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主人公はu15の少女たち。 主な内容はいじめ文学。このサイトはアダルトコンテンツを含みます。18歳以下はただちに退去してください。
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『新釈 氷点2009 12』

 そこはかとない眠気だった。
 しかしながら、よく考えれば、その理由は明かである。昨夜は絶え間のない尿意のためによく眠れなかったのである。それが今になってやってきたのだろう。
 娘の手が止まったのを確認した夏枝が同じことを繰り返した。
「どうしたの?陽子ちゃん、やっぱり、口に合わない?」
「そ、そんなことないですわ、お母さま・・・・・・」
 娘は何事もないように、スープを口に運び、そして、肉にフォークを刺し入れる。
 だが、美味しそうに湯気を立てる料理にはとんでもない秘密が隠されているのだ。料理を作った彼女だけは知っている。かつて、彼女が小学生のころ、生まれて始めて料理を作ってみたときのように、凄まじい味になっているはずだ。
 味というのは割合の問題である。その配合を少し替えただけでも、美味になったり、あるいは人間の食べるものとはおもえないとんでもない味になったりする。

 あの時作った料理、当時、作ったのもビーフストロガノフだった、それが猫もまたいで食べないほどにまずかったのは、彼女が料理に関してあまりに未熟だったからである。何しろ、わずか11歳の少女が洋書の料理教則本を元にフライパンを振るったのである。
 コンクリートブロックを思わせる厚い辞書を参考に、何処からか持ってきたのか、英語の原書を読んでいる、それも台所という場違いな場所で。
 家族は、一体、家のお姫様が何を始めるのか、気が気でなかった。
 英語を読み間違えたのか、そもそも小学生の夏枝に料理の勘が育っていなかったのか、ビーフストロガノフはさんざんな結果に終わった。
 その時と違うのは、夏枝の分だけ、わざと料理に細工したからである。
 だが、すこし問題があることに気づいた。

 辻口家の三女が、もしも、食べなかったら、仮に食べたとしても薬の成分が効能を示すほどまで達しなかったら、 夏枝が望むような結果を得ることは難しいだろう。

―――大丈夫よ、きっと、この子は完食するわ。

 上品に尖った陽子の鼻梁などを眺めているうちに、実感として、それはやってきた。その根拠が何処にあるのか、彼女はそれを十分すぎるほど知っているはずだった。だが、あえて、それを考えないようにした。
 けっして、これ以上深く考えてはならない。今、自分がすべきことはただ一つ。娘の復讐をすること。できれば、込み上げてくる感情をそのまま両手に反映させてもいい。
 妄想の中では、何度も娘の首に手をかけている。
 今、彼女の細い首はあるかないかの喉仏を作動させている。
 料理とはとうてい思えない刺激が彼女の味覚神経を巡っているはずだ。べつに直接手をかけなくても、彼女を苦しめることはできる。それほどの権力と立場を持っているはずだ。なんと言っても、夏枝は陽子の母親なのだ。
 だが ―――。
 全く、表情が曇らないのはどうしたことだろう。むしろ、微笑まで浮かべて、彼女の悪意を迎え入れている。それはどのような罪も喜んで迎え入れるという、言わば、母の慈愛を彷彿とさせて、すこしばかりぞっとなった。あまりに、自分の母親に酷似していたからである。
 表情を変えずにひどい味の料理を次々と口に入れていく姿には、さすがに、彼女を憎んでいるはずの夏枝もはっとさせられた。
 その健気な姿にほろりとさせられたのである。
 自分で行っておきながら、矛盾する思いに辻口家の北の方は唖然とさせられた。目の前の少女を殺したいと思うほどに憎んでいるのではなかったか。愛おしいルリ子を、この娘の父親は無惨にも口の端に上せるのもおぞましい行為の後、絞め殺したのである。その数十倍もの苦しみを与えてくびり殺してやりたい。いや、何度、殺しても彼女の怨みは一ミクロンとは言え、消え去ることはないだろう。
 ならば、生きている限りこの娘に取り憑いて精神的な苦痛を与え続ける。
 そうルリ子に誓ったはずではないか。
 それなのに、今更、同情するとはどういうことだろう。

