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『『兇状もちの少女、あるいは犬~保健所4』

 雄犬は、みずなを押しつぶすのに十分すぎる体重を持っていた。
 圧力以外のすべての感覚が恐怖のあまり麻痺している。ただ、何かが体内の中から流れ出ていく、そんな感覚は生きている。
 尿でもなければ、血液でもない、まったく別の液体が自分の中から逃げ去っていく。それは青井みずなという少女を構成するのに不可欠な構成要素であって、生気が搾り取られていくような圧力がひしひしと全体にのしかかってくる。子供の時にみた図鑑に青虫に卵を植え付ける小さな蜂が載っていたはずだ。蜂が作った巣に押し込められた青虫は、卵から孵った幼虫の餌となるのである。
 身体の感覚は麻痺しているはずなのに、他者に侵食されるイメージだけが頭の中で展開される。
 一匹の犬に伸し掛かろうとさせられているはずだが、複数の犬、いや、無数の何か得体のしれない生き物に蹂躙されているような気がした。
 もはや、心の中でさえ助けを求めることはできなくなっていた。このような状況で少女が自分に言い聞かせるのは、自分が単なる人殺しにすぎない、ということだった。だから、どんな目にあっても自業自得であって、しかもどれほど過酷な目にあったとしても生きている限り、諏訪良子への贖罪は完遂しない。
 下半身をはじめとして全身の感覚は精神的恐怖によって麻痺していたために、犬の性器が入ってくるどころか、触れたかどうかも覚えていない。
 その瞬間が来たか、あるいは、来ないか、ということは少女自身にとって重要な問題だと思うのだが、あいにくと深い霧の中に押し隠されている。
 ただ、そのかたちを想像しただけで少女はその気になってしまった。すなわち接触した感触を自分の想像力で捏造してしまったのである。
 その瞬間に頭の中が真っ白になった。同時に身体にも異状が起こった。
 突如として身体が軽くなった、まるで翼が背中に生えたような感覚に襲われたことは事実である。いきなり無重力になったと表現してもいい。あまりに突然のことなので、自分がどこにいるのかわからなくなってしまった。重荷が下された、ということはこれから死ぬのだろうか、もちろん、彼女がそう思った根拠は、死ななければ罪はなくならないと彼女は考えていることに由来する。
 背骨への圧力がなくなってはじめて、頭から首にかけて熱い液体で濡れていることに気づいた。
 惚けている少女の耳に、何処かで聞いた女性の声が響く。何を言っているのかわからないが、誰かを叱りつけていることは事実のようだ。
 誰の声だろう?
 こんなところまで堕ちた自分を援護してくれる。
 彼女からすれば、そのような人物はわずかである。家族と親友である眞子。いずれもこんなところにいようはずがない。
 おかしなことに、その声はカコを励ましている。とてもきれいな声だ。さきほどまで叱りつけていた口調や声量から、いままで自分を所有しようとしていた犬であるはずがない。そうだ、所有・・どうしてそんな言葉が浮かんできたのか、少女はわからなかったが、自分を押しつぶせるくらいに大きなものは、自分を所有しようとしていたのだ、自分のものとしたかったのだ。しかし、もの、ものってなんだろう?
 少女は自分をあくまでも誤魔化そうとした。初期とはいえ、思春期にさしかかっているみずなならば、その意味が曖昧ながら理解できないはずがない。
 オカサレタ?
 犬ニ?
 言葉というものが人間から失われることを、このときほど少女は思ったことがない。もしもそうなれば、今の今、彼女に起こったことを誰にも、いや、自分にすら、おそらく虎こちらの方がはるかに重要なのだ、説明できなくなってしまう。
 そして、誰も、少女が動物に犯されたなどと言いふらしもしないだろう。
 しかし人間から言葉は失われなかったし、彼女も失語症に罹患することはできなかった。しかも死ねなかった。人を殺すとはそれほど罪深いことなのだ。こんなになってまでも生きねばならない。さきほど殺処分された方がどれほど楽だったろうか?
 そうか、少女のかわりに殺されそうになった犬、あの人は、人と呼ぶのはなんだかおかしいが、この際しょうがない、別れ際に見せた何とも悲しい後姿が印象に残っているが、いったいどうなったのだろう?もしも、実行されていれば、その分の罪も彼女は背負うことになる。それがこの結果だろうか?
