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いじめ文学専用サイト
主人公はu15の少女たち。 主な内容はいじめ文学。このサイトはアダルトコンテンツを含みます。18歳以下はただちに退去してください。
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姉妹 10

 折原奈留は、くねくねと蠢くおぞましいものを性器に宛がう。
 思わず舌打ちが出てしまう。自分のやっていることに疑問を感じなければ、こんなことが真顔でできるはずがない。何者かに、強制されているという感覚がなければ、単なる変態ということになってしまう。
「なんだっていうのよ!?ウウ・・・」
 ミミズのちょっとした動きが性器に計算外の刺激を与える。もっとも強い性的な刺激とは、第一に予想外であること、そして、第二に強すぎない、適度な刺激であること、それらが総合すると最高の官能が訪れる。自慰ではけっして味わえない性的な快楽が、性交によって与えられるいい証左だろう。
 このおぞましい軟体動物の動きは、まさにその二原則に忠実なのである。
「家族のみんながどうして、こんな態度を取るようになったのか、よく考えてごらんなさい。あなたに言いたいことはそれだけよ」
 早朝に、母親に言われた言葉が頭に木霊する。情けないものを見る目で自分を見ていた。「どうして、私があんな目で見られなきゃ・・・アウウウゥ・・・あヒ」
必死の思いで最後まで入れ込む。ちなみにすでにアルコール消毒は済んでいる。熱を急激に奪う、その薬品の効力が性的な刺激に拍車をかける。
「あぅう・・こんな状態で学校に行け・・・なんて・・・ひどすぎる!」
 まるで、いじめられっ子の体験を聞いているような気分になった。別にそのような立場にいたことはないが、もしも、そうならそれは親しい友人同士だったということができるだろう、書籍だったが、新聞の片隅に忘れ去られたような記事だったのか、忘れたが、とにかくそこで読んだ記憶があるのだ。
 あまりにも真に迫った表現だったので、文章に没入してしまい、いじめられていた少女をカウンセリングする校医の立場になってしまったのだ。ついでに言うと、そのとき、ななぜか、性器が濡れてしまったのである。
昂奮を抑えるために、すぐに自室にこもると自慰をした。
 あのときは、どうしてそんな気分になってしまったのかわからなかったが、今、思うと加害者の立場に自分を立たせていたのかもしれない。
 人をいじめる人間を想像して、性的な興奮を得る。自分は最低の人間だろうか。ならば、いま、自分に起こっていることは自業自得だろうか。
 ちなみに、けっして、自分をいじめられる立場に立たせなかったことからもわかるとおり、奈留は今までの生涯においていちどもいじめられたことはないし、そんな状態に陥ることを恐れたこともなかった、のである。
 時計を見ると、午前6時。まだ一睡もしていない。
 だが、すぐに家を出ないといけない。

 まだ早朝に特有である、藍色の空気が漂っている。廊下から玄関に向かう間になぜかキッチンに寄るべきだと、心の声が言っている。
 はたして、ドアを開けてみると二つ分の弁当が並んでいた。
「家族のみんながどうして、こんな態度を取るようになったのか、よく考えてごらんなさい。あなたに言いたいことはそれだけよ」
 母親の声がまた木霊する。涙が頬を伝う。
 「なにも悪いことしてないのに」
 やるせない思いがさらに多量の涙をやや釣り目がちな瞳に要求する。
「はぁ、はぁ・・・」
 弁当を持つ手が震える。ちょっとした身体の動きが、股間に影響する。こんなとき、自分はどれほどみっともないだろうか?と思う。家族、そのなかでも、けっして、奈々には見られたくない。
 「うう・・・」
 やりたくはないが、スカートのポケットから手を入れて下着を上げる。
「うぐぐ・・ぅ!?」
 そうしないと、ミミズが落ちそうに思われたからだ。
「ぁ・・・」
 弁当を鞄に入れ込むと、気を取り直して玄関に向かう。革靴がいつもよりもきらきらしている。まるで黒曜石のようだ。それは涙のせいではないかと思える。
 靴が主人の境遇を嘆いてくれているのか、それとも、涙で曇った網膜がそうみせるのか、どちらだろう。こんなばかばかしい妄想も、ひどい現実から逃げる手段でしかない。自分には味方がだれも、すくなくとも、この世界においてはいないのだから、せめて、靴のような無機物にそれを求めるより方法がなかった。
 家から出ると、さわやかな青空が広がっていた。いつもならば、心の奥底から笑いたい気分になるだろう。だが、あの青は何処までも残酷に思えた。あるいは、とても非現実的だった。まったく無駄のないコンピューターグラフィックスが、完璧なはずなのに何処か不自然な印象を与えることはよくあることだが、今朝の空はそれに似ているかもしれない。
 「空に堕ちていく」という歌詞は何処かのロックバンドのナンバーだったろうか、奈留は覚えていないが、そのフレーズと曲だけは頭に残っていた。
 蒼天に落ちていく、引っ張られていく、とてもきれいな地獄に向って無理やりに移送される。そんな文章が続くような気がした。
 
 奈留の心にあるのは、「はやくいかないと・・・」というただ一言だった。私立なので自転車通学も可能だが、汚らしい液体で汚したくなかった。
ブロック塀を伝いながらやっとのことで進んでいく。こんな調子で命令通りの時間に間にあうだろうか。
 まだ早朝だとはいえ、公道で性的な興奮を得ている。そのことが、奈留に強烈な羞恥心以外のものを与えていた。それは、自分がおぞましい、汚らわしい、という感覚である。
 自分が触れるもの、すべてを汚しているような気がする。スカンクのような臭いを発しているように思えるのだ。
 今、たまたますれちがった赤い自転車の高校生。顔をしかめていた。きっと、奈留の臭いが耐え切れなかったんだ。
 ごめんなさいね、朝ご飯を食べたばかりなのに、大切な一日がはじまるというのに、しょっぱなからこんな不快な目にあわせて、奈留はとても臭いでしょう?
 急がなくてはいけないと足にいくら言い聞かせても、なかなか進まない。風景が動いてくれないのだ。まるで、ウォーキングマシンに乗っているかのようだ。
 しかし、奈留に選択肢があるわけがなかった。足は動きはじめる、学校などに行きたくないのに。この身体は、これまで彼女がどれほどひどい目にあったのか知っている。もしも、奴隷として主人の命令に従わなかったら、さらにひどいことをされるのが必定なのだ。
 流れ込んでくる、この世界の奈留の記憶。
 よそ者のはずである奈留にとってみれば、それと同化することはまさに恐怖である。
 今井真美の姿はなかなか見えてこない。あくまでも、よそものである奈留が知っているはずのおとなしい今井真美が・・・いや、それは奈留にとってみればいささか感想がちがう。確かに、あの時、自分に対して敵意を抱いていた。しかし、それにしてもこの世界における彼女と、どうしてもつながらないのだ。まるで見えない何者かに支配されているような気がする。
 最寄りの駅に特徴的な塔が見えたところで、携帯が鳴った。奈留の主人であり、所有者でもある、今井真美だった。とたんに、心臓をえぐられるような衝撃を受けた。携帯の液晶に表示された、その名前を見ただけで、この身体は銅像のようになってしまう。
 あきらかに、この世界の奈留は彼女に対して尋常ではない恐怖を抱いていている。このようなおぞましい行為を強制することからも、それは簡単に理解できるだろうが、じっさいに、体験したものでしかわからないこともある。
「折原?ちょっと、気が変わってさ。駅前でやろうよ、検査」
「・・・・!?」
 まさか、通勤通学の客が押し合いへし合いするところで、検査をしようというのか。背中に冷たい汗が流れる。
 どうやら、検査という言葉に敏感に反応するようだ。
 思わず絶望的な吐息が唇を震わせる。
「そ、そんな・・・!?い、今井さま・・・」
 この世界の奈留が口走った。さま付には驚く。彼女と今井真美との関係を端的に現している。
「ふふふ、本気にした?それとも露出狂の折原にとってみれば夢のようなことかしら?」
「・・・・!?」
「どうなの?したいんでしょう?!」
「ハイ・・・」
  力なく、真美の望む答えを返す奈留。かなり奴隷化が進んでいるらしい。奈留はぞっとした。しかし、よくよく彼女の気持ちを慮ってみると、その裏にはかなり深い物があるらしい。気が付かないうちに唇をかみしめていたからだ。それはすこしばかり温かかった。触れてみると出血していることがわかった。
 真美は駅前にあるトイレにまで来るように命じた。その猶予はわずか5分である。間に合うだろうか、だが、考えている暇はない。奈留はよたよたともたつく脚をひっしに動かしながら歩を進めた。

