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『新釈氷点2009 8』
 はたして、夜明けはまたやってきた。窓の外に顔を出しているのは、安価なインクでべた塗りしたような陳腐な太陽だ。
 なんと不快な朝か。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 ――――来てしまった。朝なんて二度と来て欲しかったのに!
 寝具の上で長崎城婦人は我が頭を摑んだ。しばらくその姿勢のまま、あまりに冷酷な朝日を恨むしかなかったが、隣に城主が寝息を立てているのに気づくと、急いで姿勢を元に戻した。
 「う・・・・、どうした、夏枝、日曜日だと言うのに、こんな早く?」
「いえ、嫌な夢を見たものですから」
 夏枝はかぶりを降って、夫の視線を巻こうとした。
 しかし、短く別れの言葉を残すと、建造はすぐにもといた夢の世界へと舞い戻ってしまった。
「そうか ―――」
「まるで、私のことなどもう興味がないみたいに・・・・・・・・・」

 城主婦人は忌々しそうに、寝具からあぶれた夫の頭を睨みつけると、水面から飛び出るカワセミのように起きあがった。
 だが、カワセミは獲物を口にしているものだが、彼女は果報を何ら手に入れることはできなかった。ただ、気だるい朝という海にまた舞い戻ったたけである。

――――――――――――――――――。

 それに追い打ちを掛けたのは、部屋の外から聞こえる非常に聞き慣れた声だった。ラメ入りのピンク色リボンのような声が響いてくる。
「まあ、お姉さまったら、あははっ、陽子も欲しいです!」
「陽子! 朝ご飯中に遊ばないの、食べさせてよ!」
 言うまでもなく、薫子と陽子の声だ。また年甲斐もなく姉妹でふざけあっている。

――――姉妹なものか!
 
 普段では考えられないほど慌てた動きで、キッチンまで走り寄ると、いちおう息を整えてから中に入った。
「何をやってるの?」
 自分では呼吸を整えたつもりだったのだが、思うとおりにはいかなかったようだ。自分では気づかなかったが、よほど怖い顔をしていたのか、陽子は、怪訝そうな顔を向けてくる。一方、薫子は、まったく感情を乱していない。その違いが二人の性格の差異を如実に表しているのだが、そんな風に理性的な観測をしていられるような状態ではなかった。
 辻口家のお姫様は、姉の頭にとりついたまま、時間を止められたかのように凍りついてしまった。
 「お母様・・・・・・」
 言いつけを守らなかった子犬のような顔を向けた。それに苛立った夏枝は、いつにない声を荒げた。
「何をやってるのって、訊いているんだけど、お母さまは」

―――私ったら、お母さまだなんて・・・・私はもうこの子の母親じゃないのに!
 
 メロンの編み目よりも複雑な表情を上品な顔に乗せて、夏枝は密かに苦笑した。だが、陽子の顔を見たとたんに、真顔に戻ってしまった。
「お母さま・・・・・ご、ごめんなさい」
「どうしたのよ、ママ?」
 やっと、母親の異変に反応する気になったのか、薫子は口を開いた。彼女はけっして無神経ではない。ただ。神経が強いだけだ。だから、すべてにおいて知悉していながら、無知蒙昧の仮面を被って、わざと静観していただけなのである。
「いや、なんでもないわ、ちょっと、苛立っただけ、あなたたちも、小さい子供じゃないんだから、こんなところで遊ばないのよ」
 ごくありがちな言葉を残して母親は去っていった。

 母親に残された三女は、このままだと卒倒しそうなまでに、顔が青ざめていた。そして、母親よりも、もっと陳腐な感想を洩らした。
「お母様、どうなさったのかしら?」
「陽子?」
 
「ほら、落ち着きなさい、さ、座って。姉さまのパンケーキ食べていいから」
「・・・・・・・・・・お姉さま」
 改めてじっと見ると妹の顔は、憎らしいほどに愛らしい。こんなに辻口陽子という少女は人を惹き付ける魅力に満ちた子供だったろうか。
 辻口家の長女は、有無を言わさずにマホガニーの椅子に座らせると、やや冷たくなったパンケーキを切り分ける。そして、皿に盛ると妹の目の前に置いた。しかしながら、その手つきはあまりに上品だったために、妹は気づかなかったくらいだ。
「お姉さま、陽子は、お母さまに嫌われてしまったのですか?」
「何をバカなことを、これからママに問いただしにいくから、安心なさい」