 一方、当の陽子は白い仮面の下で、叫び出したい気持を必死に押さえながら、口と舌を動かしていた。
味蕾から送られてくる情報は、あたかも、電撃のように少女の神経を刺激し、口の中のものを吐き出したい衝動に駆られる。すこしでも緊張を解いたら、表情を豹変してしまうどころか、今すぐに立ち上がり、目の前の料理をひっくり返してしまうだろう。そして、大声で母親を怒鳴りつけてしまうにちがいない。
 もしも、そんなことをしたら、今まで、13年間生きてきたことはどうなるのだろう。
 それは彼女を構成する土台すべて否定されることに等しい。
 今、辻口陽子という少女を構成する要素は、もはや、意地でしかない。
泣き叫びたい思いをひっしに押し隠しながら微笑の仮面を被り、いかにも美味しい物を食べているのだと、辺りにまき散らす。もっとも、それを見て欲しいのが誰なのか。それは明々白々だったが、何故か、その答えを出すのは憚られた。
 それは絶対に認めたくない。
 陽子の中で、真実を問いながら、けっして、それを明かにしてはいけないという、矛盾する思いが交錯し、この美しい少女を八つ裂きにした。
 それでも、どうにか苦しみに満ちた食事を終えると、陽子は食器を携えて食器を降ろそうとした。
その瞬間、夏枝は陽子の皿に、それこそ真っ白になるくらいに、何も残っていないことを密かに確認すると、人知れずほくそ笑んだ。
 確かに、彼女は完食した。
 だが、それがどんな意味を持つというのだろう。むしろ、それを見越すことができた自分を恥じた。これでは、完全に母親の反応ではないか。まだ、あの子を娘と思っているのだろうか。そんなことはルリ子への裏切り以外の何ものでもない。
 夏枝は唇をナプキンで拭いた。
 その時、現在生きている、唯一の実子の声が聞こえた。

「ママ、陽子、おかしくない?」
「年頃だからじゃないの?」
 もしも、この二人の性格が逆だったら、彼女はこんなことを絶対に訊いてこないだろうと、夏枝は思わずにいられない。
 それにしても、ここまであの子の性格を把握しているとは・・・・・・。
 それはあまりに長いこと一緒にいたせいだと考えた。ルリ子を殺した犯人の娘などと・・・。
 そんな汚い血の持ち主と一夜でさえ、同じ屋根の下にいることは耐えられない。それを企んだのは誰もでない、目の前で無神経にも煙草を吹かすこの家の主である。
 辻口建造。
 夏枝は、しかし、これ以上、彼と同じ部屋にいたくなかった。あと数秒で喚きたい衝動を止められなくなりそうだからである。
「あなた、お皿、下げますよ」
「ああ・・・」
 夫の皿にはレタスとキュウリが数枚ほど残っていた。
 さすがに、薫子にも気持が伝わったようだ。だが、必ずしも彼女が無神経というわけではない。陽子と変わらない感受性を持ち合わせていながら、簡単にはそれを表には出さない。
 あるいは、出さないために最前の手段を講ずる。

 もしも、さきほど陽子と薫子で立場が逆ならば、「ママ、これ味がおかしいよ」とすぐに口に出すことは予期できる。
 あえて、危ない橋を渡らないことで、自分を巧みに隠すのがこの娘の性分なのである。だが、陽子にはそんな器用な手足の持ち合わせはない。
 さきほど、うまく、母親を煙に巻いたように見えたが、仮面の下はバレバレなのである。だからこそ、なおさら小面憎く思われたのだ。

 そのころ、陽子は自室にいた。
 ろくに電気も点けずに闇の中でただ呆然としていたのである。まるで命綱もなしに無重力状態に放り投げられたような気がする。上下左右の違いすら明らかではない。立っているのもやっとのことだ。
 一体、自分に何が起きているのだろう。食事が終わって以来、いや、食卓について、料理を口にした瞬間から、夢 遊病者のような状態に落ち込んでいた。ところが、そんな少女の心に過ぎったのは、ごく、中学生の少女らしい思いだった。

