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『由加里 41』
 その夜、金属に何か硬いものを打ち付ける音が、幾つも虚空に響いた。それは、一様に赤で着色されていたという。
 由加里は、螺旋階段を走った。ひたすらに、夜の虚空を回転して、落ちて行く。この時、どうして、エレベーターを使うことを思いつかなかったのだろうか。冴子をまくためか。いや、姉が追いかけてくることなど、思いもよらなかったはずだ。

―――嫌われちゃった!冴子姉さんにまで、もう終わりだ!何もかも終わっちゃったんだ。
 それなら、何故、非常の螺旋階段に躍り出たところで、真っ逆さまに、ダイブ!ということを考えなかったのだろうか。何故ならば高級マンションよろしく、自殺防止用の鉄格子が嵌っていたからだ。
さしずめ、由加里は決められたレールの上を通っていく他ない。その鉄格子は、少女にとって、煉獄のような学校に等しかった。そこから逃げることは許されない。ただ、前進するのみ。例え。進む道に、凶悪な猛獣がうなり声をあげていようが、害虫が何匹も這っていようが、背後に戻ることは許されない。
 
 そう、死ぬことすら許されない。

 「由加里!何処にいるの!?由加里ぃ!!」
 その時、我に帰っていた冴子は、既に階下にいた。あの高速エレベーターに乗っていたのだ。長い髪を振り乱して、妹を捜している。すでに、彼女の中では、残像にすぎなくなった。可愛い妹は、男に、それも姉の許婚者に乱暴され、くちゃくちゃになっていた。その上、尊敬する姉に、不貞を疑われ、絶縁状を叩きつけられた。何て可哀想な妹だろう。

 しかし、次ぎの瞬間には、妹を疑っていた。もしかしたら、本当に淳一を誘ったのかもしれない。あの二人がいちゃいちゃしている映像が浮かんできた。

――――あの時も二人はあんなだった。私の知らないところで、出来ていたんだ。私は二重に裏切られたのよ、あんな子、妹じゃない!死んじゃえばいいんだ。
 改めて、怒りがむらむらと蘇ってきた。この暑いのに、まるで、汗を掻くために外に出たようで、さすがにばかばかしくなってきた。
 冴子は、踵を返すとエントランスに戻った。

―――もう、死のう!本当に一人になっちゃった。何処の誰が私を呪ったのかわからない。もう、私は生きている意味がない、生きていても、誰もまともに相手にしてくれない。それなら死んでしまったほうがいい!
 由加里は、無意識の海に溺れそうな状況で、夜の街を走った。ネオンサインが、眼球の中を乱反射する。

―――あれって。LEDとかって言うんだっけ。たしか青いのを発明した人が何億ももらったんだよね。
 こんな時まで、心の片隅は冷静だ。少女は、それを呪った。完全に、自暴自棄に成りたかった。そうすれば、どんなこともできるではないか。自殺、薬物、援助交際。

――――こんな私でも、外見にはある程度、自信がある、当時は気持ち悪いと思っただけだったけど、街でおじさんに声をかけられたことがある。ちゃんとネクタイとスーツをちゃんと纏ったサラリーマンだった。
 もうどうもいい。どうせなら、サイアクの相手に処女を捧げようか。あそこに屯しているホームレスのおじさんなんてどうだろう。いや、どうせなら、あそこのおじさんがいい。  
 あの人は、外見は立派なものだが、おそらく内面は最低の人間だ。あの人、職業は、エ精神科医だと思う。そんな顔してるもん。もちろん、うちのパパみたいに、開業医をやってる。だから家程度に、お金はあるだろう。
 その上、独身だ。私を連れ込んで、監禁するのにもってこいじゃない。
私は彼の為すがままに、性のおもちゃにされる。おまけに、逃げられないように、強い向精神薬を打たれちゃう。そうして、精神的にも肉体的にもボロボロになって、ある日、生ごみみたいに捨てられちゃうんだ。
 死体になった私をママは見て、一言。
「死んでよかったわ、いやもともと生まなきゃよかった」

―――――いや!そんなのいや!いや!ママぁあああああああああ!!