 かつて観た英国は、ロンドンの蝋人形のように妹はそこにある。何世紀も前の人物が生きているように再現されているのだが、今の陽子はまさにそれと酷似している。

 ――――誰にも冷たくされないってある意味不幸かもね。それも、ママにこんな風にされるなんて・・・・。

 薫子は、心底、妹のことを思っているはずだった。少なくとも、そう思っていたかった。しかし、塩を掛けられた菜っ葉に、そこはかとない優越感を覚えていたのもまた事実である。それは自分ですら気づかないうちに、この少女の精神に根っこを生やしている、あるいは、まだ繁殖こそ始めていないものの、確実にその勢力を拡大すべく他国の領土に野心を燃やしていたことは確かな事実である。
「わかったわね、さあ、食べていなさい」
「わかりました、お姉さま・・・・・・・」
 気が乗らない陽子だったが、ようやくナイフとフォークに手を伸ばした。それを確認した、薫子は、自分が頼りになる姉だと自己満足に浸りながら、キッチンを後にした。
さて、母親は何処にいるだろう。寝室か、それとも、庭だろうか。薔薇の手入れをしているということは十分にありうるが、まだこんなに早い時間から、それも朝食を取らずにそんなことをしているとは思えない。
辻口家の長女は、逡巡の末、寝室に急行した。

「あれ、パパ、ママは何処?」
「おはよう、薫子」
 どうやら、この才女の予測は完全に的を外したようだ。母親は庭にいるということだろうか。
「夏枝はもう起きたのか、早いな、休日なのに ――」
「パパったら呑気なんだから、あれ、ママ、何処か具合がわるいの?」
 薫子の視線はベッドの隅にある薬袋に向かっていた。
 「利尿剤さ」
「え?ママ、腎臓が悪いの?」
 「いや、薬剤師のヤツがまちがえたんだよ、風邪薬とね」
 投げやりな手つきで袋を出窓に向けて投げつけた。薫子は何の気もなしにそれを眺めると、やがて注意の焦点から消し去って言った。
「ママは庭ね」
「そう思うよ、パパは、昨日まで立て続けて手術が三日さ。もうすこし、寝かせておくれよ」
 相手が薫子だと何の緊張もなしに、自分を出すことが出来る。それが我が家において貴重な存在であり、神棚にでも飾っておきたくなる人材である。彼じしん、その理由がなへんにあるのか、その答えを知らなかった。いや、知ろうしなかったのかもしれない。それは自分が営む家庭の平和を根底から揺らす主因になりかねないと予感した可能性もある。
 ともかくも、ねぶた眼で長女を見送った建造は、再び、罪のない寝息を立て始めた。
 それを確認することなく、娘は庭に向かって歩み出した。
 
 母親、陽子、利尿剤、複数のキーワードを並べてみるが、たいした答えを期待できそうにない。だが、自分の名前をその中に入れなかったのはどういうわけだろう。それは彼女らしくないミスというべきだろうが、いかに賢い人間でも足下のことは見えないということが人間の世界にはよくあることだろう。

――――私は、なんだか、仲間はずれにされているみたい。

 薫子が考えたことは、非常に幼稚な感想だった。だが、それを表に出さないぐらいの知性と理性を兼ねそろえていた。
 心配なことはある。このまま母親の前に立って、彼女にぶつけない自身があるだろうか。それが問題だったが、会わないわけにはいかない。
 居間を抜けて大きな戸を開くと、広い庭に面する。辻口家の庭には薔薇園が存在する。夏枝が丹精を込めて育ててきたものだ。ちなみに、三つにわけられている。薫子はその理由をうすうす知っていた。それぞれ、自分たち、3人の娘を模したものであろう。
 だが、ルリ子のことがあるから、娘たちにそのことを告げていなかった。もちろん、それは薫子の予測だが、ある時に、「ルリ子ちゃん」と言いながら水をやっていることがあったか、ほぼ確かなことだと見なしていた。
庭に出た薫子は、母親を見つけるのに一秒も係らなかった。ちょうどルリ子と呼ばれた薔薇ともうひとつの薔薇のまん中に居た。
 
