別ぐらいは、長く居れば人目でわかるものだ。
 あきらかに、さきほどの婦人はまひるを不振に思ったのだ。それ以上でも以下でもなかったのだが、自意識過剰になっている少女は、彼女の敵意を過大に受け取ったのである。


―――ああ、このまま消え入りたい。早く、お会いしたい、晴海お姉さまに。

 まひるは、心の中だけで、晴海のことをそう呼んでいた。個人的な日記にさえ記すことができなかった。
 死にたいほど辛いときには、そう念じて、どうにか理性を保つことができた。
 もうすぐだ、もうすぐ、その晴海に出会うことができる。そうすれば、これまでの辛い思いは雲散霧消するだろう。
 43F、晴海が住む部屋はこの高層にある。値打ちはナントカヒルズとはいかないが、少なからず辺鄙なところに 建っているために、室内の設備等は前掲の建物よりもむしろ豪壮とさえ言える。
 だから、少女は扉の前に立った時、震えを感じた。彼女が憧れる人物が自分とは完全に違う世界の人間のように思えたのである。
 恐る恐るブザーを押すと、まもなく、月の女神様のような晴海が現れた。
「ようこそ、警視総監閣下」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 この世のものとは思えない哀しい目で、少女は女神の顔を見上げた。
 晴海はさらに残酷な言い方を続ける。被虐のヒロインを中に案内しようとしながら・・・・。
「あれ、ずいぶん、可愛らしい警視総監だこと」
「も、もう、やめてください・・・ウウ・ウ」
 嗚咽を必死に押さえながら、まひるは泣き続ける。内装は思ったよりも豪華で、神聖な宮殿にしか見えない。自分の汚らしい唾が一滴でも飛び出たら大変だ。慎重に口を動かす。
「晴海さん・・・・・」
「晴海さん? そんな風に呼ばれるほど、あなたと親しかったかしら?」
「そ、そんな・・・・・」
 打って変わって冷たい晴海お姉さまの様子に、まひるは全身の細胞が凍りつく。そんな少女に女性捜査官はさらに冷酷な態度に出る。

「そんな汚らしい恰好で部屋に入られたら困るのよ」
「ア・・、すいません」
 まひるは、自分が濡れていることを叱られていると思ったのだ。その通り、少女は傘も持たずに雨が降り続ける夜の街に飛び込んだので、まさに濡れ鼠状態である。
 ところが ――――。
 少女が靴を脱ごうとすると ―――。
 晴海はまるでアヒルの首を摑むように、美少女の髪を乱暴に手にするとタイルの床にその綺麗な容貌を押し付けた。

――――なんだろう? この感覚は。

 嗜虐と愛情が交差する。

 ―――どうして、こんな残酷なことをしているんだろう。

 目の前の美少女は晴海の力とタイルの間に挟み込まれ、奇妙に歪んでいる。タイルは彼女の涙で濡れて、彫刻がくっきりと見え始めた。
「答えなさい、私は何て言ったのかしら?」
 氷よりも冷たい声で、少女を凍えさせる。

――どうして、ここまで!?

 自答自問しながら、さらに押さえつける。
「答えなさい!!」
「き、汚らしい、わ、私が入ると困ります・・・ウ・ウ・ウ・ウ・ウウ」
 絞首刑に処するように、まひるの頭を髪ごと引き上げる。自分の視線まで達すると、言葉の刃で少女の心を切り裂く。
「おわかりのようね、なら、それなりの処置をしてもらうわ」
そう言うと奥に戻ると30秒で帰ってきた。
「これを来て貰うわ」
「?」
 少女の目には、それはレインコートのようにしか見えなかった。黒曜石のように光る生地は、濡れてもいないのに、異様にテカっている。
「これで、あなたの汚い身体を包むの、そうしたら、入れてあげてもいいわ」
「ハ.ハイ・・・・・・・・・・・」
 自分が月の宮殿にでも迷いこんたと錯覚しているのだから、もはや、平静の状態とは言えないだろう。晴海の洗脳によって、もちろん、彼女がそう意図したわけではないが、恐怖すべき月の女神によって従順な子ネズミにされてしまったのだろうか。
 命令されたわけでもないのに、少女は制服を脱ぎ始めた。
「そんな汚いものを入れないで、そこに置きなさい!」
ビクビクしながら、被虐のヒロインは自分が着ていたものを床に投げ捨てた。
「ぬ、脱ぎました・・・・ウウ」
「下着もよ」
 残酷に言い放つ。

