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『由加里 79』
 鈴木ゆららが見つめている闇は確かに深かったが、それ以上の暗がりに沈んでいたのは、由加里のふたつの大きな眼(まなこ)だった。
 虚ろな目は何を見ているのかわからない。双眸は、完全に見引かれているというのに、全く光を反射しない。その奥にはブラックホールが隠されているのだろうか。
黒い、何処までも黒が続く、闇の中の闇。
 それは何でも吸収する挙げ句、光さえ溜め込んでしまうというから、どんなに高性能な天体望遠鏡を夜空に向けても、確認できないらしい。すると、由加里の黒曜石も闇の中に埋もれてしまった可能性がある ―――否、闇そのものに変わり果ててしまったのかもしれない。
――――あらゆる光を吸い取ったあげくに。

 さて、視線をすこしばかり下に向けてみよう。目は口ほどにものを言うとあるが、目に、それを求められないとすれば、弟にあたる口に要求するのが筋というものだろう。
 驚くべき事に、少女の口には黒いスリッパが埋め込まれているではないが、おまけに、口の端には涎が糸を引いている。小刻みに震えるたびに、その量は増えていく。オーケストラ演奏前に、楽器のチューニングが行われるが、それを彷彿とさせるような音が、少女の口から漏れ続けている。
 黒い布の塊は、心なしか揺れている。しかも、同時にチャラチャラという金属どうしが合わさる音が、病室に木霊する。まったく、関係がないように思える両者は、少女があしらっているリボンと手のように、見えない関連性で結びつけられているように見えた。

 美少女の顔半分に突き立てられたスリッパが揺れているのを見ていると、女は、満足そうに笑った。
彼女は天頂にいる。
 「由加里ちゃん、おめでとう、ふふふ」
「・・・・・・・・・」
 じわじわと言葉が降ってくる。火山灰に埋もれていく死んだ馬のように、少女は無言のまま身体を呑みこまれていく。
 女は、スリッパを揺らしているのが自分だと認識しているのだろうか。まさに、火山灰とは彼女のことである。
 似鳥可南子、その人である。

 この病院の看護婦である可南子は、着衣のまま、少女の背中にのし上がっている。それはゴリラのマウントを思い起こさせる。動物専用のテレビなどで視たことがあるかもしれないが、ゴリラがゴリラを強姦するようにのし上がっている姿である。あれは、下位の者に対して、自分が上位であることを認識させる行為と聞くが、可南子のばあいはどうなのだろう。同性愛とは、しょせん、ゴリラの習性と変わらないのだろうか。

「ふ、ふ、ふ・・・・・いいわよ、由加里ちゃん・・・・アハッハア、あなたは私のもの」
 物言わぬ類人猿とはいえ、もっと、上品な声を出しそうなものである。それが、この看護婦が出す人語らしき音は、ゴキブリが吐き出す体液よりもおぞましかった。
 今、女の涎が少女の背中の窪みに落ちた。その付近には、彼女のマニキュアが残酷に鈍い光を放っている。それは高級品なのだが、彼女が使うとただ趣味の悪さを露呈するだけである。使いどころを間違えると、一流の品も形無しになってしまうものである。
 由加里は、それを見ることができない。もっとも、視界に入っていたとしても、視神経が麻痺してしまった今となっては、それを認識することはできないだろう。コンピュータが処理能力を超える情報量を流されるとショートしてしまうように、少女の神経は、膨大な感情の処理をまかなうことができずに、凍りついてしまったのである。
 可南子の行為は、由加里を完全に麻痺させてしまった。もしも、死という概念が意識の喪失と同義ならば、一時的に、少女を殺してしまったとも言えるかもしれない。しかし、彼女が蘇ることはあるのだろうか。かつて、少女たちの中心となって咲いていた大輪の花が、その春を取り戻すことはあるのだろうか。
 