―――数学の宿題、しなきゃ。

 身近な事象に逃げ込むことによって、変わらない日常がいまも続いていると、自分に言い聞かせたのかもしれない。
 だが、それも長く続かなかった。猛烈な眠気に襲われたのである。行き先を机からベッドに変更せざるをえなくなった。
 少女は寝間着に着替えることすら忘れて、寝具の中に沈むことを望んだ。
―――――。
 彼女を眠りという冥界から叩き起こしたのは信じられない事実だった。
 下半身は温かい、そして、冷たい。
 矛盾する感覚が同時にやってくる不可解さと気持ち悪さに思わず飛び起きた。
 その時に、彼女は、しかし、自分に起こったことを自覚していたのである。
 おもらし。
 それは少女が10年も前に卒業したはずの出来事だった。母親の勝ち誇った顔が見えるような気がする。しかし、 次の瞬間、その映像は雲散霧消し、いつもの慈愛に満ちた母親が彼女を目で抱いてくれた。
だが、下半身から登ってくるおぞましい感覚と臭いに吐き気を覚えた。

―――身動きできない。

「・・・・・・・・・・・・・」
 それは決して起こってはならないことだった。何とかしなければならない。誰にも知られずに処理しなければ・・・・・・・。
 まるで、一時の感情から恋人でも殺してしまった犯人のように、沸き起こってくる感情のために身体が完全に凍りついてしまった。
 だが、理性は働いている。
 現在、彼女に起こっていることが荒唐無稽な洞話のようにありえない出来事であり、ぜったいに現実とは認めたくないことなのだ。もしも、認めたら、下半身を切断されてしまう。そんな恐怖が尿道から入り込み、脊髄を通って全身に蔓延るような気がした。
「ママ、陽子まだ起きてこないの」
「おかしいわね、具合が悪いのかしら・・・」
 何と、姉と母の声が部屋の外から響いてくる。それは死刑執行人の足音だ。いったい、どうしたらいいのだろう。 あの窓から飛び出て永遠にこの家に戻らない旅に出ようか。そんな非現実的な思考の海に泳いでいた。
 だが、彼女の家族はそんな非現実的な海への逃亡を許しはしなかった。
 母親の幾何学的な声が聞こえた。

「開けるわよ、夏枝」

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『由加里 87』

 溢れようとする涙を必死に堰き止めようとしている姿は、さすがに、ゆららの感情の何処かを刺激する何かしらのものがあった。
 しかしながら、一方で、沸き起こってくる感情を、彼女も懸命に堰き止めていたことも事実である。ここで、一時の感情に流されてはいけない。心を鬼にしなければと、ゆららは奥歯を密かに噛みしめていた。

「そうね、わかっているわよ、由加里ちゃん・・・・」
「ウウ・・ウウ・ウ・・ウウ!?」
 ゆららのその一言を聞いたとたんに、高いダムは大自然の驚異の力によって、いとも簡単に崩れた。そして、白魚のような手が少女の元に忍び寄ってきたのだ。その瞬間、彼女の背中に無数のウジ虫が登ってきた。
押さえきれないおぞましさを堪えながらも、ゆららは、しかし、現在、彼女に科せられている任務が女優であることを忘れなかった。

「由加里ちゃん・・・・・」
「ウ・・ウ・・ウ、ゆららちゃん、お願い・・・・・・」
 瀕死の病人のように、由加里の握力は完全に計量以前の段階までに後退していた。
 ゆららは簡単に理解していた。
 被虐の美少女が一体、何を言わんとしているかが手に取るようにわかるのだ。いや、長い経験から、それがいやでもわかってしまうのだ。