 もはや、彼女は死を願った。これほどの重荷を背負い続けることができるわけがない。底なし沼に沈んでしまいそうだ。誰か助けてほしい。自分をそのまま受け止めてほしい。
 気が付くと、誰かが自分を抱いていることに気づいた。
 自分の二倍くらい、あの雄犬よりもはるかに大きい物体に抱かれているのに、この不安定感はなんだろう?だが、そんな疑問も、その声がかつて自分を助けると約束した、あの声だと気づいて、少女は自分の心が満たされる思いをした。罪悪感はそのまま、自分は人殺しにすぎないという感覚は生きている限り消えようがないが、それに対する耐性がすこしはこの腕に抱かれているならば、自分が自分であることを保てような気がした。
 彼女は、たしかに言ったのだ。
「手続きが済んだら、私のうちに来るのよ」
 吐息が少女の心に染み入っていくのがわかる。ただし、なぜか、ここでも自分が完全に安定していない自分を見せつけられているような気がした。本当に彼女のところに行っていいのか、という思いには二種類の意味合いがある。
 ひとつは、殺人犯にすぎない自分が破格の待遇を受けていいものだろうか、という畏れ。もうひとつは、この女性に対する、完全には信用できない部分である。それは針の先ほどの小ささにすぎないが、聡明な彼女にとってみれば、上流にある小川も、下流にあっては大河となってはては海となるように、いずれは彼女にとって災厄となるのではないか、という恐れである。
 しかしそうなったらそうなったで、殺人犯ならば当然という一言によって片づけられてしまった。
 この人が新しいママになるのだと、少女は自分を納得させようとした、その時である。愛犬を撫でるような優しい言葉ともに、何かが彼女の性器を捉えたのである。彼女の指であることは同時に表情が対応して変化したことで一目瞭然だった。
 少女は思わず叫んだ。
「いや、そこ、汚いです!やめて!」
「どうして、いやなの?見せてごらんなさい」
 はじめて自分の意思が通じた。はずかしいことをさせられながらも、自分の言葉が人間に通じたことに、少女は奇跡に近い喜びを感じた。しかし彼女の行動は発言をまったく裏切るものだった。
 恥らっていやいやをする少女を無理やり床に押し付けて、なんとか、下半身を晒させようとする。これから信頼を与えようとする相手に、それを裏切られることをされるのは耐えられない。飢えている人間に、完璧なフードモデルを与えるようなものである。言葉が通じた喜びも、一瞬で消えようとしていた。
 しかし自分の局所を真剣なまなざしで見つめる目に、少女は消えかけた希望の灯が再び勢いを増すのを感じた。そのせいか、手袋をつけた手が性器に伸びていろいろと蠢くことで、性感を得ても、たしかに困惑はしたが、女性獣医の愛情故だと自分を納得させようとした。
 少女が知っている限り、人間は愛犬や愛猫の性器を、自分の愛情を示すためにいじったりはしない。もしかしたら、最初から病気を調べるために医師として触れたのかもしれない。そう思うと疑った自分が情けなくなる一方で、信頼がなおさら増えていく。
「なんでもないじゃない、陰核も小陰脚もきれいなピンク色よ」
 しかしそんなことをこまごまと言われたのでは、思春期の少女として恥ずかしくてたまらない。いかに診断のためとはいえ、である。
 だが、それならどうして彼女の手は少女の性器から離れないのだろうか?それどころかさらに奥に侵入してくる。少女自身ですらそんな奥に指を入れたことはない。
「ァアグウ・・いやぁぁ・・」
 必死に抵抗を企図する少女だが、気が付くと彼女を支配しているのは、あくまでも女性獣医の指だけであって、抵抗する、しない、逃亡する、しないは、すべて選択肢として与えられている。
 しかし今のような恥ずかしい状態でいたいのは、みずな自身の意向によるものであって、女性獣医はあくまでも支えているにすぎないのだ。よく自分を観察してみると、彼女の指に刺戟してほしいあまりに自ら動いていることがわかった。
 否定できない事実が彼女の目の前に提示された。しかしながら、諏訪良子たちのようにそれを嘲ったりしない。女性は、あくまでも優しい笑顔を浮かべている。少女は、涙は流せないから内側に溜め込んで、思わずある単語を発していた、顔が燃えてしまいそうな羞恥心を必死に我慢しながら・・・・。
「せ、せ、せんせいぃ・・」
それは少女による、女性への最初の愛情表現だった。
「え?この子、今、何を言ったのかしら?私のことを先生って呼んだ?まさか、犬がそんなことを言うわけはないし・・・きっと、疲れているのね、獣医としてあるまじきことをしてしまったし・・」
 少女は天にも昇りたい気持ちになった。彼女の発言からすれば、もしかしたら、少女の言葉が通じたのかもしれないという一縷の思いが自分のなかに生じた。
 自分は犬じゃない、人間なのだ。
 そういう思いがまだ生き残っている。局所から這い上がってくる、背筋が寒くなるような快感に恐れおののきながらもなんとか少女は中学生の、普通の女の子としてのアイデンティティを保持していた。
 しかしそれは女性の、簡単な行動によって早くも危うくなった。少女の性器から指を外したのである。
「今度は背中を診てあげるわ、引っかかれて怪我なんかしていないかしら」
 無意識のうちに思ってしまった。もっとやってほしい、奥まで弄ってほしい。
 それはしかし、すぐに理性が蘇って否定した。おそらくは何かも失って打ち捨てられた悲しみとさびしさが自分にそのようなものを求めさせたのだと、文学的な思考をしてみたものの、理性で理性を打ち消すことほど虚しいこともない。
 みずなは、背中を女性獣医に撫でられながら、絶望の螺旋階段を永遠に落ちていくイメージに自我を侵食されていった。

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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