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『マザーエルザの物語・終章 4』

 榊あおいは、車上の人になっている。当たり前のことだが、運転しているのは、少女ではなく彼女の母親である。榊久子、年齢的には、30才を幾つか超えるほどだが、まだ20代前半と言っても通用する肌と目の光りを保っている。
 サングラスで両目を隠してはいても、その美貌は、おおよそ見当が付く。そして、その表情をも見当がつく、いや、ついてしまう。尖った鼻先は、彼女の苛つきを暗示しているようだ。
 
「何なの?!あちらで1日過ごしただけで、お嬢さんになったものね」
 久子は、バックミラーで背後の席を、ちらちら見ながら、棘のある言葉を吐き出す。
「そんな ――――ママ!」
「ママ!?」
 彼女の声が、さらに鋭利さを増す。
「・・・・お、奥様・・・・・ウウ・・ウウ・!」
言い直したあおいは、辛気くさく泣き始めた。
「もう、許して!お願いだから・・・・・・こんなことヤメテ、お遊びでしょう?!」
「何を許すのか、わからないわ。それにそんな言い方を許した憶えはないわよ」

 とうてい、娘と母の会話に聞こえない。もしかしたら、実の母娘ではないのだろうか。
「・・・・・・・・」
「いつまで、そんなお嬢さんみたいな恰好をしているつもり?早く着替えなさい。そこに服がおいてあるでしょう!あなたにはそれがふさわしいのよ」
「そ、そんな、ここで?」
「誰も、あんたの裸なんか見たくないわよ、そんな服はあなたにふさわしくないの!いい加減自覚なさい」
「・・・ハイ」
 あおいは、シャックリを上げながら、服を脱ぎはじめた。そして、後部座席においてある黒い服に袖を通す。それは一見、喪服のように見えた。だれか不幸があったのだろうか。  
 それにしては、おかしい。何故ならば、久子は、そんな衣装を身につけているわけではないからだ。黒いシックなスーツは死臭を思わせるが、大粒の宝石をあしらったアクセサリー群は、明らかにそれを打ち消している。

「いいわよ、それがあなたにはふさわしいわ。使用人さん」
「・・・・ウウ、ひどい」
 あおいは、『使用人』という言葉にひどく反応するようだ。細い首をビクつかせて、かすかに、震える。それはチック病のようだ。
 少女の両の目から、大粒の涙がこぼれる。あおいが着ている服は、いわゆるメイド服である。今まで、着ていた服。高そうなブランド物とは比べるべくもない。

「・・・・ウウ、もう許して・・・・・」
 両手で顔を覆って泣き続けるあおい。しかし、母親である久子は、かすかな微笑
さえ浮かべて運転を続ける。
「あら、お行儀よく、シートベルトしているのね、別にしなくてもいいのだけど」
「・・・・・・・・?!」
 あおいは、母の言っている意味がよく理解できずに、目をぱちぱちとさせた。黒目がちな瞳には、まだ瑠璃のような涙が光っている。
「知ってる?シートベルトを付けないと、死亡率が何倍にも跳ね上がるのよ」
「ママ・・・!」
「ママじゃないって言ってるでしょう!!」
 久子は、人がいないのを確認して、急ブレーキをわざとかけた。同時にスピンをかける。そのために、あおいの身体に余計な重力がかかる。

「ウグ・・・!!」
 それは母の意思だと、はっきりわかった。
「言い直しなさい!」
「お、奥様・・・・・・・」
「今度、言い間違えたら、最高速度のまま、高速道路に放り出すわよ。あなたがいたずらしたって言えば、警察は納得してくれるわよ」
 ドライアイスよりも冷たい言葉が、平気で投げつけられる。

 あおいは、信じられないという顔をした。それは自分の感覚すべてに渡っている。五感のすべてである、手の感覚、足の感覚、すべてである。今、あおいは、ぬめっとした皮のシートに触れている。足下には当然の車の床があるわけだ。

  しかし、それが信じられない。実感がない。

 まるで、宇宙に放り投げられて、命綱のないままに、虚空を果てしなく泳いでいるようだ。
 母親の心ない言葉の一葉、一葉は、それぞれ薔薇のように刺を持っている。
 少女の心に否応無しに、母親の言葉は突き刺さってくる。それはまさに、ナイフ、凶器だった。これでもかと、あおいを傷付ける言葉が降ってくる。その言葉のひとつ、ひとつをとっても、とうてい、親が実の娘に、投げかけるような言葉ではない。