 「おはよう、折原」
 駅前の雑踏の前には、今井真美の悪魔的な笑顔があった。その背後には数名のクラスメートたちが控えている。彼女たちは同じように微笑を浮かべているようだが、何処かちがう。それが人間としての品の問題なのか、その他の要因が働いているのか、奈留には想像すらできない。
 悪魔的と言ったが、このサラリーンマンたちや、学生たちの目から見ればごく普通の女子中学生にしか見えないにちがいない。
 彼女は、その笑顔を崩すことなく近づいてくると、おもむろにネクタイに手を伸ばした。
 思わず、身体をのけ反らせる。整った顔が引きつる。
「ヒ!?」
「何よ、その眼は・・それがやさしいご主人さまに対する忠実な奴隷の立場なの?」
 真美の笑顔が、しかし、ほころびをみせることはない、他のクラスメートたちはすでにいじめっ子の本性を顕わにして、眉間にしわを寄せているのにかかわらずだ。
 「さあ、時間がないからこちらに来るのよ」
「・・・・!?」
 手首を摑まれると、強引に障害者用のトイレに連れ込まれ。平静を装っているようで、サディスティックな欲望を満足させたくなったのである。いわば、腹ペコの肉食動物がインパラを目の前にいて寝転んでいられるだろうが、真美たちはそういう心持だったのである。
 障害者用のトイレの個室は、がらんとしている。四畳ほどの広さはないだろうが、空間的な理由か、あるいは、奈留の気分のせいか、大げさに言うと地平線が見えるほどの広さに思えた。 
 真美は、すこしばかり屈むと奈留の整った美貌を上目使いで睨んだ。早朝の青い光はまだ残っている。そのせいか、血の色を失っている。しかし、そうであってもかなり可愛らしく見えた。少女はぞくぞくと全身の血管をとおって全身に広がっていく、サディスティックな欲望に武者震いに似たものを感じた。
「折原、ここまで聞て、あえて言わないけど、よもやとは思ないけど、ちゃんと言いつけどおりの、おしゃれな格好をしてきたんでしょうね?」
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『姉妹9』


 今井真美と奥原知枝はグルなのだ。というよりも、クラス全体が奈留をいじめているのだろうが、問題は上下関係である。どんな人間関係にもヒエラルキーというものは存在するが、彼女たちの場合はどうなのか。ちなみに、かつて、奈留がいた世界のことはまったく当てにならない。真美は、インドのカーストで言えば完全にその外にいる人物だったし、知恵は、奈留の信望者だったからだ。
それにしても・・・・本当に親しい友人は自分にいなかったと、おぞましい気持ちで捕まえてきたミミズを、外に敷設された水道で洗いながら思う。
 自分はクラスのことなんて、ほとんど知らなかった、もっとも、それを仮に深いところまで知っていたとしても、こちらで応用できる知識は何もないのだろうが。
ミミズはくねくねと奈留の指にからんでくる。命を全うしようと必死の動きなのだろうが、それらが各自、意思を持っているようには思えなかった。10匹はいるであろうミミズはそれぞれがつながっており、一つの意思系統に統一されているような気がする。奈留にからんでくるのは、性的な動機に駆られてのことだと思われる。これが、明日には、奈留の性器、陰核や小陰脚に絡み付くのだ。そのまま授業を受けさせられる。一日、この生き物が与える官能と戦いつづけねばならない。まさに、自分の理性が問われている、奈留は淫乱なのか、そうではないのか。
おぞましい・・・・。
ただ、ぴくぴくと生への渇望を表現しているだけのことなのに、感じる気持ちはそれだけだった。ガラス瓶に入れる。アルコールをかけるのは明日、知恵から命令された通りに性器に埋め込むのは、登校する直前のことだ。学校に行ってすぐに検査を受けるから、そのときに生きていてもらわないとどんな目に合わされるのかわからない。アルコール漬けにしたら、明日まで生きていないだろう。
ミミズが死んでしまったら、少なくとも、今井真美が言うところの、命令通りの格好には、すこしばかり点数が足らないのである。
ミミズをコップに入れて、部屋へと戻る。
赤々と点灯しているのは水槽だけだ。それだけは、なぜか奈留を歓待してくれているような気がした。「彼女が」となぜか、擬人化してしまいたくなった。

