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『由加里 68』
 南斗太一郎くんへ

 いつも、あなたのこと見ています。授業中も休みもずっとです。体育や家庭科でも、いつも太一郎くんの顔を思い浮かべています。
由加里は、あなたのことが大好きです。
太一郎君のことなら、なんでもできちゃいます。裸になれって言われたら、何時でも、何処でも、なっちゃいます!
好きです!
 お願いです。由加里を恋人にしてください。
             
            あなたの永遠の恋人 西宮由加里より


 なんという下手な文章だろうか。もしも、このような境遇でなかったならば、一笑に付したにちがいない。しかし、これを目の前に提示されたとき、少女はけっしてそのような心境に浸っていられようはずはなかった。
 由加里は、それこそ、血の滲む思いでこの手紙を書き写した。塚本誠二が考えた文面をそのまま紙の上に再現する作業は、恥辱と苦痛に満ちていた。
 二人の少年の背後に、高田と金江の恫喝と嘲笑に満ちた視線が控えている。二人、いや、全クラスメートが吐き出した唾の雨が降ってくる。その屈辱的な冷たさは、由加里を絶望の海に叩き込むだけでなしに、怒りの葡萄を潰し、その中身をまき散らすにちがいない。
 もしも、心に血管があるならばそれは拡張して炎症をつくり、やがて膿に満ちた噴煙をあげるだろう。
 これからは男子にまでいじめられるようになるのだろうか。
 由加里は暗澹たる思いに、自分の心が色づいていくのを感じた。青ざめるとはこういうことか。血の気が引いていくのが手に取るようにわかる。
 これまでは、男子というのはいわば添え物にすぎなかった。由加里を辱め、引き裂くためのおかずではなく副食にすぎない。暴力を震ったり、言葉でいじめたりするのはほぼ100%少女たちの役割であり。男子は側で控えているだけだった。言い換えれば観客にすぎない。
 しかし、劇が劇として成り立つためには、客がやはり必要なのである。その存在は舞台とプリンシパルにとって必要不可欠な存在なのである。由加里は、同性に侮辱され殴られて、床に引きずりおろされるときに、男子の視線を感じる。もしも、それがなかったならば、単なる暴行と位置づけられてしまうかもしれない。彼ら、観客がいることで、由加里いじめはひとつのショーとしての色彩を得ることになったのである。
 その男子が積極的のいじめに参加するというのは、どういうことだろうか。暴力の程度は、女子の比ではない。あまりの怖ろしさに身の毛がよだつ。命の危険すら感じると言っても過言ではない。
 それに性の疼きが少女を襲っているのである。
 由加里は、そのような辱めを受けることで、身体にある変化を憶えるようになった。それは、照
美やはるかたち四人によって性的ないじめを受けるようになったことと、軌道を同一にする。ただし、照美たちに加えられた性的な虐待が由加里のそれを刺激した、あるいは思い起こさせたのか ――――は、はっきりとしない。

 そもそもそのような属性が由加里に内在していたのか、否か、その答えは誰にもわからないのである。
 由加里は、下半身に淡い、あるいは幼い、芽吹きを感じていた。
――― ああ、私ったらこんなときに!?
由加里は、二人にばれないように股間を押さえたものだ。
 照美やはるかたちに性的ないじめを受けている時のことを思いだした。
いやで、いやでもたまらないのに、性器が湿り気を帯びる。もちろん、この時は秘密の花園を剥かれ、嘲笑されることはなかった。少女にとって本当の地獄がはじまるのは、少し後のことである。

 あろうことか少女は性的に敏感になっていたのである。照美とはるかに性的ないじめを受けるようになって、自分の身体が変えられていくことを如実に感じ取っていた。自分の意思とは全くちがうところで、身体が反応してしまう。

―――ああ、私ったらどうなっちゃうの!?
 少女は黒板にむかって問いをぶつけた。彼女が大好きだった彼は何も答えてくれない。もともと聡明な彼女に、彼はいつでも恩恵を与えてくれた。常に教師は誉めてくれたし、生徒からは羨望と尊敬の入り交じった視線を貰い受けた。
 それは大変晴れがましく、そして誇らしい匂いにみちていた。少女にとって心地よいことこの上なかった。それがこの黒板に象徴される時間だ。旧くは小学校一年生から、中学入学、そして、ごく最近まで・・・・・・・。
 現在では、成績優秀というステータスは憎悪の対象でしかない。いじめをさらにエスカレートさせる事由でしかない。
 少女をこの陰鬱な状態から解放したのはチャイムだった。

 解放? 解放だと?
 