  高速を降りたところで、久子は言い放った。あおいは、料金所のおじさんとたまたま目があって、笑い合っているときだった。
「あなたの言い分は聞いてあげたんだから、約束は守ってもらうわよ、何だったけ」
「一晩、ご、ごは、え、エサ抜きです・・・・・」
「それだけじゃないわよ、一晩中、寝ないで働いてもらうからね。覚悟なさい」
「ハイ・・・・」
 おじさんの優しい笑顔と、母親の冷たい言葉の落差が、あおいを尚更深く、奈落の底に落としていた。

 今、車は長いトンネルに入った。少女の暗い表情が、さらに闇を増す。それは偶然だったのだろうか。少女の今と未来を暗示しているのではなかったか。かつて巨大な山をくり抜いて、造ったことが想像される。
 トンネルの出口は、何処まで行っても見えない。それが少女の未来そのものなのだろうか。オレンジ色の憂鬱なキラメキは、決して、少女の足下を明るくはしない。それでも、トンネルは出口を迎える。しかし、それはあくまで既成のトンネルだからだ。
 決して、少女の未来ではない。陽光が復権し、黒い豊かな髪を奇麗な亜麻色に変えても、少女は表情を元に戻さなかった。いや、出来なかったにちがいない。むしろ、光が豊富になっただけ、そのどす黒い表情を白日の元に晒すだけだった。

 小一時間ほど、走ると車は止まった。
「ほら、何ぼさっとしているの!?使用人の分際で寝るなんてどういうつもり!?」
「ひぃ!ご、ごめんなさい」
「ごめんなさいませでしょう?」
 車から引きずり出されると、あおいは、耳を引っ張られて、引きずられた。
激痛とともに、起こされた少女は、我が家の前にいた。帰りたいが、決して帰りたくない場所だった。 できることなら夢の中にいたかった。

 車から、邸宅が見えてくる。それは、赤木家に負けない規模と偉容を誇る。夕日に、映えている様子は、まるでオーストラリアの岩山のようだ。それはとても懐かしい風景だった。しかし、あおいは夢の中にいた。だから、本当の意味において、過去に安住していた。

「帰ってきたの、ママ。あーれ?何寝ているの?コレ!」
「有希江姉サ・・・・・・ひ!ご、ごめんなさい!ごめんなさいませ」
 あおいは、みなまで言う前に、足を踏みつけられた。その犯人の名前は、榊有希江、すなわち、榊家の次女である、高校一年生、16才になったばかりだ。黒目がちな瞳と、笑うとえくぼができる頬などを見れば、二人が姉妹であることは、一目瞭然だ。
「ママ、コレの躾がなっていないみたいね」
「こんな子の相手をするなら、勉強にもっと身を入れなさい」
 久子は苦笑するが、その表情は、有希江に対する顔と180度違う。娘に対する愛情に満ちている。あおいには、その落差がたまらなく辛い。

「じゃ、ママは仕事があるから」
 そう言って、コツコツとハイヒールを鳴り響かせて、家に入った。ヒラメ筋がひきしまっているのが、黒いタイツの上からも見て取れた。

 有希江は、それを確認すると、泣きじゃくる妹を睨んだ。
「ヒイ!」
 それだけでダンゴムシのように小さくなってしまう。
「あんたに重要な仕事があるのよ」
 有希江は、あおいの耳を引っ張ると、無理矢理立たせる。まだ泣き続けている。
 久子が家に入ると、有希江は、あおいの目の前にあるものをぶらぶらさせた。
「・・・・・・・?!」
 1円玉が一枚、有希江の手のひらに乗っていた。
「これが一枚、庭に落ちているわ、拾ってきてね」
「まさか、こんな広い庭に?そんなの無理よ!ひいい!無理です!?」
あおいは、泣いて抗議した。
「何だって?」
「わ、わかりました・・・・・」
「まだ、自分の身分がわかっていないみたいねえ?!何よ、その目!」