「わかっているわよ、由加里ちゃん」
「・・・・・!?」
 吐息が顔にかかるくらいに近づいた。すると、彼女が怯えていることがわかる。捨てられた猫のように、まだ、ゆららを警戒しているのだ。それを、非常に上から目線だが、とても可愛らしく感じたのである。
 だから、彼女自身、気づいていなかったが、愛玩動物に対する憐憫の情を由加里に指し示した。知的な美少女はそれを無条件に受け止めた。無意識の何処かにおいては、それを見抜いていたのかもしれないが、何日も水も食糧もなしで炎天下の砂漠を歩き続けた旅人が、水が入っている水筒を発見した場合、まず、何も考えずに水を飲み干すにちがいない。
 それに毒が混入しているなどと、疑いもしないだろう。
 今の由加里は今こそ、そう言った心持ちになったのである。
 
 鈴木ゆららという人間の中に、どんな毒が混入しているのか。例えば、照美やはるかなど、あるいは、貴子や高田などという得体の知れない、体をあきらかにこわすものが隠されているのかわからない。
 その可愛らしい笑顔に裏など会って欲しくないと希がった。
 人間というものは、得てして、自分の主観を外に照射するものである。そうなるはずがないのに、自分の都合のいいように世界を見てしまう。得てして、追いつめられている人間ほどその傾向が強い。
 だが、さすがに由加里は聡明だった。
「ご、ごめんね・・・・・ゆ、ゆららちゃん・・・・・・私ったら・・・・」
 はにかむように両手を引っ込めた。
 だが、ゆららは意を決したように、傷だらけの草食獣を追いかけた。
「いいのよ・・・・由加里ちゃん」
 その傷を庇うように由加里の背中に覆い被さった。まるで、テレビゲームのように、こう操作すればこうなると簡単にわかる。由加里はまるでこの世の終わりが急に訪れたように泣きじゃくり始めた。
 かつて、彼女にやって欲しかったことをやっていた。そうすることで実は復讐を行っているのではないか。ゆららは意識の底辺に過ぎった思いを必死に打ち消した。だが、そうしようとすればそうするほど、無尽蔵の泉よろしく、地中から幾らでも浮かんでくるのだった。

「あれ、車イスがあるんだ・・・・・・」
 ふと、自分のいやな考えから意識を逸らそうとした少女は、部屋の隅に鎮座しているものを見つけた。
「あ、家族とか、看護婦さんが散歩に連れて行ってくれるの」
「じゃ、行こうよ。晴れているし・・・」
「いいの? ゆららちゃん、連れて行ってくれるの?」
 由加里は、鈴木ゆららという少女を通して、いじめっ子たちの魔術に取り込まれようとしていた。
 暗闇ばかりの人生に突き落とされて、永いこと地獄の日々を過ごしてきた。だが、ようやく薄日がさしてきた ――――。
 かつて、トワイライトゾーンという魔術世界を描いた映画があった。薄日を英語でトワイライトと言うのだが、人はそのような時間にまやかしの世界へと誘われてしまうのだろうか。
 完全に由加里はその世界へと足を踏み入れている。 
 
 鈴木ゆららによって、車イスに乗せられて一見甘美な雲の絨毯へと誘われていく。しかしながら、人間が雲に乗ることができないことは自明の理である。さいきんでは、小学一年生でもそんなことは理解の射程内である。
それを人一倍知的な由加里が心得ていなかった。
 初夏の太陽はトワイライトと表現するには、あまりに笑止である。まばゆい光と緑が知的な美少女の視力を奪う。
「あつい・・・・・・・もう、夏だね」
「うん・・・・・」
 いつの間にか元気を取り戻していた由加里に、ゆららは真水の憎しみを憶えていた。