――ぞくぞくしてくるわ。

 晴海は、何もとも知れぬものからの力によって、そう感じていた。それをわかっていながら、もはや、自分の精神を制御不能になっていた、それもまた事実である。
「ウウ・ウ・ウ・ウ・ウ」
 被虐のヒロインは、もはや、感じなくなった手で下着を脱ぎさった。
「さ、これを着るのよ」
 触れるとゴムのような感触に身の毛をよじった。
 すぐにでも手放したくなったが、晴海の目を見ると、従順な奴隷になるしか生きる道がないと気づく。
 そして、その黒光りするおぞましいレインコートに袖を通す。着てみてわかったのだが、それは上下がつながっている。チャックを開くとまず、足から入れる。何と裏生地まで、ゴムかナイロンのような生地だった。
 しかし、実際に肌に接すると、それが単なるゴムではないことがわかる。

 ―――――濡れてる?
 まるで、少女の心を読んだような声がふってくる。
「それは特殊なゴムで出来ているのよ、まるで濡れているみたいでしょう? ただでさえ。いやらしいまひるちゃんをさらにいやらしくしてくれるのよ」
 ぐにゅぐにゅ。
 実際にそのような音がするわけではないが、確かに、まひるはそれを聴いた。何だか、海底に引きずられていくようだ。
 上衣も同様だった。指から爪の先までおぞましい粘液によって包み込まれる。
 しかし、それだけではない。そのレインコートには仮面らしきものはついていたのである。
「そ、そんな、まさか・・・・ウウウウ」
「そのまさかよ、はやく被りなさい、あなたの気持ち悪い顔なんて見たくないの」
 さらに、まひるの人格を否定することば。

「着なくてもいいのよ、さっさと、お帰りなさい」
 少女の答えは決まっている。
「ウウ・ウウ・・ウ・ウ・ウ・ウ・・・むぐ・・・ウウ」
 仮面を被るとチャックを自ら上げる。
「むぐぐぐぐぐむぐぐ・・・」
 おぞましいゴムの感触に身の毛がよじる。おぞましいタコのお化けに喰われるような感触が顔面を襲う。
「だけど、これだけじゃないのよね、そこに、丸いのがあるでしょう? それは呼吸口なのよ。ここにこれを嵌めるとね」
 晴海は、ホースのようなものをまひるの顔に押し付ける。
「い、痛い」
「あら、まだしゃべれるのね。ふふふ」
 意味ありげ笑うとホースがつながった機械に手を伸ばした。
「こうするとね、一言も言えなくなるわ」

 ぐいいいいいん。

 船の汽笛のような音がすると、全身が万力で潰される。骨がきしむ音が聞こえた。しかし、そんな音楽を楽しむ余裕はなかった。

―――押し潰される! 苦しい。
 呼吸が出来ない。とどのつまり、それが一番苦しい。全身の体液が奪われるような気がした。
 しかし、同時に下からの突き上げに、少女は内臓を素手で摑まれるような気がした。
「むぐぐぐぐ・・・・・・・・・・・・」
 性器と肛門に世界中の男達の手が入ってくる。
 少女は悶えの苦しみの中でそう思った。

 晴海は自分の足下に苦しむダンゴムシを不思議な思いで見つめた。

―――私はこれの生き死にを握っている。あともう少しでどうにでもできる。もうすこしで。

 しかし、すんでの所で、女性捜査官は人間の中庸というものを取り戻したようだ。
「コレが限界のようね、さあ、これを銜えなさい!」
 ホースを引き抜くと別のそれを突っ込んだ。
 まひるからすれば、唇に何か硬いものを押し付けられたようなものだ。何か、冷たいものが顔にかかる。

―――え? サンソ?
 