 由加里が息を吹き返したのは、突然のことだった。
 まるで、駅に設置された場違いなシュールレアリズム彫刻のように、顔面に突き立てられたスリッパがぴょいっと顔を出したとき、可南子は、少女の心臓の鼓動が戻ったことを知って、頼もしく思った。 怖ろしいことだが、この女は、自分がいかなる罪を犯しているのか、その自覚がまったくないのである。
 天頂から少女を見下ろすことが、どれほど、悪魔の所業に属するのか、完全に思考の分類能力を欠いているのである。それでは、患者を切り分けるメスを仕分けできない外科医と同じだ。そんな医者に手術される患者はたまったものではない、
 だから、精神が破綻したこの女が14歳の少女に行っていることは、完全に常軌を失っていた。
 可南子は、重傷を負っている少女から処女を奪うという暴挙にでたのである。
  
 換言すると・・・・・・・。

 こともあろうに、右大腿骨をふくめた、全身の数カ所に傷を負った少女を身動きできないように、手錠で縛り付けた上に、性器を顕わにして、自らに装着した双頭のペニスの一方をそこに埋め込んだのである。
 そして、その行為は続いている。
 可南子は、さらに罪の上塗りをしようとしていた。
「ふぁう、ふぁう・・・ぐぁぁあ!?」
「むぐあう!?!」
 少女の口から人語が飛び出ることを危惧したのか、看護婦は濡れそぼったスリッパをひょいっと手に取ると、しかるのちに、再び、少女の口に突っ込んだのである。
 また、オーケストラの前演奏が始まった。今度は、さきほどよりもさらに激しい音が飛び出る。楽器が壊れてしまうのではないかと思わせるほどに、激しい。しかしながら、楽器とは使い古されたスリッパにすぎないのだから、可南子をメランコリックにさせる原因にはならない。
 少女は、飢え死に寸前の齧歯類がチーズの塊に噛みつくように、スリッパに歯を食い込ませている。そんなことでは、ナイロンの生地を食い破れるはずはないのに、わかっていてもそうしなければ、何者かにたいして申し訳が立たないかのように、ぎりぎりと食い込ませる。
 誰かとは?
 それは、母親を筆頭にした家族に対してだろうか、それとも、自分自身のプライドにであろうか。
 全身を貫く激痛と官能が混ぜ合わさった異様な感覚は、複雑な感情を相まって、ピークを迎えようとしていた。
 可南子は、悪魔のような笑いを浮かべると、ジェットコースターの最上位を目指すべく、腰の筋肉に グリコーゲンを注入しはじめた。

 その時、頭が悪いくせに老獪な看護婦は、とある呪文を少女に仕込んでおくことを忘れなかった。  それは、少女が激情に駆られないようにするための予防措置である。
「これは、将来、大事なひとのためにする準備運動のようなものよ・・・・ふふ、可愛いわよ、由加里ちゃん、まだお子様のあなたにはこの程度で十分かしら?」
 まったく、理屈が成っていない。荒唐無稽というにも、論理のすり替えがひどすぎる。しかし、被害者である少女は、それを素直に受け取っていた。感情と感覚が、臨界点を超えて、無意識に可南子のとんでもない論理が染み込んでいったのかもしれない。


 ちょうどそのころ、奇妙な編制を為す四人は、夜のドライブを終わろうとしていた。慣れない運動に身をやつした鈴木ゆららは、こんこんと眠りの世界に身を投じており、一方、照美とはるかも、かなりぐったりとしたようすで、移りゆく夜の街を車窓からただ眺めていた。
 夜の街は雨に打たれている。それが、疲労の蓄積による視力の低下と劣化に相まって、セザンヌばりの印象画に仕上げている。
 はるかは、自分が書き上げた絵に見とれて、うとうとしていたが、やがて、それが180度ほど別の展開を見せることなど予想だにしなかったにちがいない。
 それは突然やってきた。夜の闇を引き裂くような言葉が、はるかを襲ったのである。
 どのような言葉と言葉のつながりがあったのか、よく憶えていない。睡眠への導入部でまどろんでいたこともあり、意識は混沌としていた。しかし、あゆみと照美が何やら会話を交わしていたことは知っていた。
 その時、あゆみは恐るべき事を言ったのである。
 しかし、耳というものは、選択して音を拾っているのは、このことは、その確かなる証左だった。
「ねえ、照美さん、プロテニスプレイヤーを目指してみない?」
 その瞬間、天と地が入れ代わったように思えた。その証拠に、雨が地面から空に降り注いでいる。 ここがあゆみが運転する車内であることも忘れてしまった。