――――やはり、自分は彼女を恨んでいるんだ。だから、どんなひどいことをしてもいいんだわ。

 一見、小学生と見間違われがちな、とても小柄な少女はここでもう一度初志を思い出していた。
 ここにはいない誰かに向かって胸を張って宣言するのだった、雲の上であぐらを掻いていた由加里を奈落の底に叩きのめしてやるのだと。
 もはや、照美やはるかと言う具体的な像は、少女の網膜に像を構成しない。自分のうちに芽生えた何かしらの目的のためにそれを行っているのだ。
 由加里を籠絡して、学校に来させること。
 彼女にとって、戦場、いや、地獄とでもいうべき教室に放り出すためにならば、どんなことでもできる。ここで、友人と偽って彼女の心を絆させるためならば、どんなひどいことでもできるだろう。
 ゆららは車イスの上にちょこんと座っている由加里を見下ろした。始めて見掛けた時は、どれほど大きく思えたことか。あの時は、完全に胸を張っていた。華奢な身体ながら、沢山の友人と信望者に囲まれて輝いていた。
 永年、戦場を駆けめぐって、由加里は心身ともに疲れ果てた傷病兵でしかなかった。そんな彼女をもう一度、傷も癒されていないのに、戦場へと帰還させよというのだ。それも味方がひとりもいない劣悪な環境へと叩き込むのである。
 車イスは見掛けよりも動きが軽い。
 それは知的な美少女が軽いのか、それとも、車イスというハードがゆららの想定よりも技術革新が進んでいるのか、即座には判断できなかった。
 ゆららは自分の薄暗い企てのために、由加里に話しかける。
「由加里ちゃん、どう、辛くない?」
「大丈夫だよ、それにしてもいい天気ね」
 しかし、会話は長く続かない。ここで思い切って、話を切り出すことにした。
「もう、中間テストが近いよ・・・・・」
「うん・・・・・」
 由加里は黙り込んでしまった。視線が虚ろになった。話の持っていき方が悪かったであろうか。彼女にとって学校に付随するあらゆることは、タブーなのだろうか。
 いや、そうではあるまい。何しろ、彼女が入院していらい、ずっと受業のノートを提供してきたのである。その間、ゆららは由加里に勉強の仕方を教えてもらうことすらあった。それは、照美やはるかが企む目的への一貫だと、自分に言い聞かせて、彼女の友人を演じてきた。
 ゆららはさらに畳み掛けることにした。
「由加里ちゃん、学校に来ようよ。みんな待っているよ」
「うん・・・手紙、読んでいるだけどね・・・」
「・・・・・・」
 由加里の両目から涙が零れていた。それは彼女の目がガラス玉ではない証拠だった。
「・・・・信じられないの」
 そう言うと、小さな顔を両手で埋めて泣き声を発しはじめた。
 何て言うことだろう。たが、数ヶ月ほどいじめられただけで、このザマはどうしたことだろうか。
 ゆららは学校という概念を体感していらい、ずっと、いじめられてきたのだ。そうでなくても、軽視されてきたことは事実である。改めて、怒りが沸き起こってくるのを感じた。
 血液が沸騰して皮膚の下から噴き出てくるような気がする。
 だが、それをストレートに感情に反映させるわけにはいかない。彼女にわからないように、悪意を言葉に含ませるべきだ。それには慎重の上に慎重が要求される。
「由加里ちゃん、あれほどヒドイ目にあったんだから、仕方ないと思うけど・・・・」
「ゆららちゃんの言うこと、わかるのよ、わかるんだけど・・・・・・」
 ここで、ゆららは心にもないことを言うことにした。
「絶対に、私が護るから、何があってもね、ううん、護れなくても、一緒にいじめられるから・・・・・」
 いじめられてあげると表現しなかったことに、ゆららが冷遇されてきたことの証左になるだろうが、それは由加里の洞察力の及ぶところではない。もしも、この時、それを見ぬいた上に、態度に表すことができたならば、完全に、ゆららの友情を得ることができたであろうか。

