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『由加里4』
『由加里4』
 新学期も五月を迎え、新緑が唄う声が教室にまで、聞こえてきそうな空気になった。しかし、由加里には、初夏はおろか春さえ来ない。完全にひとりにされてしまった。それだけでなく、陰湿な陰口が、彼女にわざと聞こえるようになされはじめたのである。それをいじめだと由加里は信じなかった。いや、思いたくなかった。

いま、由加里のクラスは英語の授業の最中だが、それは、中止されている。なぜならば、一人の生徒が宿題をやってこなかったからだ。それは、すべての教師に受けがいいはずの由加里だった。
彼女は、授業中に一人で立たされている。しかし、教師は、それほど怒ってはいない。
「どうした?西宮が忘れたのか?」
「す、すいません」
由加里は、腰を30度に曲げて、教師に謝った。多賀春昭は、すこぶる生徒たちに評判が悪い。平気で生徒を怒鳴るからである。時には今時、生徒を殴るという話しも聞く。ついこの前も、ある女子生徒が宿題を忘れて怒鳴られた。しかも、それだけでなく口汚い言葉で罵るのである。それはとても、教師が口にする言葉とは思えない代物だった。生徒は当然、涙を流したが、この40がらみの教師はいっさい意に介さなかった。

 当然、このときも由加里は怒鳴られるものとみんな思っていた。いや、それを愉しみにしていた。あの由加里が公然と辱められるのである。それを喜ばないクラスメートは、たぶん、もういない。
「仕方ないな、気を付けろよ」
「・・・・・はい」
由加里は、消え入りそうな声で答えた。そうとう恐縮しているらしく、声はほとんど教室に響かなかった。しかし、悪意のクラスメートたちは、それをそのまま受け取らなかった。ただ、いい気になっていると受け取ったのだ。
「何よ、あれ!ひどいと思わない?」
かつて、多賀に怒鳴られた生徒が言った。隣の友人にひそひそ話をしただけだ。とうてい、表だって、自分の意思を表明する勇気なぞいるわけはない。

「あの顔、自分がエライって思ってるよ、あの顔、むかつくよね」
「ちょっと、あとでシメない?前から、ずっと許せないんだよね」
そのような陰口は、由加里にわざと聞こえるように為されている。その一言、一言にビクビクと身を震わせるのだった。
「おい、そこ何を話している?!なんだオマエ。この前宿題を忘れた高田だな」
「ヒ!」
多賀のめざとい目は、自分の授業における無駄口を許しはしなかった。
「おい!オマエ!」
「ヒ!」

 今度は陰口をたたいたほうが怯える番だった。由加里は、そちらの方を伺う勇気すらなく、ただ、震えていた。はやく授業がおわって、学校が終わればいい。そうすれば、安心な家に帰ることができる。

「何してんだよ!オレの授業中にどういうつもりだ!」
「ヒ!ィ!」
持っていた教科書を、おもいっきり、高田の机に投げつけたのである。神聖なる教科書をこのような扱いをするだけで、教師の資格は、たぶん、ない。このとき、高田の敵は、多賀ひとりにすぎなかったが、由加里に取ってみれば、クラスメート全員がすべて敵なのである。その報復を想像してみるといい。
 
 少女はできることなら、このまま立ち上がって家に帰ってしまいたくなった。宿題を忘れたことは、彼女の責任だったが、それを責められなかった責任はないし、高田が無駄口を叩いた責任は、なおさら、ない。しかし、その全ての席を授業の後に受けようとしているのだ。怯えない方がおかしい。
 
 もしかしたら、暴力を受けるかもしれない。まだ、表だって殴られたことは、なかったが、それが現実になる日は近いと思われた。それほど、クラスメートの彼女に対する悪意は広がっているのだ。
逃げ出したい思いを必死に押さえるしかなかった。

 このとき、由加里を憎んでいるはずの海崎照美はいっさい、いじめに参加していない。陰口も叩かないし、持ち物を隠したりしたこともない。それは、鋳崎はるかにとって疑問だったが、少し考えてみれば当然のことだった。自分の親友がそんなチンケなことをするはずはなかった。
(杞憂にすぎなかったか)
はるかは、親友の端正な横顔を見た。彼女同様、教室で起こっていることにいっさい関知していない。
その時乾いた音がした。
ビシ!
「あ!」
その後、鳥が啼くような声がした。教室は、完全なる沈黙に支配された。それは、由加里にとってみれば、とうてい耐えられない沈黙である。
その後、残されたものは女子生徒の、ただならぬ泣き声とクラスメートが、彼女を庇う声、声。それに、悠然と教卓に戻った加賀である。
起立と礼が済んで、加賀が、何事もなかったかのように、教室を後にした後のことだ。


その後は、由加里が肩すかしするほど、何も起こらなかった。もっとも、誰も彼女に声をかけるものはなかったが、その日は、無事に帰宅することができたのである。
 
 その後、起こるべくして起こった地獄は、このとき彼女の想像外にあった。
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