 この地獄から別の地獄へと檻舎を移動されるだけだ。例えば、血の池地獄から針の山地獄というぐあいに・・・・・。
 由加里は急いで手紙を隠し、少年二人は舌打ちしてそれぞれの席へと消えた。しかし、四つの目がどれほど陰険な視線を追っていたか。
 由加里は本の中で呼んだクトゥールーの化け物を思い浮かべた。添付されていたイラストには、幾つも目が生えた化け物に、クトゥールーがイラストレイテッドされていたはずだ。

 由加里は病室の一部。
 少女の中で芽生えた、いや、芽生えさせられた作家の才能はいやでも、消したい記憶を呼び覚ます。

―――ああ、鋳崎さん、あなたは悪魔よ!
 由加里は褐色色の悪魔を思い浮かべて、ただおいおいと泣くだけだった。


 ちょうどそのころ、少女に怖れられた褐色の悪魔は、まったくそれらしくない笑顔を満面に満たしてただ、恐縮していた。
 今、四人は地上を時速50キロのスピードで移動している。この車の性能からすれば遅すぎるスピードだが、日本の公道なればしょうがない。

 あゆみの左側、すなわち助手席という監獄で、哀れな囚人を演じている。
「に、西沢さん、リハビリの方はどうなんでしょうか? 大丈夫なのかなあと思って・・・・ヒ!?」
「万全に戻らなかったら、コートに立つはずはないでしょう?!」
「ハイ・・・・・では・・・・」
「そうね、今日は頼むわよ、将来のエースさん」
 はるかは知らないはずはなかった、怪我開けのちのテニスプレイヤーの状態というものを。もしも、怪我をしていなければ、あゆみがこんなところにいるわけはない。プロテニスプレイヤーというものは、常に四大大会その他に参加しているものだ。人にもよるが、オフというのは無いに等しい。
 
 ウィンブルドンで怪我をしたあゆみは、ここ一年ほど満足にコートに立つことはなかったのである。
「ねえ、はるか」
「ナ、ナンでしょうか?」と敬語の意地混じった奇妙な受け答えは、少女の内面の動揺を暗示している。
「あなた、一ヶ月でもコートに立たなかったことってある?」
「それは三歳のコロならはい・・・・え?・・・あ、スイマセン・・・・最近ではないです・・・・」
 下手な一人芝居は、見物だったが、ゆららは笑う気にならなかった。完全にこの大人に肝を潰されていたのである。一方、照美はクスクスと笑っていた。はるかは、それを横目で見やりながら ――後で見てろ!と内心で牙を磨いていた。
「お相手よろしくね」
「ハハ・・・お、お手柔らかに・・・・でも名山さんとかどうなんです?」
 名山幸太郎は、さきほど引退した男子プレイヤーである。この国にあゆみと対等にやれるプレイヤーなど存在しないのだ。
「名山君は忙しいのよ、キャスターやってるし、引退したばっかりで違う世界に生きるためには真剣なのよ」
「そ、ソウデスネ・・・・・でも・・・・」
「なあに、私とやりたくないの!?」
「イエ・・・・と、どんでもない! こ、光栄でアリマス・・・ハイ」
 端から見れば喜劇でしかないが、本人からすれば命がけだ。プロテニスプレイヤーのサーヴィズなどと言ったら、ほとんど凶器である、命がかかっている。
ほとんど硫黄島の虎口から逃れた日本兵士という感じで、はるかは刃の方向を変えようとした。
「その前に、この照美なんてどうです?これでも一応やるんで・・・」
「・・・・・?!」
 はるかは、動揺する精神状態の下でも、あゆみの表情が微妙に変化したことを見逃さなかった。
「西沢さん?!」
「そう、照美さん、テニスやるの?」
「はい、すこし、こいつに無理矢理ですけど」
「・・・・・・・・」
 まるで、以前から照美を知っているかのような口調。