 いや、それは難しいだろう。照美と由加里の間に挟まれて、引き裂かれてしまうにちがいないのだ。
 由加里は、ゆららが思ってもいないことを言った。
「それはないと思うな、高田さんや金江さんたちはともかく、照美さんやはるかさんは私以外をいじめたりしないわ・・・・・」
 まるで、自分に言い聞かせるような口調だった。
 彼女が照美の本質を理解していることに驚いた。やっぱり、この人は頭がいいんだと、実感させられる。
「私ねえ・・・・・・」
 由加里は思い詰めるあまり、言葉を詰まらせた。
 だが、思い切って舌を動作させる。そうできなくても、そうしようと努力しているのが見て取れる。
「由加里ちゃん・・・」
 おもむろに、彼女の冷え切った手がゆららの手に重ねられた。
「ねえ、触れていていい?」
 ゆららを見上げる黒目がちな瞳は過剰なまでに涙が溜まっていた。
「いいわよ・・・・・・」
 もしも目の前に崖があったら、無条件に飛び込んでしまうのではないかと思われた。何か声をかけなければならない、そう思ったが何を言って良いのかわからない。そんなところが、非情な女優になりきれないゆららの本質を表しているのであろう。
 由加里に言葉を求めるのは、からからした不毛の砂漠に水をもとめるようなものだった。だが、少女は何とか口を開いた。
「ゆららちゃん、どうして・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
 ゆららはこの時、女優であることを忘れていたかもしれない。由加里の言葉をただひたすら待った。
「どうして、みんな、照美さんたちに同調したのかな?・・・・・・私、それがわからなくって、そんなに、私はイヤな人間なのかな?」 
 知的な美少女はゆららの手を握ったまま、泣きじゃくり始めた。






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『おしっこ少女 7』

 釈放、いや、仮釈放される。
 佐竹まひるは、まぶしい光に目を細めながら思った。どうして、「仮」がつかなくてはならないのか。
 それは、自分が置かれている、なおも過酷な状況が彼女にそう思わせている。それは、言わば諦めの心境なのだろう。
 管の類はすべて放擲され、忌まわしい仮面から少女は完全に解放された。しかし、全身をなおも、黒曜石のゴムが覆っている、戒めている、縛っている。少しでも腕や足を曲げようものならば、鉄の重しを持たされているように激しい抵抗が発生する。指の先から足先まで緊縛されている状態となんら変わらないのである。
 ぬめぬめとした半ゲル状の物質から成る生地は、全身の窪みという窪みに情け容赦なく侵入してくる。それは性器や肛門と言った場所でさえ例外ではない。汗と粘液に汚れた生地は、少しでも彼女が動くとコバンザメのように何処までもついてくる。
「ぁあぁああ・・・・・ァァァ」
 思わず飛び出た声は言語を構成できなかった。
「そんなに気持ちいいのかしら?」
「・・・・・アア・ア・・ア・・・アアア、ああ!?」
 目の前に美貌があった。
 辺りを見回してみると、ここが寝室であることがわかった。彼女が寝かされているベッドは地平線まで続いているのではないかと錯覚するくらいに広い。
「起きあがってみようか」
「え? ぁあぁああ?!」
 それだけのことで、性器に激しい刺激が加えられる。

「ふふ、これにも慣れてもらわないとねえ」
 予想だにしない残酷な言葉が振ってくる。しかし、そんな少女を驚かせたのは、目の前に大型の鏡台が設置されていることだった。
 ぐじゅぐじゅという気色悪い音とともに少女の華奢な体躯が起こされると、鏡には自分の姿が映し出されていた。 肌に黒い塗料が塗られているように見える。それほどまでにおぞましい衣装は少女に密着し、その身体に同化しつつある。
 それは人間と衣装の主従関係を完全に逆転させていることを意味する。まひるが何とも形容しがたい衣服に奴隷にされ食いつくされようとしているのである。被虐の少女はそれにせめても抵抗をしようとひたすら足掻いている。

 もっとも、驚いたのは乳首と性器である。芽乳房としか表現しようがないほど未熟なイチモツながら、両側の胸に立派に鎮座ましまして、互いの45度の角度でロンパリを見ている。その姿が顕わに生地の上に出ているのである。 微妙な凹凸をリアルに表現されている姿を見るにつけ全裸よりも全裸という表現がまことに似つかわしい。
 それよりも、少女を行動に移させたことがある。
「ぁ?!」
 思わず可愛らしいヨダレを垂らしながら、股間を両手で覆おうとした。
 しかし ―――――。
「ぁ、アアアグウウ・・・ぁ、ハア、ハア、ハア」
 言うまでもなく、全身をくまなく覆った生地はある一点の動きを即座に全身に送る。
 簡単な物理の法則である。
 その動きによって、余計な刺激が少女の局所に加わった。それでも、最初の目的を完遂させないわけにはいかない。
「ァアァァ、お、お願いですから、み、見ないでください! イヤヤヤッヤヤッヤ・・・・あああ!?」