 何処からか流れてくる、この世界の奈留。
本当に不思議でたまらない、こんな目にあわされていながら、どうして学校に行けるのだろうか。もしも、彼女が自分ならば、とっくのとうに学校なんてやめていたはずだ。すくなくとも、家庭に逃げ込めば味方しかいないはずだ。
そこまで思考を進めて、おもわず目をつむった。
こちらの家庭は、すくなくとも今は、敵しかいないのだ。
「すくなくとも?」
 奈留は、ひとりごちた。どうやら、生まれてかたこのかたずっと、家庭内で疎外されて育ったようではない。それはこの部屋を眺めまわしてみればわかる。PCにテレビ、明々と点灯した水槽には熱帯魚が煌めいている。
あくまでも経済的という視点からすれば、かなり恵まれた部類にカテゴライズされるのではないか。ならば、学校で行われるいじめのように突然、そのような境遇に落とされたということか、いったい、この世界の奈留は何をしでかしたというのだろう。
何か、ヒントはないかと脳内検索にかけると、日記を書いていることを思い出した。はたして、この世界ではPCのどの部分に格納されているだろう。
まったく自信がなかったのだが、とにかく、思うままにキーボードを叩いていると、『なるの日記』というフォルダーが見つかった。
しかし・・・。
本当に自分が見ていいのであろうか、そのような疑問が急にガマ首を擡げてきた。日記というものは、作者以外にのみ閲覧権があるという、一種の道徳心から指が止まったのであろうが、そのうちに別の考えが起こってきた。
そうではなくて、中身を見るのが怖いのだ。いまのうちは、この世界における記憶はかなりあいまいである。まだ、クラスの人気者であるという自負は、奈留の中で命脈を保っている。しかし、これを見た瞬間に、それはもろくも崩れ去ってしまうのではないか、それが怖い。まさにこの世界における折原奈留に、身も心も成り果てたら、はたして、正気を保てるだろうか。
人並み外れて整った、しかし、すこしばかり目じりが上がった、気の強そうな容貌に影がまとわりつく。机の隅に置かれていた鏡、ちなみに、かつての世界にいた奈留の記憶によれば、奈々からの誕生日プレゼントだったはずだ、その中に映った自分の顔は、確かに折原奈留であって、その他の人間でありえようがない。
「もう、何も考えたくない!」
何ものかに完全にさじを投げると、少女は五本の指を自らの性器に、下着越しに触れた。それは、完全に精神的に追い詰められたときの、いわば癖だった。
 そこはとても温かい。
 いま、彼女が置かれている状況とまさに真逆だ。
「う・・ッ・・!」
 まだ理性が働いているようだ。奈留は、指を濡らす前にドアの方向へと顔を向けた。もうそろそろ、11時になる。
かつて、彼女がいた世界においては、「奈留、そろそろ寝なさい」と母親が声をかけにくる時間帯だからだ。だが、それはありえないだろう。安心して、現実から逃れることができる。
奈留は、指を性器に埋め込めると同時に、身体を寝具に滑らせた。彼女は時々なんのり具体的な理由もないのに精神的に追い詰められることがあった。そういう時には、これをやるのである。
「ウゥ・・・うう?!」
 指が溶けてしまいそうなくらいに局所は熱くなっていた。胎内から零れてくる粘液は強烈な酸かアルカリではないかと錯覚するくらいに、指が沁みる。いままで何度もやってきたが、こんなに強い快感は生まれて初めてだった。少女の未発達の身体がそれに対応できずに、思わず背骨を限界まで逸らさせた。一瞬、ドアが目に入る。自分のおぞましい声が外に漏れると思うと、気が気でない。もしも、奈々にでも見つかったらどうなるか、命の危険すら感じる。
もしかしたらと思う、原因不明の不安とはこちら側の奈留から伝わってきた悲鳴ではないか、もしも、そうならば、かつてその奈留はきっとさぞかし当惑していることだろう。もしも彼女と対面できたら何を言いたいだろうと、想像しながら、自慰をする。だが、彼女は困ったような顔で立ちつくしているだけで、口を開こうとすらしない。まるで氷でできた人形のようだ。
胡蝶の夢という発想も浮かんだ。
きっと、どちら側かが夢にちがいない。願わくば、こちらが夢であることを、しかし、もしもそうならば自分は消えてしまうことになる。
「ウウ・・・!?」
あまりにも感じすぎて身体が勝手に動いて、背中をベッドに設えている棚にぶつけてしまった。それが鍵となったのか、少女は絶頂を迎えた。
「ヒヒヒン?!」
「あはは、まるで馬ね?みんな、聞いた?こいつがイく瞬間!?」
 なんと、強制的に自慰までさせられているのか、この声はそのときの嘲笑にちがいない。同時に頬におぞましい温かさを感じた。きっと、唾を吐かれたのだ。もう、過去の記憶はいい。
早く手を洗いたい。このおぞましい粘液を拭い去りたい。
奈留は立ち上がった。手のひらを見つめて、少女は嗚咽を抑えきれなくなった。外から入ってくる青い光に、少女は気が付いた。もう早朝なのだ。この青さ加減から午前5時くらいだろうか。奈留は早朝マラソンをやろうと生き込んだことがあった、しかし、心配する母親の小言によって一か月を待たずに辞めさせられることになったが。そのときの母の温かさが、今となっては哀しいまでに思い出される。そして、すでに彼女には完全に無縁であることが、痛いほどに思い知らされる。
指を開いたり閉じたりすると、透明な粘液が糸を引く。それを洗い落としながら、奈留は、蛇口のふちについた傷を眺めた。ふと、人の気配を感じて、振り返った。
はたして、そこには妹である奈々が立っていた。ものすごい、うまくそのときの彼女を表現する言葉が見つけられないが、あえて言うならば、幼い般若ということになろうか。
・・・そんな目で睨み付けたいのはこちら方よ!と奈留は怒鳴りつけたくなったが、代わりに彼女の口からついて出てきたのは、別の台詞だった。
それも、感情的ではなく、驚くほどに「彼女」は冷静な調子だった。
「あんたなんかに、うちの学校が合格できると思って?甘いわね、フフ」
 般若の面がいっきに崩れ去った。しかし、そこにあるのは素顔などではなくて、別の面だった。
「うう・・・・?!」
 少女は泣きながら、何処かに走って行った。
 何処か?そんなことはわかっている。こんな状況で彼女が行くべきところは決まっている。両親の寝室だ。
 きっと、彼らに泣きつくんだろう。そして、また、殴られるのだろう。この世界に棲んできた奈留の記憶がそう言っている。なんだか、わけがわからなくなって家から飛び出ようとしたが、彼女が選択する道は、再び殴られることだった。そうだ。自分はそうならないといけないのだ。なんとしても憎まれ役をちゃんと務めないといけない。そうすることでみんなが幸福になるのだから、きっと、それは正しいことなのだろう。
 だが、その夜は妹の泣き声が絶え間なく響いてくるだけで、父親の怒鳴り声が金槌を構えて迫ってくることはなかった。ついに完全に見捨てられたのか、自分は家から放り出されるのだろうか。もはや、殴る価値もないらしい。せめて、義務教育中は飼ってもらえると思ったが・・・・止どめない思考が奈留の心に生まれては消えて行く。まったく眠れないとわかっていても、ごろんと寝具の上に寝転がると天井を見つめる。
 そこに定着したしみは、そんなに短い時間でそう変わるものではないと思う。だが、毎日といっていいくらいに変わっていくのはどうしたことだろう。ある日はラクダが子供を咥えている。また、ある日は、椅子から転がった猫が泣いているように見えた。
 それらがいったい、何を暗示しているのか考えていると、ドアが開いた。
 はたして、そこには母親が立っていた。
 予想もしなかった展開に思わずむくりと起きる。彼女が自分のする仕打ちといえば、徹底した無視か、凍りつくような冷たい言葉かの、どちらかだった。
 今度はどんな言葉で罵られるのかと思ったら、投げつけられた、否、静かなクラシックのように響いてきたのは、それよりもはるかに辛い内容だった。
「家族のみんながどうして、こんな態度を取るようになったのか、よく考えてごらんなさい。あなたに言いたいことはそれだけよ」
 「ママ、待って!」
 ドアのところまで飛んで駆けたが、それは母親の奈留に対する感情を暗示するように、無碍にも鼻先で閉められてしまった。
 そのときになって、自分があまりも不潔な行為をしたにもかかわらず、もちろん、奈留にしてみれば排泄行為よりもはるかにおぞましい、まだ手を洗っていないことに気づいた。

