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『由加里3』

 西宮由加里という少女の中で、どれほど精神的なフラストレーションがあろうとも、新学期は粛々と進んでいく。それは、ある一個人が筆舌に尽くしがたいほど、不幸であっても、カレンダーはめくられるのと同じだ。あなたが大学受験に落ちた日であっても、カレンダーはめくられたであろう。
さて、新学期も5日を過ぎた。由加里は、みんなが仲よくなっていく中でひとり孤立を強いられていた。
それでは、幼なじみである工藤香奈見はどうしたのか?彼女は違うクラスに所属してしまったのだろうか?

  いや、違う、同じクラスである。そのことを知った由加里は、ひどく喜んだ、いや、喜んだというよりは、安心したと言ったほうが適当であろう。ひときわ人見知りをしない彼女について行けば、みんなと上手くやっていけるだろう。
もっとも、始業式に行った彼女の行動からすれば、彼女を「人見知りをする女の子」とは言い切れないかもしれない。しかし、あの時は、窮鼠、猫を噛むというが、まさに鼠の心持ちだったのである。それほど、海崎照美という少女に恐怖を感じたのである。

 ただし、このとき、照美がいじめを画策していたというのは嘘である。そして、クラスメートたちも同じだ。みんな、自分のことだけで精一杯だったのである。新しい生活、新しい人間関係、それを構築するのに、弱者を助ける余裕はなかった。誰も彼女をいじめようとしていたわけではないのである。もしも、後日、常人の想像を超える由加里への「いじめ」の映像を見せたら、誰しも、彼女に同情し、自己嫌悪に至っていたにちがいない。それは、照美に至っても同じことだろう。いくらネット社会に汚染されているとはいえ、ごくふつうの中学生の子供たちにすぎないのだ。
 
 「ねえ、ねえ、わ、わたしも一緒にお昼してもいい?」
 その日、由加里は乏しい勇気を絞った。
由加里は、しかし、本人すら気づいていなかったが、重症の淋しがり屋だった。家庭においても、学校においても、それまでがあまりに幸せすぎたために、それに気づかなかっただけである。「本当に大切なものは失ってはじめてわかる」とはこのことだろう。

 この五日間、由加里はひとりで弁当を広げていた。香奈見は、もしかしたら、彼女だけは意識的に由加里を避けていたのかもしれない。由加里の必死のアピールをお無視しつづけてきた。だから、思い切って、他のグループに声をかけてみたのである。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
 少女たちは、お互いを見合った。そして、由加里を見る。相当におどおどしている。このとき、少女たちは無意識のうちにおもしろがっていることに気づかなかった。だから、次ぎのようなひどい言葉が言えたのである。
「西宮さんだったわよねえ」
「ゆか、由加里って呼んで」
由加里はけなげにも必死に自分をアピールした。しかし・・・・・・・・・。
「ねえ、西宮さん?何か特別なことがあったの?」
「え?」

 一瞬、少女はその意味を理解できなかった。
---――もしかしたら、はじめてのことだからカナ。だったら、はじめてカモ。彼女はそう安易に考えてしまった。
「と、特別なこと?」
「そう?だったら、地震か火事でも起きたのかな」
「え?」
「それとも津波?」
「おい、翔子ちゃん、ここ何処だと思っているのよ、ここまでくる津波だったら相当だな」
 
  由加里はクラスメートたちが何を言っているのか理解できなかった。いや、理性においては理解していたのである。ただし、感情においてはそうではなかった。
「・・・・・・」
「ねえ、聞いているのよ、何かあったノ?」「ううん?ただ、い、一緒に、お弁当、た、食べようって」
 由加里は頭を振る。しかし、残された勇気を絞りきって最後まで言い切った。
「よかった、翔子、はやく食べようよ、もう十分も経っちゃった」
「そうだね、有紀ったらオナカ空いちゃった」
 少女たちは、由加里を無視して箸を動かしはじめる。
「ねえねえ、多賀のことどう思う?」
「アイツ、暴力教師よね、ただの」
「ぁ・・・・・・・」
 由加里はただ、立ち尽くしていた。端正な顔が震えていた。それを隠そうとして、さらに震えた。これまで、こんな目にあったことはなかった。誰もが、由加里を「友達」と呼びたがった。家庭においても、三人姉妹の真ん中という位置ながら、上には可愛がられ、下からは慕われた。大抵の次女や次男は複雑な位置に甘んじているのにもかかわらずである。両親から、当然のように愛された。
 
  冷たくされることに免疫が無い由加里は、ただ、呆然とするしかなかったのだ。しかし、涙を人に見せるのは耐えられなかった。
「・・・あ、ご、ごめんなさい」
どうして、謝らなくてならないのか、理解できなかったが、区切りという意味でそう言った。そして、脱兎のごとく廊下へと逃げ出した。廊下に右足が達するときには、涙が床に零れた。
「何か特別なことがあったの?」
その言葉は残酷にも、少女の頭の中でハウリングすると、拡大再生産されていった。それはあふれるばかりの涙を作る。
それから、学校での居場所が完全に無くなって、トイレの個室が昼食のばしょになるのは、そんなに未来のことでは、ない。
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テーマ:萌え - ジャンル:アダルト

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