 目を瞑っても、黒光りする性器の映像が消えない。襞の細部までがリアルに再現されていた。少女の幼い性器は、 無惨にも押し広げられ生地の圧力によって歪んでいた。内部がどうなっているのか、誰でもない、まひる自身が熟知しているはずだ。
「あら、あら、どうして隠すの? まひるちゃんの一番大切なところでしょう?」
「だって、だって・・・・ウウ・ウ・ウ・・ウ・ウ!?」
 寝具を経由して少女の背後に回ると、自分の膝に彼女の尻をすとんと乗せた。
「ァアァググウ・・・・あアアウウ・・ウ!?」
 そんな些細な動きでも、現在の少女には数トンの威力と変わらないように感じる。
「ほら、足を広げてごらん、面白いものが見られるわよ」
「グググウグググ・・・・ウン」
 100メートルダッシュを連続で数回やるような気持で、両足を動かす。だが、晴海を満足させるのには、まだ数キロの距離がありそうだ。
「こ、これ、これ以上は・・・ハア・ア・ア・ア・アああ、む、無理です、ゆ、許してクダサイ・・・・うう」
 赤ん坊のように涎を流して喘ぐまひる。その様子にかつての誇り高い少女の姿は微塵も感じられない。

 だが、その姿に微塵でもその痕跡を探そうとして、晴海は情け容赦ない鞭を振り下ろした。
「開くのよ!」
「ぐぐあうあ!」
 一瞬だけ、小熊を殺された母熊のような声を出した。完全に被虐の少女の視界をホワイトアウトが襲った。まさに地平線まで続く大地が雪原で覆われたのである。いや、天と地の区別すらつかない、そして太陽が何処にあるのかも判然としない、不毛の大地にただひとり立たされたのである。
 唯一、彼女に残された命綱は女性捜査官の残酷な長い指爪だけである。
 その指で、少女の股間が蹂躙される。
「ひ、ひひ、さ、触らないで・・・・ああっっ!!」
「ほら、見てご覧なさいよ、まひるちゃんのいやらしいおまんこが丸見えよ、ほら、こんな細かい襞まではっきりと見えるでしょう?!」
「ウウ・ウ・・ウ・ウ!?」
 無理矢理に、顔をこねくり回され、閉じようとする目を開けさせられる。
「ぅあ、ぅあ・・・・ああ・・・あ」
 まひるの眼前には、漆黒に塗られた性器が、身体が、妊娠中毒になった雌蛇のようにのたくり回っていた。
 
 しかし、それは他ならぬ彼女じしんだと言うしかない。他ならぬ佐竹まひる以外の何者でもないのである。
「見てごらん、こんなにはっきりとまひるちゃんご自慢の場所が見えるわよ」
「そ、そんな・・・あうあう・・・そ、そんなにしちゃ・・あぁぁぁっぁあぁ!?」
 辛辣な指が少女の局所にめり込んでいく。
「本当に、好都合な衣服よね。まひるちゃんの汚らしいココも、素手にいじめることができるわ」
「っそ、そんな・・・・・・・あ・あ・あ・あ・・っ?!」
 予想だにしなかった言葉が信頼しつつあった相手から発せられる。しかしながら、その一方、その言葉の一部が温かく自分に染み込んでくることを否定できずにいた。
「いじめ」
 安藤ばななたちにされていることを、決して、その一言に収斂させたくなかった。もしもそんなことになったら、 辛うじて保っているプライドが一瞬にして崩れてしまうように思えた。
 その瞬間、何故か、ばななのイヤラシイ声がまひるの耳に響いた。
「いや!ぁぁあぁああぁ・・・・あああぁぁああ!?」
 思わず腰をひねった瞬間に、性器の中に生地と晴海の指がまともに食い込んだのである。
「あら、自分から望むなんて、本当にイヤラシイ子になったわね、いや、もともと、変態だったのかしら?」
「ち、ちがいます!ッウウ・ウ・・ウ・ウ・・・・・うう、はあ、は、お、お願いですから、もう許してください・・・」
 