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『姉妹8』


 PCの電源をオンにしながらも、奈留は、PCのメーカーや品番が微妙に違うことになぞ一向に気づかなかった。
 ただ、ひたすら、日時に注目した。
「え?5月12日?」
 それは、少女がまさに帰宅しようとして拉致されたその日だった。あれから三日が経過している。いったい、その間に何があったのだろうか?
 恐ろしいことだが、彼女の好奇心はネットに向っていた。自分たちの事件はどのように報道されているのだろうか?小説やテレビドラマから学んだことだが、人間が誘拐されたとき、人命が尊重されるために報道協定という名の規制を行うという。万が一、犯人を刺激したら、人命が脅かされかねない。そのための配慮であろう。
 しかし、あの事件から三日が経過し、見事、自分たちは助かっているのだから、マスコミが動いていてもおかしくない。犯人が確保され、被害者がほぼ無傷で解放となれば、彼らはよだれを垂らして迫ってくるはずだ。しかし、病院の周囲にはそのようなものの気配などまったくなかった。
 試しにネット検索にかけてみる。
 姉妹、誘拐、外国人、というワードを打ち込む。
 しかし、自分たちに関連する事件はいっさい起こっていないようだ。もしかして、PC電源を入れた瞬間にもといた世界に帰還したのだろうか?いや、すこし、考えればそれはおかしいことがわかる。なんとなれば、病院の周囲にマスコミはいなかったからだ。それとも、自分たちが知らないだけで、山村刑事や病院がうまく処理したのだろうか?
「そうだ、山村さん・・・?え?!」
 腰をひねった瞬間に、何か紙切れのようなものがふらりと床に落ちた。それを拾ってみると、はたして、山村莞爾、携帯909・・・・・・・。という文字列が並んでいる。そうか、この世界では、909で携帯の番号は始まるらしい。
 携帯を開いた瞬間に、はたして、その番号を押していいものか、奈留は悩み始めた。おそらく、別れるときに気づかないように入れたものだろう。恐ろしく完璧な手際だ。刑事というよりもすり師と言った方が適当かもしれない。
 もっとも、あの時はかなり感情的に乱れていたから、気づく暇もなかったのかもしれない。だが、いま、彼女が実質的に頼れる存在は彼のみ、だということだ。
 それよりも・・・さらに不可解なことがある。ようやく、元の回転速度を取り戻した少女の脳は、矢継早に記憶をよみがえらせる。
 この世界の両親は、奈留を疎んじているにもかかわらず、この携帯やPCを与えているのだ。前者に限ってみれば、以前の世界から持ち込んだとも考えられるが、PCに関していえば、それはちがう。しかも、メーカー名が微妙にちがう。携帯もそうだ。この世界に持ち込んだ品ではないようだ。
 目を皿のようにして点滅するモニターを睨み付ける。
 使い方も違うのかと思ったら、それは杞憂だったみたいだ。
 だが、・・・少女は、携帯を握りしめて、どんな顔が浮かぶのか確かめていた。しかし、誰も浮かばない。友人はいた。たくさん、自他ともに認めるほどの人気者だったはずだ。しかし、いざ、このような困った状況に置かれて、頼るべき人間が浮かばない。
 もしかして、本当は自分に友人なぞ一人もいなかったのではないか。実に空恐ろしい考えが少女を襲ったのである。
 何処かで犬が吠えている。帰宅当時に出会ったと同じだろうか。あいにくと、彼女にはそれと同定する材料がなった。
 そのような、どうでもいいことに意識が逃げるほどに、少女は打ちのめされていた。あえて、心に浮かぶのはあの少女のことだ。
 今井真美。
 いままで、それほど仲がよくなかった子だ。だが、クラスのだれしもが自分を好いていない、そのような状況が耐えられずに、友人たちの制止を踏み切って話しかけた。彼女は、いつも、ぽつんとひとりで文庫本を広げているような子である。同じく、読書が好きな奈留は話が合うと踏んだのだ。しかし、奈留はそのような情報を友人たちには知らせていない、彼女たちとの間では、いつも流行の最先端を追いかけているような自分を演じていたのである。そうした方が、誰にも好かれる奈留を楽に演じられた。
 それはともかく、真美はこともあろうに、奈留の申し出を断ったのである。
 それも、気が弱そうでどんな嫌がらせを受けても眉間に皺ひとつ作らない彼女が、それいやそうな顔で言った。
「近づかないで」
 真美の、そんな態度に、教室中は奈留の味方になったが、それを背に交際を迫るほどに奈留はプライドが低くなったので、クラスメートを制した。だが、さきほど以上にものすごい形相でこちらを睨み付けていた。
 大げさな表現ではなく、比喩でもなく、少女は後ずさって床にへたり込みそうになってしまった。寸でのところで、それを防いだのは、このクラスのリーダーだという自尊心のなせるわざだったのだろう。
 断っておくが、過去を見ても彼女と深いかかわり合いがあったとは思わない。実は、小学校の1,2年のときに同じクラスになっているが、奈留の表層記憶には残っていない。
 いったい、この状況をどう判断するべきか。
 机に手を乗せて、辛うじて体重を支えることに成功した。その手は震えているのに
気づいたのは、その机についている少女だけだった。あろうことか、本人すら気づいていなかったのである。
 そんな苦い記憶がよみがえる。
 だが、彼女の携帯番号は知らないだから、かけようもない。否、かけることもできない。しかしながら、安心したのも束の間、携帯が聴いたこともないメロディともに震えだしたのである。
 いったい、誰の待ち受けだと思って、携帯を見ると・・・・・。
 今井真美・・・。
 絶句という言葉がこれほど適切な状況もないだろう。
 どうして、彼女が自分の携帯番号を知っているのだろう。しかし、いっしゅんでそれは氷解した。ここはかつて奈留が知っている世界ではないのだ。自分は迷った旅人であって、予想もしなかった出来事に出会っても何もおかしくないのだ。
 恐る恐る携帯を耳に当てる。
 すると、自分の口が自然に動いた。
「ご、ご主人様、こんばんは・・・犬以下の奴隷に何用でございますか・・・?」
 信じられない言葉が堰を切ったように口から零れる。これはどういうことか?考えるまでもなく、自分は学校でいじめられているらしい。その主犯は、あくまでも、いじめが刑事罰に値する罪であると仮定したうえでの話だが、あの今井真美だということになっているのだ。
 すこしばかりの沈黙があって、同年代のものと思われる少女の声が聞こえてきた。
「折原、かなり奴隷が板についてきたわね。いや、ほんとうの折原になったということかしら?」
 「ハイ・・・おり、折原、奈留は今井様をはじめとして、クラスのみなさまの、奴隷でございます・・・こんなおぞましいゴミ屑が・・・」
 声は、奈留を制した。
「今晩はそれでいいわ。私も眠いの。要件だけは伝えるわ。メールで送るから、その通りの格好で学校で来るのよ、みんなで、奴隷にふさわしいのを考えてあげたのよ。感謝しなさいね」
「ありがとうございます・・・ご主人様・・・」
 みなまで言わずに携帯は切れた。まるで自動機械のように口が動いた。きっと、普段からなんども言わせられているのだろう。それにしても、なんとひどいいじめなのだろう。奈留は戦慄を覚えた。しかし、もっとも恐ろしいことは、自分があくまでもこの世界にとってみれば客人にすぎない、ということを忘れてしまうことだ。
 どう考えても、さきほどの声が真美のそれとは思えないが、よく記憶を反芻してみると、そう聞こえないでもない。
 いままでおどおどしていた彼女の表情しか印象にないから、すぐにさきほどの声には結びつかないが、自分を睨みつけたときのものすごい形相からならば・・・ちがう・・・それでも、想像だけでは奈留の中で合致しない。
「あ、メールだ」
奥原知枝。
 その氏名が点滅した瞬間に、奈留の頬はほころんだが、ここは異世界なのだ。知枝という少女は奈留の信奉者なのだ。それはここでは通用しないだろうと、覚悟を決めて携帯を見る。
「折原にお似合いのエサを用意しておくからね。ご主人さまより」
 そのメッセージが目に入った瞬間に、奈留の指は勝手に動いていた。
「このみっともなく、とても臭い折原奈留のエサを用意していただいて、大変に恐縮です
ありがとうございます。奥原さまの忠実な奴隷より」
「・・・・・」
 