 あおいは、姉を見上げた。その目からは、信じられないほどの憎しみが見て取れた。
「探すの?探さないの?」
「探します・・・ア?」
「そんなに抗議した罰よ、ただ、探したんじゃ、あんたのためにならないわ」
「いやあ!!!」
 有希江は、妹の右手首と右足首とを縄跳びの縄で縛り上げる。左手首と足首も同様だ。ビニールの紐は、よく人の肌にフィットする。夏は、なおさらだ。何故ならば、汗と皮脂腺の働きが盛んなためだ。
 少女の初々しい汗と脂がビニールの石油臭と合わさったとき、化学変化を起こす。その時、非常に芳しい匂いが発生するのだ。それは少女の背負うランドセルに似ている。
 それが、どれほどある種の男にとって魅力的なのか、有希江には理解できなかった。

「姉ちゃん、有希江姉ちゃん!もう、やめて!やめて、私はあおいよ!どうして、こんな非道いことするの?!」
それは、さしずめビックバーンだった。
「さっさと探しなさい!戯言を言っていないで、あなたみたいなのから、姉よばわりされる言われはないわ、言ってみなさい、私を、正しい言い方で!」
「ひぎぃいぐ!ゆ、有希江、お、お嬢さま・・うぐう!!ウウウ!!」
「よく言えたわ、ほら、さっさとそのみっともない恰好で、探すのよ」

 有希江は笑いながら、家の中へ戻っていった。コンクリートを叩く、靴音は、少女の頭を直撃した。脳の中に、鉄棒を打ち込まれて、金槌で叩きつけられているような気がする。
 不自然な姿勢で、庭を歩きまわる。ただ歩くだけでなしに、1円玉という限りなく小さなものを求めて、さまよい歩く。それはもしかしたら、埋められているかもしれない。どうやって、不自由な体で掘り出すのだろう。額が熱い。気が付いたら、自分の涙だった。泣くことで、額が濡れるなんていうことあるのか。

―――――こんなことは、啓子ちゃんは経験できないよね、いや、しちゃいけないよ!
 大切な親友を思い浮かべて、さらに泣いた。しかし、それは彼女に対する無限の愛だけではなかった。今、彼女は何をしているのだろう。たぶん、夕食を待っているのだろうな、自分を愛してくれる姉妹と楽しく過ごしているのだろうな。そんなこと思うと、自分が卑しい嫉妬にまみれていることに、気づいて、さらに額を濡らすのだった。
 気が付くと、お尻が冷たいことに気づいた。雨だ。

―――お願い、有希江姉ちゃん、助けて、ママ、助けて、千香姉ちゃん、茉莉!ウウウウ!
 あおいは、不自然な姿勢のまま、慟哭した。少女の尻を濡らした水滴が、胸を濡らし、頭を濡らす。その犯人が、雨なのか、涙なのか、汗なのか、おしっこなのか、わからない。

―――――――え?おしっこ?いや、いや、いや!いや!!
 あおいは、必死にその小さな肢体を揺らした。尿意から逃げるためである。しかし、そうすれば、そうするほど、膀胱を刺激する。

―――いやあ!トイレ!トイレ!トイレ!ェエエエ!!
 心の中で叫びながら、あるものを思い浮かべた。言うまでもなく。便器だ。TOTOの文字が印字されているアレだ。あの白い陶器の塊が、これほど愛おしいと思ったことはない。この世で、もっとも尊い存在のように思えた。

「あはははは!有希江姉ちゃんたら」
 その時、聞こえてきたのは茉莉の笑い声だった。よく通る声だ、こんな遠くまで聞こえてくる。ちなみに、茉莉は、榊家の末っ子、すなわち、あおいの妹だ。

――――そろそろ、夕ご飯なのかな?お腹空いたな。もう、わたしには関係ないけど。
「千香姉ちゃん、何時帰ってくるのかな、でもあたしたち、兄妹が多い方だよね、三人姉妹なんてそういないよ」
――――茉莉!私だって、この家の娘なのよ!あ!いやああああああ!!あああ!!
 あおいは、妹の暴言に気を取られたのか、石に躓いてしまった。当然、膀胱の筋肉が緩んだ。それは、必然的にある結末を導き出す。
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テーマ:萌え - ジャンル:アダルト

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