 晴海は、目敏く自分の奴隷が何をしようとしているのか、完全に見抜いていた。
「誰が脱いでいいって言ったのかしら?」
「・・・・・・・・」
 ただ、激しく首を振ってイヤイヤをする。
 それは完全な否定なのか、その逆なのか晴海は判断する前に欲望に従うことにした。
「答えなさい、誰が脱いでいいって言ったの?」
「だ、誰も申してません・・・・」
 古びた機械仕掛けの人形のように、少女は口をただ動かした。その中でどのような歯車と歯車が作用しあって、ひとつの動きを産み出しているというのか。
「そうねえ、なら、どうして脱ごうとしたのかしら? もっとも、永遠に自分の力じゃ脱ぐのは不可能なんだけど」
「え?」
 阿呆のように口を開けたままの美少女に、晴海は宣告するように言った。
「空気を抜いて圧縮しているってことは相当の圧力がかかっているのよ、それを打ち消すためには空気を入れないとだめなの、私の許可なしには永遠にその中にいてもらうことになるわ」
「そ、っそんな・・・・・」
「だけど、もう、そんなことはどうでもよくなったの。いいわ、脱がしてあげるわ」
「え?」
 思いもよらず冷たい言葉に唖然となるまひる。
「ほら、来なさい、空気を入れてあげる」
「ひう!?ぃ、痛い!!ぁ」
 長い髪を乱暴に摑まれ、引っ張られながらも、さすがは鋭敏な少女ではある。主人の意思をほぼ正確に見抜いていた。次に言われる言葉まで予知していたのである。
「ぁぁああ。そ、そんなの、いやです!! お、お願いですから、まひるを見捨てないで、見捨てないでください!!」
 その言葉に晴海はその美しい肢体に優雅な曲線を描かせて止まった。
「じゃあ、永遠にそのままでいいの?」
「ウ・ウ・ウウウ、ご命令があるまでは ――」
 晴海は、満足そうにほくそ笑むと少女の頭を踏みつけながら訊く。
「私の言いたいことがわかってのね、可愛らしい子猫だわ」
「・・・・・・・・・・・・・」

「じゃあ、私の言うことならなんでも従うのね」
 女主人は奴隷の意思など忖度しない。
「なら、着替えてもらうわ、私と一緒にしてもらうことがあるの、早く、制服に着替えるのよ、その恥ずかしい身体を覆い隠すの」
 制服が何処からか飛んできた。汚れた制服。度重なる安藤ばななたちのいじめによって汚され、本来、彼女が信頼するべき旧友たちから浴びせかけられた罵声によって汚された、哀しみの汗と涙が沢山含んだ制服である。
「ウウ・ウ・ウ・ウ・ウ・・・・ウウ・・・・うう!?」
 ただ、大粒の涙が両の目からこぼれ落ちるだけである。
 だが、哀れな奴隷に非暴力、不服従の権利などあるはずがない。
「さっさと着なさい!」
「ハイ・・・・ウ・ウウ・・・ッッっっああああ」
 まるで全身に釘が打たれているかのような仕草だった。ただし、少しでも動くと全身に響くのは激痛ではなくて、官能だった。もっとも、その意味をまだほとんど理解できていないレベルにすぎなかった。
 だが、性の意味について、女性に生まれてきたことの意味について、無意識のうちに何事かを摑んでいることは確かだった。
 それを見切った女性捜査官は、飢饉で我が手を喰う封建時代の絵のような、自分の奴隷に、にべもなく言いはなった。
「これから、テニスをしましょう。夜でもできるコートがあるの。あなたの妹さんがプロを目指しているんでしょう?義姉さんが言っていたわ」
 それは、安藤ばななの脅迫にも符合することだった。


 


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