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『由加里 102』
 藤崎さわと真野京子は、涙ぐみながらもにこやかに笑う由加里に違和感を覚えていた。罪悪感を引き起こすスパイスが、しこたまにかけられているためだ。自分たちが言っていることがすべて嘘だという事実、それが内心の葛藤を産み、自分たちを苛んでいる。彼女は、あきらかに自分たちを信用しはじめている。それが話し方からわかるのだ。
 しかし、病室で久しぶりに出会った時から、こんなに心を許していたわけではない。高い壁と警戒心がベッドの前に立ちはだかっていた。少しずつ話し込むことでここまでもってきたのだ。
二人は、泣きながら笑うという、実に不思議な感情表現をする同級生と相対しながら、複雑な心理状況に陥っていた。
 そこで二人は彼女について思い出せることをピックアップしようと思い立った。
 西宮由加里とは、どのような少女だったであろうか。
 中一の時から二人は同じクラスだったが、それほど親しかったという記憶はない。まず印象に残るのは、なんと言ってもその頭の良さだった。成績はクラスでも群を抜いていた。
 しかし、容姿は優れているが、照美ほどの際立った美人というわけでもないので、それほど印象に残っていなかった。彼女のように、一度であったら二度と忘れさせないような、鮮烈な記憶を相手の脳裏に焼き付かせる、といった属性はなかったように思われる。あるいは、努力して自らそのような性質を押し隠していたのかも知れない。

 今、彼女から感じるオーラーからは、ただ人からは発せられない何かを感じる。

 由加里との深い接点は、夏休みの林間学校にはじまる。同じ、バンガローに泊まることになったのである。夜通し話していたが、バツグンの成績を誇っている一方で気取らない性格が以外に思えたことを覚えている。大人しそうな外見からは、取っつきにくい印象を受けるものの、いちど話してしまえば親しく交わってもらえる。
 だが、ふとした拍子に、藤崎はある違和感を覚えた。
 確かに、誰からも好かれるし、ものごしが柔らかかに見える反面。誰が相手でもあるていどのところまでは侵入を許すが、最後の一線まではそうはさせない、そんなものがたさを見て取ったのである。
 当時、それは錯覚だと思っていた。いつも、由加里の周囲には友人がいっぱいいたし、本人も常に幸福そうに笑っていたからだ。
 しかし、それから進級して、別人のように豹変してしまった。恐らく外部の影響が大であろう。それとも内部的な些細な変化がいじめを呼び寄せたのだろうか。藤崎にはその判断を容易に下すことはできない。
 今、目の前で次から次へと言葉を繰り出してくる由加里と、教室でいじめられていた由加里は、本当に同一人物なのだろうか。あるいは、そうなる前にカラカラと笑っていた彼女は、本当に同じ人間であると強弁できるのだろうか。

 彼女の笑顔から本当の心情を読み取ることは、二人にできそうにない。いや、そうできない方がいいのかもしれない。もしも、ガラス戸を見通すように彼女の心が見えたら、このような計画に荷担することはできないだろう。 それは同時に身の危険を呼び寄せることになる。あのクラスで彼女に荷担することは、クラス中の敵意を自分の中に集中させることを意味する。それは避けたい。だからこそ、罪悪感が疼くにもかかわらず、頭を縦に振ったのだ。
 この饒舌さはかつての彼女とやはり違う。相当に無理をしている。自分に寄ってきた二人を逃すまいと必死に演技をしているのだ。
 そんな由加里を見ていると、自分たちがとんでもない犯罪に手を貸していることを思い知る。なんとなれば、二人は高田と金江からの依頼、というよりは命令によってここ来ているからだ。二人から渡された台本通りに事を進めるためにここに来ているのだ。
 しかし、この少女がここまで饒舌だとは、予想外だった。あきらかに台本を逸脱している。あきらかに作者の想定を超えてしまっている。生の人間が相手なのだから当たり前だが、どうしたものか・・・、加えて、おかしなことがある。台本の見事さである。とてもあの二人の知性から産み出されたものとは思えない。
 二人はプロの台本などは見たことがないが、それに匹敵する内容と重さを有しているのではないかと思わせるほどだ。
 だが、今はそんなことを考えている場合ではない。台本に沿わせるように話しをもっていくだけである。
 当然のことだが、これを書いたのは鋳崎はるかである。彼女は、自分と照美が表立って由加里いじめに参加していることを隠匿しようとしているのだ。
 彼女の努力もあって、一般のクラスメートは、似鳥ぴあのや原崎有紀という例外を除いて、いじめの首謀者は高田と金江である、ということで意見が一致している。いざとなったときに自分と親友に火の粉がかからないようにしている。そのことは、彼女の抜け目の無さを証明しているといえるだろう。