 いったい、エサとは何事だろう。どんなことをさせられるのだろうか?それを想像すると、思わず嘔吐したくなった。身体は知っているのだ、毎日、自分がどんな目にあわされているのか。
 そんなことをしているうちに、今井真美からメールが来た。
「こんなに遅くで悪いけど、ミミズを用意してちょうだい。家の周囲にいくらでもいるでしょ?それを数匹、アソコに入れて、学校に来ること・・・・わかった?」
「ミミズ?アソコ?」
 とたんに、性器がうずいた。身体が自然と動く。奈留に告げている。何処にミミズが多く住んでいるのか、それ以外に何が必要なのか、そう、アルコール。よく洗って消毒しないと・・・。
 「9時30分・・・・」
 奈留は、懐中電灯を押入れから取りだすと、お目当てのものを得るために外に向った。できるだけ音は出さないようにする。これからすることを家族にけっして知られてはならない。
 こんな時間だから、両親は起きているから注意しないといけない。別に自分のことを心配するからではない。こんな目にあっているのはすべて自分が悪いのだ。だれのせいでもない。
 そんな思いが身体からじかに伝わってくる。
 奈留の心は完全に無艇庫のまま、身体の奴隷と化している。
 家を出る。裏はちょっとした森になっている。鬱蒼としたというほどでもないが、昼間はともかく夜ともなれば、少しでも足を踏み入れたら二度と戻ってこれないような気がして恐ろしい。
 2、3歩ほど足を踏み入れると、少しでも掘ればミミズが手に入る。いつものことなので、バケツと小さなシャベルが置いてある。
 いつものことなんだ・・・・。
 奈留は哀しくなった。想像するに、とても、人が人にするようなことではない、とてもひどいことをされているのに、それでもなお学校に通っているのだ。この世界の奈留はとても強いのか、頭がおかしいのか。
 少女は、幼い子供がよくする膝を抱えた格好で、シャベルを地面に突き立てた。大粒の涙が意識とべつの働きをする何かによって流される。身体が泣いているのだ。それにたいして、少女はかける言葉を知らない。慰めるすべはいったいどこに隠されているのだろうか、すくなくとも、この地下には見いだせないだろう。
 懐中電灯が見つけたものは、ぶくぶく肥ったミミズだった。はちきれそうな、その代物は血色がいいのか、ピンクよりも赤により近い色をしている。こんなものを性器にはめ込んで、登校しろと言うのだろうか。
 奈留は絶望的な気持ちになった。
「本当なの・・・!?本当に、こんなことしなくっちゃいけないの!?ひどい・・・・」
 