 被虐のヒロインは無意識のうちにそれをくわえ込んだ。
「ふふ、やっと息が出来るでしょう? で、これも銜えるのよ」
 そう言うと、ちょうとその穴の逆位置にある穴を開けると、別のホースを突っ込んだ。
「中にパイプがもう一個あるでしょう? それを銜えるのよ。そちらは二酸化炭素用よ。これで息ができるわ、感謝なさい、これを背負いなさいね、あなたの生命線よ」
 晴海は鉄の塊を背負わせた。それは酸素ボンベである。
「ムグ」
まひるは、これまで背負ったことのない重荷に直面させられたような気がした。しかし、その反面、こうも考えていた。

――――もしかしたら、これは生まれついでの宿命のようなものではないか、と。
 

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

『おしっこ少女 5』
 あくまでも音声を通じてしか事態を把握できなかった晴海は、裸眼でまひるの偉容を見たことはない。
 ふいに、この学校の至る所に隠しカメラを仕掛けたくなった。この細い足を怪我した白鳥の子がいじめられているところをつぶさに見物したくなった。少女の演技を生で見たくなったのである。『偽りの生徒会長』というBC級映画並の題が適当だろうか。そもそも生なので、舞台と表現したほうが適当かも知れない。
 
 他の生徒に見られるとまずいので、まひるから少し離れて歩く。まるで、校舎内が濡れているように思えた。それは、少女が流した涙かもしれない。知らず知らずのうちに流れた涙は露や霜になって大気中に発散し、やがて、リノリウムの廊下や窓、そして、天井に結露する。
 昼間なのにやけに薄暗い校舎を歩いていると、短い距離でも、そして、単純な経路でも、難解複雑な迷宮を彷徨っているような気がする。
 やがて、簡単に時間を乗り越えてしまうかもしれない。
 気が付くと自分があの制服を着て、あんな感じで歩いているかもしれない。かつてのように、肩で風を切って・・・・・・・・・。
 
 いやな想像と回想を消し去るべくかぶりを振ったところで、気が付くと駐車場に立っていた。夕日に照らし出されたまひるが、その字のごとくまぶしかった。驚くべきことは、彼女が上履きを履いていることだ。この手の少女は大から小まで、神経症的な注意深さで約束事というものを遵守する。生きるための力を、ほとんどそのためだけに使い果たしてしまうのである。
 それなのに、被虐のヒロインは下履きに履き替えなかった。晴海が命じた経路を歩いていた。少女の手足はそれぞれ交互に、まるで自動機械のように動く。
 リノリウムの床に映る少女の手足は、吊られる瞬間の魚のように揺れる。実像と虚像の区別は曖昧になってもはや区別するのは不可能だ。
 まひるの演技はたしかに堂に入っている。仮面が仮面でなくなってしまうパントマイムの比喩は、もう使い古されたが、あえて、ここで使ってみたい。
 
 痛々しくてたまらない。そして、それを歪んだ欲望を抱いて眺めている。女性警官はそんな自分をもっと高い場所から達観している。
 実体験からそれを知悉しているからこそ、佐竹まひるという少女の苦しみがわかるのだ。彼女の哀しみと痛みが我が事のように感じる。時間を簡単に飛び越えてしまいそうな、薄暗い迷路を彷徨ったことも、それに荷担しているだろう。
 まるで殺人の現場を目撃された犯人のように、晴海は自分の言うことを聞く。

 この時刻、場所で、少女は脊椎を曲げて、車に乗り込む。それは、この世の開闢のとき、既に、そのことは決定されているように見えた。この哀れな少女は運命の海にただ弄ばれるだけ、そうされた挙げ句、切り捨てられてしまうのだろうか。