「ママ・・・・・・・・・」
 娘の呼びかけに、夏枝は背中で応じた。黒いカーディガンに覆われた背中はいつもよりも華奢に見える。
「一体、どうしたって言うのよ。陽子に当たっても何にもならないでしょう?」
「・・・・・・・・・・」
「?」
 改めてふり返った夏枝に辻口家の長女は言葉を失った。その憔悴ぶりは目に余るほどだったのである。眼は落ち込み、心なしか皺も深くなっている。20代後半に見えるとさえ言われた美貌は何処に言ったというのだろうか。
「ママ ――――」
 返事の代わりに返ってきたのは、園芸用の鋏だった。それはずっしりと重かった。薫子は無視されることを別に悲しいとは思わなかった。だた、現在、辻口家が置かれている状況がある困難に直面している。その思いを強くしたが、その正体についていくら考えてみてもその答えは容易に出そうにない。

 一方、寝所に戻った夏枝はある紙袋を睨んでいた。朝日はすでに昼にバトンを渡そうとしている。
 リニョウザイと片仮名にその文字を読んでいた。そうでもしないと、夏枝の心は彼女が袋を持ち、睨んでいることを認めないだろう。

――――私は、いったい、何を考えているのだろう。何をしようとしているのだろう。

 そんな物憂いを止めさせたのは、瓶が転がるような音だった。部屋の外から聞こえてきた音だったが、その主が誰のものなのか直感的にわかった。

―――――陽子!

「誰です?!そこにいるのは!!」
「ぁ・・・・」

 ドアを開けると、はたして、そこには辻口陽子が小さな口を限界まで開けて立っていた。その大きな双眸からは涙が光っていた。
「・・・・・・・・・・」
 彼女の足下には花瓶が転がっており、床に水玉ができていた。それは、陽子の涙のように思えた。
「あ、ご、ごめんなさい。お母さま・・・・・」
 急いで花瓶を持ち上げようとする陽子。そんな娘に声をかけた。
「あなたは何か用があったんじゃないの」
「え。だから、花瓶をお持ちしようと・・・・玄関に、綺麗なお花が咲いておりましたので・・・」
とても綺麗な声だった。小さいころから耳に親しんできたものだ。だが、それは夏枝にはない属性だった。
思えば、自分の声には子供のころからコンプレクスを感じて、友人に綺麗な声の子がいると意地悪をしたくなったものだ。
「そう、ありがとう、床は私が拭いておくから」

―――私?

 敏感な陽子はそれを感じ取った。自分にたいして、自分のことを「お母さまは」と呼ぶはずだ。それが「私」とは ――――。このとき、夏枝はほくそ笑んだ。陽子にそれを感じさせることを計算して言ったのである。しかし、同時に不快な感情だった。決して、それを後悔とは呼びたくない。しかし、それに近い感覚であることは確かである。
「・・・・・・・・」
 言葉を失った陽子は、今にも泣きそうな顔を晒している。

――――陽子!

 夏枝は彼女を抱き締めたい衝動にかられた。

――――自分はこの子を確かに愛しているのだ。

 圧倒的な濃い紫の感情に包まれながら、長崎城主の正室はそう思わざるを得なかった。だから、次の台詞が口から零れた。
「お母さまがちゃんとしておくから」
「で、でも、お母さま、具合が悪そうでしたから ・・・・・・」
「死んじゃうとでも思ったの?」
「そ、そんな・・・・・・」
 陽子は絶句せざるをえなかった。そんなことは、彼女の予定に全くなかったからだ。だから、母親が持っている袋に何が書かれているのか ―――そんなことにはまったく気づかずに、それが自分に対してもたらす重大性になど考えが及ぶはずがなかった。
 




 
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