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『姉妹7』


 どうしてだろう、どうしてこんなに寒いのだろう?初夏の季節柄、ボンネットの中に閉じ込められていては、蒸し暑くて叶わないはずだ。しかし、この冷え状態はどうしたことか。当たり前のことだが、冷房がこんなところまで届くはずがない。そもそも、ここは人間が入れられる場所ではないからだ。
 筆舌に尽くしがたい恐怖のために、温度感覚が麻痺しているのかもしれない。
 車がカーブを曲がるたびに、少女の華奢な身体は大きく揺られて、飛び回る。それだけでなく、何かの荷物が奈留の身体の何処かに当る。とても痛い。もはや、上下左右の間隔も曖昧になりつつある。
 だが、彼女の胸中を支配しているのは、そんなことではない。
 いま、置かれているあまりにも不自然な状況が、この世界においては自然であることだ。それがあまりにも恐ろしい。
 ここで生まれ育った奈留は、いったい、どんな少女なのだろうか?こんな目にあわされて、どれほど歪んでしまったのか、想像だにできない。いや、今の自分、元の世界においてみんなに愛されていた折原奈留がけっして歪んでなかったとは断言できない。
 そうは言っても、これほど非人道的な状況下でまともに人が育つはずがない。
 だが、そのように小説の世界で人を語るような言い方に、何処か違和感を覚える。折原奈留は、折原奈留であって他のだれでもないのだ。
 ここはパラレルワールドと呼ばれる世界なのだろうか?奈留は、SFにはそれほど明るくないが、読書家であることを自認しているだけに、概念くらいは頭の隅に辛うじておさまっている。正確には理解していないかもしれないが、平行世界、すなわち、自分が住んでいる場所と並行して、似ているのだが、けっして同一ではない世界が無数、存在する。その程度のことは知っている。
 もしも、ここがそのパラレルワールドならば、ここに元いた折原奈留はいったいどこに行ってしまったのか?あるいは、入れ替わりに、かつて、自分がいた世界に吸い込まれたのかもしれない。ならば、急に優しくされて戸惑うことだろう。ちょうど、今の奈留の逆の状態だ。
 だが、今、彼女にとって喫緊の問題はそんなことではない。
 ガラ、ガラとすさまじい音を立てて、ボンネットの中を泳ぎまわる。少女の自己意識においては、冷静にものを考えているようだが、実際は、両親を呼びながら激しく泣き叫び続けていた。
 はたして、どのくらいの時間が経ったのだろう。永遠とも思われる時間が過ぎてようやく車が止まった。いままで何度か、福音ともとれる安息の時間があったにはあったが、それは、信号機に止められたためだろう。
しかし、今回はそうでないことがわかった。車の呼吸音や、人の歩く音が聞こえないからかもしれないが、何か、そこが郊外であって街中でないことが、五感以外の感覚によってなんとなくわかるのだ。折原奈留という少女は、昔からそういうことには人一倍敏感だった。
明らかに、ここは我が家だ。
ほんのわずかだが、少女の心に本当の安息の灯がともった。
だが、娘、それも誘拐されて解放されたばかりの少女をボンネットに放り込む両親だ。けっして、それが長く続くことはありえないことは想像に難くない。 
 それを警告するように、光の定規が急に出現した。ボンネットが開いたのだ。線だと思ったのは、街灯の灯りだった。
「はやく、出ろ!」
 「ィイヤァ・・・」
 大声を出そうとしたが、何者かがそれを妨害した。少女は、知っていた、両親や妹に何を言ってもわかってもらえないことを、いま、自分が置かれている状況は自分にふさわしい待遇だということを、そうだ、折原奈留という人間は誰にも愛される資格のない、いわば、粗大ごみでしかないのだ。
 それをまさにアプリオリに理解している。
 よって、余計に悲しみを誘うことになる。
突如として、伸びてきた凶暴な手によって頭を引っ摑まれ、車外、ボンネットからでもその用語を使うのはまことに皮肉だ、からつまみだされるのは、まさに荷物以下の扱いでしかない。たとえば、購入したばかりの商品ならば、そう乱暴に扱うこともないだろう。壊れてしまうかもしれないからだ。
荷物以下ということは粗大ごみということか?
 そうなると、彼らは自分たちの娘がどうなっていいとても思っているのだろうか?いや、母親が奈留に言った言葉はそれ以上だった。
「あなたなんて、生きて、帰ってこなければよかったのよ」
 そう言っただけで、一回の振り返りもせずに両親と奈々は家に入っていった。一瞬だけ玄関の電気が点灯したが、すぐに消えた。それは「この家にあなたの居場所はないの」と無言で告げているように思われた。
 「・・・・!?」
 少女はただ崩れ落ちた。もはや、呼吸する気力すら残っていない。このまま死んでしまう、否、死ぬことができるような気がした。
 しかし、咄嗟に聞こえてきた女の声が、少女を現実に引き戻した。
「奈留ちゃん、そう簡単に人間って死ねないのよ・・ふふ」
「な?!」
 それは金髪の美女、自称ドミニクの声だった。彼女は拘置所にいるはずだ。どうしてこんなところにいるのだろう。おもむろに立ち上がって周囲を見回す。誰もいない。奈留もよく知っている近所の野良犬が排尿しているだけだった。
 「ふふ、私は何処にでもいることができるのよ、それを忘れちゃだめよ・・・」
 少女をあざ笑うような声がした。われに返って、はじめて、自分が汗だくになっていることに気づいた。そうだ、今は初夏なのだ。底冷えする冬のはずがない。だから、こんなに暑いんだ。
 だが、ボンネットの中の異常な寒さは何だったのだろう?
 車庫からかすかに見える黒い姿は、少女にとってデビルそのものだった。此の世のものとはとうてい思えない。
 遠くから、かすかに両親が話す声が聞こえた。
 やがて、父親の声が声を荒げていることがわかる。少女にとって、それは驚天動地だった。14年間ほど付き合ってきたが、めったに感情的にならない人なのだ。
 それがやんだと思うと、ドアが乱暴に開けられて、しかる後に同様に閉められる音が響いた。
「奈留!何をやっているんだ!!近所にみっともないだろう!!」
「ヒ!?」
 先ほどと同様に髪ごと頭をひん摑まれた。そして、先ほどよりははるかに乱暴に家へ向かって引きずられる。父親の態度が不思議だった。どこかおどおどとしている。きっと、世間的を気にしているのだ。奈留も奈々同様に遇していると、みんなに思ってほしいのだ、じっさいは、その逆なのに。
「痛い!おね、お願いだから、パパ、手を離して!」
「・・・・」
 今度は無言だ。こんなに門扉から母屋まで距離があったのかと思われるほどに、解放されるまでが長く広く感じられた。
 家に入っていけない。そうしたら、近所の目がなくなるぶん、暴力はエスカレートするだろう。本気で殺されることを意識した。さきほどまでは、死ぬことを覚悟したというのに、なんという体たらくだろう。
 いつの間にか、奈留は、異世界の奈留と同一化していることに気づいて呆れた。いったい、自分は何者なのだろう?
 あの楽しかった日々は何処に行ってしまったのか。まるで夢のような気がした。これが現実、少女は、まさに物扱いで玄関に引き上げられた。
そして、父親は、自分の娘に一片の親らしい感情をみせずに、廊下の奥へと、ちょうとボーリングの要領で投げ飛ばしたのである。
するすると廊下の上を滑っていく。
 ものすごくスベスベしている。そのはず、かつて、母親に命じられて夜中じゅう廊下を磨かされたのだ。
 どうしたことだろう?やったこともない記憶がよみがえってくる。まるで過去を書きかえられるような、この異常な感覚は、もう、何が真実なのか本当にわからなくなる。
 それにしても・・・、どうやら、この世界の奈留が体験したことらしい。
なんという皮肉だろう。自分がしたことのせいで、余計に苦痛を感じることになった。
腰の辺りがもろに何か堅い物に衝突した。身体を半分に折られるような苦痛が、奈留の全身に走った。
「・・・ぁ」
それは、少女から言葉を奪うほどに激しい。ようやく言えた言葉は、「ママ!助けて!」だった。しかし、それがいかに無意味か、この世界の奈留は痛いほど理解している。にもかかわらず思わず言ってしまったのは、この世界の奈留にも、かつて母親に愛された時間があるということか、あるいは、まだ、この世界に慣れ親しんていないせいか、判断ができない。
 そんなことを考えているうちに、父親の攻撃はその度合いを増していく。
 少女は顔を踏みつけられた。男の大人の靴下の臭いが鼻をつく。暗闇の中で父親の顔が歪んだ。いかにも、汚いものを踏んでしまったというような顔だ。何もかもを拒絶する、悪鬼の表情。
 それは、いま、自分が叫んだことがまったく無意味だという返事だった。なんとなれば、薄闇は無言で何も答えてくれない。母親が駆けつけるような雰囲気すら漂ってこない。ただ、少女を取り巻く空気は硬質で、少女に対して何もかもを拒絶するような態度を取っていた。

 いつの間にか、頭部に激しく与え続けられた圧力は消えていた。父親がいなくなる、その瞬間、意識が何処かに旅立っていたのか、足音は猫のようにまったく聞こえなかった。
 もう、何も考えられなかったが、身体にまとわりついた汚泥のようなものを取り払いたくて、自室に戻ると着替えを用意して浴室に向っていた。
 頭からシャワーを被って、身体を洗う、そして、自室に戻る。その間、わずか10分くらいだろうが、じっさいに、時計を確認するとそのていどだった、何時間もかかったように思われる。
 身体が異常に重い。生理の時のようだ。いま、子供を産むなどということはとうてい考えられないのに、身体はその用意をしている。そんな理不尽さと何処か酷似している。
 この苦痛は何か意味があるのだろうか?
濡れた髪をタオルで拭いながら考えた。
 そのときにある違和感を覚えた。これには太陽の香りが染み込んでいる。ということは、母親は、奈留の分もちゃんと干しているということだ。なんという矛盾だろう。この家のひとたちは自分を排除したいのか、それとも、そうではないのか、まったくよくわからない。
 三人の態度から推察するに、まさにお荷物ということだろうか。
 捨てるに捨てられない。実に厄介な存在だということかもしれない。すると、この世界の奈留はとんでもないことを何かしでかした、そんな可能性もある。これは探ってみる必要性がある。
少女は、明日の宿題を平らげるために机に向おうとして、今日が何日なのか確認するのを忘れた。しかし、頭は正確に働いているようで、それに対する処方箋を自ら書くことができた。
  PC電源をオンにすればいいのである。 
 