 さて、藤崎は由加里にある提案をしようとしていた。
「ねえ、西宮さん、明日、学校に行こうよ」
何故か、意外そうな顔をしなかった。
「それは、ゆららちゃんにも言われてるの・・・」
 視線を反らす知的な美少女は、突然に本題を出されて戸惑ったのか、饒舌さを何処かに忘れてきてしまったようだ。黙りこくってしまった由加里に、藤崎はさらに畳み掛ける。
「他の子たちも面会にきてたんでしょう?味方になってくれるよ」
「そうだよ、教室の空気もそんな感じだよ。みんな、西宮さんにすまないって思ってるんだよ」
 付かさず、真野が言葉を差しいれる。
「それは、私たちも同じなんだ・・・」
 その台詞は、台本の中でかなり重要な部類にカテゴライズされると思われた。じっさいに、由加里は涙目になっていまにも長い睫を濡らしそうだ。
「本当にごめんね、西宮さん・・」
 二人同時に、由加里に触れるように書いてあった。わざとらしくではなく、ごく自然にそうなったようにと但し書きがあったと思う。

 はたして、藤崎は彼女の背中に、そして、真野は、たまたま正面を向いていたので、両手に触れていた。身体に寄り添うには、彼女の視線が痛すぎる。だから、そういう方向性に流された。しかし、手も身体の一部ということなら、台本に反しているわけではなかろう。
「だって・・・」
 由加里は、視線を落として泣き声を上げ始めた。
「だって、あんなヒドイ目にあってるのに、誰も助けてくれなかった・・・・いや、みんなで私を責めて・・・うう」
「クラスのほとんどは、高田さんや金江さんが怖かったと思うな。私もそうだよ」
「あの人たち、何するかわからないから・・・・私も怖かった。従わないと殺されるような気がして・・・だからって、許されると思ってないよ、西宮さん」
 完全に力を落として項垂れた、由加里の肩に触れると振動が伝わってくる。人間とは、泣くとこんなに激しく揺れて熱を帯びるものだろうか?きっと、教室で行われたひどい体験が彼女の中で再生されているにちがいない。
 しかし、知的な美少女の脳裏に鮮やかに蘇っていたのは、照美たちによって行われた性的ないじめだった。辱められ、おもちゃにされた。
 何よりも辛かったのは、自分の意思とは正反対に、身体が勝手に反応し、自分が淫乱な女の子であることを強制的に自覚させられたことである。
 しかし、同時に輪沸き起こってきた感情は、金江や高田たちに感じた憎悪ではなくて、ただ、ただ、身体が震える恐怖であったのだ。

 少女は、小さい声だがきっぱりと言った。
「わ、私、やっぱり、もう二度とあの教室には行きたくない・・・」
 項垂れた、形の良い、卵形の顔から水晶の涙が零れた。
「でもさ・・・・・」
 異種のエネルギーを感じた由加里はそちらを見つめた。真野が確信に満ちた顔で口を開いていた。
「ここで逃げたらだめだよ。もしかして、高校に行ったらいじめられないという保証でもあるの?」
 自分で言っていて、なんというはずかしい台詞だと思った。まるで中学生日記ではないか。それともこれが演劇にすぎないことを知っているからこそ、そう思うのだろうか。思えば、プロの俳優とは何と難しい職業だろうか。 このばかばかしいという感情を乗り越えることが芝居の出発点なのだ。

 何としても、芝居の主人公を舞台の上まで押し上げなければならない。そのためにはなんでもするつもりだった。なんと言っても、これから、彼女たちがどのような中学校生活を送るのか、それは事の正否にかかっているのだ。
 煮え切らない由加里に痺れを切らしたのか、声を荒げたのは藤崎だった。
「西宮さん!何が不満なの?みんながこれほどまでにあなたのことを思っているのに!」
「さわ!」
 真野は居丈高になった友人を諫めると、腫れ物を扱うような顔で由加里に対した。涙ぐむ彼女の肩をその身体で包みながら偽りの優しさをふりかける。知的な美少女は、この時、それを見抜くことができなかった。いや、もしかしたら、洞察していたのかもしれないが、本人の希望がそれを曇らせた、ということも考えられる。人間は現実をそのまま受け入れるよりも、見たいものを見るのが常だから、である。

「わ、私ね・・・」
「うん、うん、どうしたの?聴かせて、西宮さん?」
 いかにも聴いてあげたいという表情を全面に出して真野は、由加里を籠絡しようとする。
「・・・どうして、私なんだろう?って思うの?」
「いじめられたのが?」
 真野の言葉に化学反応を起こしたかのように、激しく泣き伏せる由加里。それをイエスの意味に受け取った真野は、語りかけるように優しく諭す。
「言い方が悪いと思うけど、貧乏くじを引いたんじゃないの?西宮さんが特別にヘンなわけでも、人から嫌われるわけでもないと思うよ」
「うう・ウ・・・ウ、ホントに?」
どうやら、同級生の言葉は由加里の琴線に触れたようで、泣きやむと真野を見上げた。
「私もそう思うよ、言い方が悪かった」
 藤崎が添えるように言葉をかける。
 この二人、別に意図してこうなったわけではなかろうが、刑事が被疑者を取り調べる方法と寸分変わらぬ様式をなぞっていた。居丈高に責める刑事と、宥め役、この二人の役割を期せずして果たしていたのである。
 由加里は、時の河に小石を投げ入れるように言った。
「私、明日、行く」
 知的な美少女の視界の外で、二人はにやりとしたが、その反面、いやな罪悪感から逃れられない、自分たちの運命を知った。
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テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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