 その細い腰、華奢な肩、バンビー人形のような手首や、足首。ただし、その造りは荒削りで、まだ完成までほど遠いことがわかる。
 世の男性の中には、成熟した女性よりも、そのほうが性欲を感じる、あるいは、それにしか感じることができない趣向の人たちがいると聞く。若者が造り出すサブカルチャー等々を概観すれば、誰でもわかるだろう。
 晴海は、彼らとは違った意味で、言い換えれば、距離を置いた視線で少女を見ている。もちろん、それに欲望が加味されていないというわけではない。むしろ、生殖を基礎にしていないぶん、それは先鋭化し、欲望として暴力的なまでに純粋になっていく。
 まるで樽の中の最高級ブランデー。
 
 エンジンに点火する作業は、ただの物質に生命を吹き込むことに似ている。それをする度に、一個の生命を産んでいるような気がする。「これが母親になるということか」と、子供を産んだことがない晴海がそう思う。
 一方、助手席に座っているまひるはどう思っているだろうか。座っているというよりは、人形のように、置かれていると表現したほうがより適当だろう。ほぼ放心状態の美少女は、自分が何処に何のためにいるか、というごく基本的なことすら呑み込めていないように見える。

 ここで、晴海はカンフル注射を打ってみることにした。
 少女の透けるように白い耳に口を近づけるとこう囁いたのである。
「愛しているわよ、まひるちゃん」
「・・・・・・・・・・・」
 いっしゅん、惚けたような顔で自分がいる場所を確かめようとした被虐のヒロインだったが、車がゲートを過ぎてかすかな段差を超えたところで、今まで溜め込んだ苦しみと哀しみを吐き出すように泣き声を上げ始めた。
「ああ・あ・あ・・ああぁあっぁ!!」
 それはまったく疑問の余地のない感情だった。
 白魚のような指を幽霊の顔に嵌め込んで、おいおいと泣き続ける。水晶の液体が氷柱の指を伝ってスカートに流れ落ちる。その軌跡を眺めてみると、始めて邂逅したときのあの出来事を想い出す。
 仕事先からの帰宅中、列車の中で・・・・・。
 やおら、見知らぬ少女が近づいてきた。
「まひる、おしっこ!」
 少女はたしかにそう言った。
 見ず知らずの年上の女性に、そう言いながらスカートを捲った。そこにあったのは局所が顕わな下半身だった。
 その後、衆人環視の中、男子のような姿勢で排尿を行ったのである。
 まったく、感情を顔に出さなかったぶん、凍傷を起こしそうな悲しみと痛みが直で伝わってきた。

 女性捜査官は、今までこの少女に何が起こったのか、音声によって知っている。映像が伴わないとはいえ、会話等からかなり的確な情報を得ることが出来る。
 しかしながら、その日のことはわかっていない。何故に、彼女がトイレに全裸で閉じ込められていたのか、その事 情を摑んでいないのだ。だが、それを不都合とは思わなかった。まるで込み入った推理小説を読み解くように、この美少女の頬に流れる涙の滝を遡って、その源流を確かめようと思ったのである。
まず始めに当然浮かんでくるべき質問をぶつけてみた。

「これから、何処に向かえばいいかな」
「ウウ・ウ・ウ・・ウ・ウウ、い、今、何時ですか?」
「?4時すぎだけど」
「え!? あ、あ、ああ」
 その声はさらなる絶望の色に染まっていた。その美しい体躯を弓なりに歪ませて泣き始めた。
「だから、4時に何があるっていうの」
 あえて感情を含めずに言の葉を舞わせる。
「4時半までに家に帰らないとわたし・・・・・・ウウ」
 ずいぶん、早い門限だなと晴海は聞いていた。まさに、推理小説を一頁ずつ捲る感覚である。しかし、まひるの様子を見ていると事態が深刻の度を濃くしていることがわかる。まるで赤子が引きつけの発作を起こすように、絶え間なく震えている。
「わた、わたし・・・・・・ウウ・・・・・みんなに、見捨て・・・・・られちゃう・・・・ウウウ・ウ・うう」
「みんなって?」
 車は高速に乗った。まひるはそれを別世界への行旅に思えた。