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『姉妹 6』


「ぁ・・・・あ・・ぁ!?」
  山村と名乗った刑事から、転じて自分に意識を戻した奈留は思わず三段階の声を出した。最初は、単なる序章、そして、次は、自分が裸だと錯覚した「あ」である。そして、最終段階としては、自分が寝間着とはいえ恥部を露出していないことへの安堵だった。
 そして、もうひとつ。
 山村の外見があきらかに体育会系の権化と称すべきほどにごついとしても、その眼をよくみれば優しさが宿っていたからだ。
 彼ともうひとり、山村に比較すれば親子ほども離れた若い刑事とともに、少女は老医師によって別室に連れて行かれた。
 ちゃんと歩けるはずだと主張したかったが、半ば強制的に看護婦によって車椅子に跨った。そんなことをされてまったく抵抗できないことを思うにつけて、いっきに何十年も年を取って老婆にでもなってしまったようだ。
看護婦の言い方は表面的にはやさしかったが、かなり事務的で温度に欠けているように思われた。
 その上、中学生を扱うにはかなり大げさで子供扱いをしているようだ。もしかしたら、看護学校でそのように教育されたのかもしれない。
 出口を通るまで、なぜか、少女は見たくてたまらない方向から目を背けつづけた。あたかも、自分が法廷に引き出された殺人犯で、傍聴席から被害者の家族に指弾されているような気がしたのである。どうして、自分の家族からこんな扱いを受けなくてはならないのだろう?奈留は悲しくなったが、一方で、これが当たり前という意識が自分を追い立てる、このことが、わけがわからずに首をひねるのだった。
 扉が閉められたとき、奈留は思わず涙を一筋、そのかたちのいい頬に滑らせていた。こんなときはどうでもいい思いが人を救ってくれるものだ。同行している老医師が誰かに似ていることに気づいたのだ。少し考えて、ある少女マンガのキャラクターとそっくりだった。小野寺という、キャラ的には主人公と相反する立場にあるその男は、別に優しい性格付けがなされているわけでもないのだが、どう見ても酷似している。
 そういえば、作品の中でかなり悪そうに書かれているこのキャラも孫を前にすれば、きっと、やさしい顔になると親友に語ったことを思い出した。きっと、そのときのことがよみがえったのだろう。
 本当にどうでもいいことだ。
 奈留は、しかし、誰かに救われたような気がした。これから彼女が赴く先は、極刑が誰の目にもあきらかな殺人犯が法廷に行くよりも、さらに辛い場所かもしれない。
 たとえ、そうであったとしても、たとえ、一瞬でも救いになったのだ。それが誰なのかわからないが、その人物に感謝したい気持ちでいっぱいなのだ。なんとなれば、この世界に自分の味方はひとりもいないのだから・・・・。

 奈留は、歯噛みした。
 自分の考えに反論できなかったからである。

 その小部屋は、こぎれいだったが、蛍光灯に青白く照らし出されてどうにも、警察の取り調べ室を彷彿とさせた。ドラマの一場面が脳裏をよぎる。その少女は両親や学校をはじめとする、大人のだれもから不良だと恐れられる子だったが、いざ、取り調べ室に引きずり込まれると、まるで幼児のように泣き出した。
 今の奈留はそんな気持ちだった。妹の奈々をあんな目に合わせたのは自分のせいだという意識が何処かにある。罪悪感で身体を裂かれそうだ。
 部屋に招じ入れられた奈留は、しかし、ドラマとはちがって丁重に扱われた。
「折原さん、あなたはひどい目にあった被害者なのに、取り調べるようで心苦しいのだが、これも仕事でしてね」
 「・・・・」
 一瞬の間があって、山村は事件について切り出した。
 「われわれは当惑している。事件の首謀者である、あの外国人の女性だが・・」
「ドミニクと名乗りました・・・・うう」
 また涙が一筋、こぼれた。刑事たちは少女を慮って優しい声をかけてくれる。しかし、あのブロンド女が醸し出していた恐怖は、とても人間が発するものとは思えなかったのである。
 「そのドミニクだが、自分が何をやったのかまったく覚えていないのだよ」
「覚えていないですって?」
 山村よりもすこしばかり高い声が別角度から耳に到着した。
「携帯していたパスポートによると、彼女は、ローザ・ルクセンブルクというベルリン人なのだが、太陽国に観光のためにやってきたというのだ。今、ベルリン語の通訳を通して取り調べを行っているが、難航している」
「え?あの人、太陽国語を流暢に喋っていましたよ」
「妹さんもそう言っているから、嘘だとも思ったのだが・・」
「彼女は、明らかに嘘をついていない」
「どうして、わかるんですか?」
 少し、向きになった。
 その態度に、山村は、彼女を年齢しては一本、筋の通った子だと感じていた。あくまでも、第一印象にすぎないが、折原奈留の供述は信用できるという、確信が芽生えていた。それは、刑事として長年やってきた経験がそう囁いている。
 自分のすべてを見抜くような、山村の視線に奈留は、両親や担任に感じるような大人ではない、別の意味の大人を感じて身体中に粟粒を作った。だが、突然にあることを思い出した。刑事は、奈々について言及していた。 
「あの、妹は、奈々も調べているんですか!?」
「相当、精神的なショックを受けているようで、両親と一緒にいる。われわれと話ができる状態じゃなくてね・・・・」
 ならば、自分はふつうに訊けるような状態なのだろうか。自分が軽く見られているのか、重く見られているのか、わからなくなってきた。いろんな思いが交錯してあとからあとから涙がこぼれてくる。
 刑事さんたちは、いったい、何があったのか、それを写実的に語られたら信じる気になるだろうか?
 いや、そんなことは絶対にムリだ。あの体験はとても言葉にできることではない。だが、彼らがどの程度、果実を得ているのか、それには興味がある。
「山倉さん」
「山村だよ、折原さん」
「ごめんなさい。逮捕されたのは何人なんですか?」
「ローザ・ルクセンブルクを筆頭に、カール・リープクネヒト、みなベルリン人、みな、一様に何をやっていたのか、まったく覚えていないと繰り返すばかりだ。水戸空港に到着して飛行機から降りたとたんに意識を失ったと、一様に供述している」
「そのカール、リープクネヒトという人はサングラスをしていませんでしたか?」
「よく、一度で覚えられたね」
 自分の名前は間違えたのに・・・・という言葉を言外に言いながら、「その男は君たちに何をしたんだい?」
 「あの大きな建物は誰の持ち物なんですか?」
「いいところに目を付けたね。不思議なことに外国人たちとは何も関係ない人の所有物なんだよ」
 「じゃあ、鍵は?」
 「ちょっと気の利いた泥棒なら、あの程度の鍵はふつうにこじあけるからねえ・・・」
 山村の神妙な顔つきは、名探偵ナントカを彷彿とさせた。どう考えても、事、ここに至っても今、奈留に起こっていること、そして、起こったことのすべてから現実感が失せていくのがわかる。
 これは嘘なんだ。きっと、夢だ。
 山村たちとやりとりをしながら、これは映画の撮影であの大きな建物をはじめとするすべてものが張りぼてにすぎないと思うようになった。
 だから、刑事たちとも冷静に話せるのだ。そうでなければ、あのようなおぞましい体験、妹に性器を舐められて感じてしまったなどと、回想できるはずがない。
 あれは嘘で、虚構にすぎないのだ。
 だが、何ど言い聞かせても、なぜか納得してくれない部分がある。
 どんなに疑っても、疑うものの存在そのものは否定できない。有名なデカルトのわれ思う故に我あり、のように、奈留に対して自己の存在を強調してくるのだ。
 それをさらに補強するように、ドアが開くと、母親の姿があった。本来ならば、心から安心して涙を流すべき状況だ。しかし、彼女の冷たい瞳はおおよそ娘を見る目ではなかった。
「奈留・・・・早く来なさい」
 そういうと彼女の手首を乱暴に摑んだ。
「山村さん、娘がお世話になりました」
 まるで虞犯少年の親だなあ、と、山村は思った。彼は少年課にいたことはないが、いわゆる、不良少年とカテゴライズされる一定の存在と交友を持ったことはある。この奈留という、頭がいいだけでなく気立てもいい、確かに、一癖も二癖もありそうな少女だが、とても、そのような範疇に収められる子だとは思えなかった。
 この母親は、娘が被害者であることを忘れていないか?
 引きずられるように、廊下をいく奈留の小さくなっていく背中を見つめながら思った。そして、元いた部屋に振りかえようとした、その瞬間に思い出したように奈留の方向へと戻ると、「ああ、そうだ。折原さん、またご連絡いたしますから・・・あっと」
 すでに母娘は建物の外へと消えていた。