「・・・・・・・・・!?」
 言葉を完全に失い、というよりも、最初からまったく得ていなかったのだが、はるかは、ただ、呆然と恩師の頭髪を見つめ続けることしかできなくなっていた。
 照美は、あゆみの言葉を単なる冗談か、社交辞令ていどにしか受け取っていないようすで、軽く受け流している。
「そんなに、私って才能ありますか? ふふ ―――」
 微笑という香料を言葉に混ぜながらの発言なのだから、まじめに受け取っていないことは事実であろう。しかし、はるかはそうではなかった。まるで自らが立っている地面を奪われたような心持ちで、敢然と抗議しはじめた。
「あ、あゆみさん、何を考えておられるんですか?」
 自分では抗議のつもりなのだろうか、ほとんど、自失呆然の果てに、ほとばしった呻きにしか聞こえない。
「はるか、何を躍起になっているのよ ―――」
 照美は、意外な顔をした。普段、冷静沈着なこの親友が感情を顕わにするなと、とても珍しいことだったからだ。
 しかし、彼女にしてみれば、死活問題なのである。それは、そもそも対して興味のない勉強や、多少なりともコンプレクスを持ち合わせているが、精神の根本に関係のない容姿において負けても、テニスを含めた運動分野で、照美に負けるなどということはあってはならないのである。
 たがが、遊びていどの心持ちで行ったテニスを、あのあゆみに評価されるなどということは、ほとんど負けに等しい。
 今更ながら、照美にそのような感情を持っていることに、気づいたはるかだった。彼女を構成する別の人格が、意識の主流を占めたときはじめて、いささか恥じ入るような気持になった。
 そのために何も言えなくなってしまったのである。背後の席を陣取っている照美を妖しと思いながらも、フロントガラスの向こうに対戦選手がいるかのように睨みつけるのだった。

 しかし、切り返しの早い彼女のこと、その双眸にはべつの光が宿っていた。テニスにおいても同じ事で、いったん犯してしまったミスをいつまでも引きずっていては、勝てる試合も負けてしまう。すぐに次の手を考えなくては・・・・・・・。
 サイドミラーに沈む照美の美貌を見ているとはるかの頭の中は、西宮由加里のことに向いていた。 彼女をいじめるにあたって、照美ほどリーダーシップを獲っているわけではないが、その実、背後で励んでいるのは彼女だった。成年漫画をトレースペーパーで書き写させることを皮切りに、挙げ句の果ては、官能小説を彼女じしんの手によって、執筆させるまでに発展していた。
 それは文芸関係においては、プロデューサーの役割なのだろうが、じしん気づかない才能に目覚めているようだ。
 もうひとつ気づかないことがある。
それは、由加里をいじめるに当たって、照美以上の残酷さを発揮していることだった。
 あまりに沈思黙考しているために、携帯の呼び出し音にすら気づかない。
「おい、あゆみ、携帯鳴ってるって ――――」
あゆみに指摘されてはじめて気づいたはるかだった。不意をつかれた形になったが、青い液晶画面を見ると、ほくそ笑んだ。
 高島ミチル。
 その人名が意味することを思うと、新たなる計略が自身気づかない才能に火がつくのだった。
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テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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