―――そうだ、このまま何処かにイッちぇばいい。この人とともに、家族のことなんか、もう考えたくない。そうだ。最初からいないと思えばいいんだわ。そうすれば見捨てられたなんて思わなくていい。
 
 オレンジ色に視野が染まっていく雲が、自分が産まれた世界のものとは思えない。

――――雲ってこんなに美しかったっけ。

 そんな風に思考を飛ばす、まひるの耳にはさきほど囁かれた言葉がハウリングしていた。
(まひるちゃん、愛しているわよ)
 辛うじて生き残っている自我は、その言葉に飛びついたのである。しかし、当の晴海は同じ声で違う言葉を吐いていた。それは打って変わって冷たく乾いていた。
「何を急いでいるのか、教えてもらってもいいかしら?」
「・・・・・・・・」
 痺れを切らした女性警官は言葉に刺をしのばすことにした。
「何なら、車を停めてもいいんだけど」
「い、言います!」
 空母を破壊される寸前に命からがら飛び立つ艦載機のように、まひるの声は逃げるように声の主から飛び立つ。
「お、お願いですから・・・・・ぁぁぁ・・・・ウウ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
 無言でフロントガラスを見つめる美貌の警官に、まひるは、かえって恐怖を覚えた。自然、それは少女の神経系に圧倒的な服従を強いる結果となる。
「あ、あ、わた、私、まひるは、家族のみんなに、嫌われて・・・ウウ・・・るンです」
「・・・・・・・・!?」
 捜査官として才能を認められ始めた晴海とはいえ、さすがにこの答えを予期することはできなかった。そのうえ、それは同時に彼女の心の琴線に触れていたから、彼女にあるていどの動揺を与える結果となった。
「そうなのか・・・・・・・」
「私、私、もう駄目なんです! 今日の、誕生日に時間通りに家にいなかったら、もう、家から追い出されちゃう!!」
 白皙の顔を両手で覆って泣きじゃくるまひるに、晴海はかかとで押し出すような声を出した。その動揺ぶりは敬語を使い忘れていることにも如実に現れている。
「血縁っていうものはそんなものじゃないんじゃないかしら? 血は水よりも濃いと言うし・・・・・」
「こ、今回が二回目だから、この前の旅行に行けなかったんです!」

 この言葉でピンとくるものがあった。正確には「行かせて貰えなかった」と表現すべきだった。
「何か、あの子たちはそんなことを企んでいるのか、まひるちゃんが家族から嫌われるように仕向けたと?」
「ウウ・ウ・・ウ・ウ・ウ」
 まひるの涙は、女性警官の問いを肯定していた。
「だから、全裸にして閉じ込めたということか ――――。まてよ、どうしてそこまでして彼女たちの言うことに唯々諾々と従っているのかしら?」
「それは ―――」
「まあ、いいわ、それは追々話して貰うとして、あの子たちはすごいことを考えているのね、これじゃ単なるいじめと違うじゃない。それほど恨まれる何をしたの? あなた」
それまでの優しさの籠もった花瓶にすこしはかり罅を入れる。
「ウウ・ウ・ウ・ウ・ウ」
「何を泣いているのよ、もうすぐおうちよ、みんなきっとまひるちゃんを待ちわびていると思うわ」
 高速を降りる手続きをしながら、義理の姉を思い浮かべた。すこしばかり童顔で笑顔が優しい印象的を与える彼女と並んでいると、「どちらが、姉か妹なのかわからない」とよく言われる。本人たちもそう言われることに不都合を感じないようで、出会って間もないというのに、もう二回ほど女性同士の友情を養うデートとしゃれ込んでいる。晴海の仕事が身体の自由が利かないことを考えれば、短い期間にこの回数は異常といってもいい。兄が目を丸くしたのも至極頷ける話であろう。

 高速から30分ほどして車はようやく五時前に佐竹家に到着した。
「ほら、着いたわよ」
「大丈夫だって、ほら、涙を拭いて」
「ウグ・・・・・・・!?」
 晴海は、外に誰もいないことを、特にまひるの家族がいないことを確認すると少女の小さな唇に自分のそれを重ねた。










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