「マ、ママ、腕が痛い・・」
 「・・・・!」
 闇に包まれて今更ながら夜のとばりが降りていたことに気づいた。
 奈留は、鬼のような形相の母親を見て戸惑った。
 「どう、どうして、そんな目で見るの?!」
 眼球と頬の肉が溶けるほどに涙がこぼれてくる。たしかに、その液体は刺激性があって、塩酸で肉を溶かしたような臭いがしてきそうだ。
「・・・・」
「ママ!?ぁ・・・あ!?」
 咄嗟のことで何が起こったのかわからなかった。とにかく、母親の掌が超スピードで動いたかと思うと、右頬に強烈な痛みを感じたのである。
 ものすごい轟音が辺りに轟いた。だが、夜の町を行きかう人たちは何事もなかったかのように、散策を楽しんだり、帰宅を急いでいるのは、奈留には理解できなかった。
 だが、敬愛する母親の口かが迸った言葉はそれよりも意味不明だった。
「あなたに、母親呼ばわりされる筋合いはないわ」
「どうして・・・!?」
 懇願と非難を含まれた瞳を母親に向ける。口の端にのぼせるのもためらわれるほどにひどい目にあったのに、どうしてこんな仕打ちを受けねばならないのか。しかも、彼女は娘に反論と感慨の余裕すら、一秒も与えずにさらにひどい言葉を捲し立てた。
「法律上、私はあなたの母親だから、しゃくだけど家に連れて行かないといけないの、早く車に乗りなさい」
「・・・・!?」
 な、何を言っているの?法律上?しゃく?それってどういうことなの?
 完全に言葉を失った奈留は、再び手首を乱暴に摑まれると駐車場に連れて行かれた。もう、何も感じない。真冬の外に裸で放り出されたとしても、さすがに最初は寒い、冷たい、と感じるだろうが、じきにそれも感じないくらいに感覚が麻痺してしまうだろう。
 だが、それはまったく苦痛がないのと違う。逆だ。苦痛そのものになってしまっているために、苦痛とそうではない感覚がくべつできなくなっているにすぎない。
 だが、見慣れた父親の愛車、ちなみに、黒塗りのベンツだが、それが待っていたのはさらに冷たい仕打ちだった。
 まるでいらなくなった荷物のように車内の放り込まれようとした奈留を阻んだのは、妹である奈々の悲鳴だった。
 「ママ?なんでそんなものを入れる?捨てちゃえばいいでしょう!絶対にいや!!」
 奈々は、口が張り裂けそうな勢いで泣きわめく。
 だが、その反応に驚愕したのは奈留だけだった。母親は、いつものことだとごく冷静に、入りかけた奈留の襟首を摑んだ。 
 あまりにも急激だったので、首が閉まった。
 だが、呼吸困難よりも絶望の方が勝っている。
 まさか、本当に捨てるつもりなの!?
 そういう思いが、真冬の外に裸で放り出される恐怖とともに襲ってきた。
 奈留を引きずりだした母親のやったことは、ある意味、それよりもひどいことだった。本当に荷物扱いしたのだ。
 無造作にベンツのボンネットに手をかける。
「ママぁ・・まさか・・・嘘だよね!?うう・・いやぁ!」
 奈留は信じられないという顔で、母親の顔を見た。暗がりだが、すでに鬼の形相でないことがわかる。だが、襟首に食い込んだ冷たい手を放そうとしない。
「奈留?あなたは折原家の荷物なのよ、そうよね、奈々の言うとおり、荷物が人間のいるべきところに入るのは間違っているわ」
 あれほど優しかった、いや、優しいはずの母親の口から出る言葉とはとうてい思えない。
 「イヤ?イヤ?!イヤ!?わたし、荷物なんかじゃない、ママの娘よ、どうして、そんなひどいこと言うの!?」
 「喋るんじゃないの!!」
 「うう・・?!」
 純生物学的にいえば、両者の間にそれほど力の差はないはずである。奈留は、健康的な中学一年生の女の子で、運動の得意な方だ。
 だが、親と子の間には目に見えぬ服従―被服従の関係がいくつになっても息づいている。老齢の親をあいてに恐怖を感じることもあるのが、人の子として生まれた境遇の哀れさ、であろう。
 それどころか、母親はまだ40前の女盛りなのだ。
 度重なる精神的な攻撃によって、さんざん打ちのめされた奈留など簡単にボンネットの中に放り込まれる。
 え?棺桶?!
 しだいに狭まってくる星々の空。もしも、閉じてしまったら、もう二度と開かなくなるのだ。
 「いやああああ!!」
 だが、両手を犠牲にしようとは思わなかった。少女には、先天的に両手、両足の先が潰されるという恐怖心を人よりも抱いている。
 逆にいえば、そのことが、彼女のけがを未遂に終わらせたのかもしれない。
 だが、その代わりに彼女を覆ったのは桎梏の闇だった。
「ママ!パパ!奈々ぁ!!こんなのいや!!!!助けえ!助けて!!」
 耳をつんざくエンジン音とともに、少女は、触れられるあらゆるものをたたきはじめた。
 そうしないと、あまりにもみじめだったからだ。何かしないと、見えない恐怖に押しつぶされそうだったからだ。
 だが、少女の喚き声は夜の町には届かない。
 

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