「だけど、お手柔らかにお願いしますよ、私はテニスプレイヤーになるつもりはないんですから」
「お、お前!」
 照美が、簡単に口を聞く。そのことをはるかは、信じられないのである。
「そうね、照美さんはお嬢さんだし、年頃の女の子に傷付けたら親御さんにどういわれるかわからないわね」
「そ、それって、私ならいいんですか?」
 不平という言葉を呑みこみながら、ほうぼうのていで、彼女の言葉は外見的な礼儀を失わなかった。
「あはは、お嬢さんって言って欲しいんだ、はるかがね ―――」
「西沢さん・・・・」
―――やはり、おかしい。普段の西沢さんじゃない・・・・。
 はるかは、いつもとちがうあゆみの様子に、何か鎌を掛けてみたくなった。しかし、なかなかその瞬間と機会を得ることができなかった。
「ねえ、照美さん、テニスってどう思う?」
「さあ、学校の部活なんかでは、サッカーとならんで格好がいいスポーツっていうイメージがありますけど?」
「そうだろ? そうだろ?」
 はるかは、我が意を得たりと手を叩く。
「何言ってるのよ、あんたが格好が良いなんて一言も言ってないじゃない?」
 相手がはるかとなると照美は血相をかえる。それがゆららにはおかしかった。普段の冷静な仮面がいとも簡単に脱げ落ちてしまうのである。
「ふふ、ふたりともいいお友達のようね。」
「仲の良い姉妹にも見えますよ ―――」
 うららの何気なく言った台詞が、車内にどよめきを起こした。

――――西沢さん?
 完全に黙りこくってしまった師匠に視線は自然と向かう。しかし、それを意図的に壊したのは照美だった。
「ヤダネ、こんな図体のでかい妹なんて、まるでウドの大木じゃない」
 そう言われてははるかは、黙っていられない。
「ちょっと、待て! ウドってどういうことだ。それよりもどうしてお前が姉で私が妹なんだ!?」
「世間の目って奴かな?見る人は見ているものよ」
 根拠のないことを言う照美の顔をミラー越しに見つめていたのは、あゆみだった。
「それにしても安心だわ、あなたみたいな姉妹がいて」
「・・・・・・・・?!」
「・・・・・?」
 一瞬、あゆみの言葉はどちらをさしているのか、わからなかった。しかし、少し考えればわかることである。

「そうですね、こんな妹で大変ではありますけど」
「そうね ――」
 短く答えたあゆみだったが、どうして夜にもかかわらずサングラスを掛けたのか、そのとき、はるかは理解できなかった。
―――まさか・・・・・・・。
 はるかはその瞬間、我が目を疑った。サングラスが彼女の目を覆う瞬間、まるでスポイトで蒸留水を垂らしたかのように、濡れた彼女の瞳がかいま見えた ―――と思ったからである。まさかそんなことはあるまいと、はるかは、目の錯覚ということにした。それは、どうしても西沢あゆみのイメージから乖離しているからである。
 それはあくまでのはるかの独断であったが、同時にメディアを通して一般が知りうるあゆみのイメージでもあった。しかし、海崎照美は、それから自由だった。
はるかと違ってもろにメディアの洗礼を受けているはずの照美が、彼女とは違ったイメージをあゆみから得ていた。
 はるかはあまりにあゆみの身近にいるために、近視眼的な視線に陥っているのだろうか。

―――な、何?この感覚は?
 照美は、あゆみと接するごとに、一言新たに交わすごとに、心臓の鼓動が増すのを感じた。何か特別なホルモンが、彼女を触媒にして増色しているように思えた。ある意味に置いて由加里とはじめて出会ったときと、何かが似ている。
 しかし、あの時は意味不明の憎悪と焦燥感だけが、美しい少女の仮面の下に芽吹くだけだった。
あえて言うならば焦燥感が、デジャブーを呼び起こしたのかもしれぬ。
 相手が呼び起こす予想外の効果に、照美は汗の一筋も顔に浮かせないわけにはいかなかった。ただ、古代ギリシアの名工の手による彫像に垂れた月の涙の一滴のように、周囲の水分を氷らせないわけにはいかなかった。液体窒素のように、融点が異常に低いために液体でありながら、周囲を氷らせずにはいられない。
 周囲に冷気をまき散らしながら、本人は泰然自若としている、あくまで外見だけのことだが・・・・・。
 はるかは、しかし、この時神経をほとんどあゆみに対して使っていたために、親友の心境の変化を見抜くことができなかった。
 本来ならば、姉妹のように通じ合っている二人のこと、けんかをしていても、否、そうしていれば、いるほどにかえって見防備になった相手の機微が見えてしまうのである。

 四人が乗る車は、テニスコートに向けて夜の街を疾走していた。




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