 由加里は、自分の紡ぎ出した妄想に、反応していた。自家撞着だ。もう救いがない。
彼女の妄想が典拠としたのは、成人マンガや小説等にちがいない。照美やはるかは、それらを少女に押しつけたのだ。恩着せがましく行ったものだ。

「西宮さんが、是非とも貸してほしいっていうから、貸すんだからね」
 もちろん、その経緯は、日記に書かされた。今でも残っている。たぶん、はるかが持っているにちがいない。ことあるごとに、脅迫の道具として使ってくるのだ。」
 多量の成人マンガや小説の類。イラストに書かれた男女の秘部に触れることすら、憚られた。その時、感電するほどの衝撃を受けた。思わず、床に落としてしまったほどだ。
「何やっているのよ!人の物を!」
 由加里は、もちろん殴られた。
 
 それが、今や、平気で通読できるほどになってしまった。もはや、恥ずかしいという気持は何処かに行ってしまっている。

――――海崎さん、鋳崎さん、あの時の由加里を帰してよ!それに、私、あの人たちにさえ見捨てられたんだ。相手にされない!
 由加里の悲しみは果てを知らないようだ。しかし、今、少女をいちばん、打ちのめしているのは、冴子の一言だ。

 『賞味期限』

 それは、姉が言った言葉の中で、もっとも、由加里を傷付けたことばである。心に突き刺さって離れないのには、理由がある。その言い方は、かなりのところ、的を射ているからだ。

――――こんなに人がいっぱいいるのに、どうして、誰も私を相手にしてくれないの?助けてくれないの!?
 由加里は人、人の間を縫って、ひたすら、走った。冷たいネオンサインが貫く都会を、くぐり抜けた。大人たちの支配する街。そこは、タバコや香水のきつい臭いに、鼻を刺激され、恥ずかしいピンクチラシに、目を潰される場所。

 ――――何か、催し物があったのかしら?それとも事故だとか?
 駅前に大量の人間がひしめき合っている。「押すな!」「押すな!」と若い男女が罵りあっている。群衆の中には、コスプレに身をやつしている連中がいる。いわゆるゴスロリというヤツだ。ロックバンドのコンサートでもあったのだろうか。外見だけ、メンバーを真似て、少しでも近づこうという腹だろうか。
 
「・・・・・・アッシュール・ハンニバル・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

―――え?ミチルちゃん。
 由加里は、懐かしい声を聞いた。その声は、かつて、少女の不幸を自分のことのように、泣いてくれた、怒ってくれた。同情で無しに、まさに感情を共有してくれたのだ。
それは流れ弾のように、少女にぶち当たった。アシュールハンニバルとは、ヴィジュアル系ロックバンドの名称である。実は、ミチルと貴子が好きなバンドなのである。

―――――もしかしたら、来ているかもしれない。でも、もう当てにできない。
 少女の中に、一条の光が射したが、次の瞬間、闇に消えてしまった。いや、自分で消してしまったのかもしれない。

 「ミチルちゃん、貴子ちゃん・・・・・・・」
 一条の光が消えるとたんに、現れたのは、二人だった。彼女らはゴスロリに身を窶してなどいなかった。ワンピースにスカートと言った中学生らしい服装は、しかし、かえって周囲から浮き出て見えた。しかし、それは由加里の主観かもしれない。
「あーら、一人が好きな西宮先輩、こんなところどうなさったのですか?」
 ミチルは嘲笑するような顔で、由加里を睨んだ。しかし、その顔が引きつっているのが、暗がりでも解る。
「ミチルちゃん・・・・・・」
 少女は、既に泣き出していた、言いたいことはいくらでもあるのに、いや、言いたいことはただ一つなのに、その一言が出てこない。
「お一人で、こんなところをご散歩ですが?お似合いですね」
「やめて!お願いだから!」
「・・・・・・・・・・・」
 由加里の様子が、ただならないことは、わかりきっていた。しかし、彼女のことは、誰よりもわかっているつもりだった。ぎりぎりまで、人を惹き付けておいて、最後に拒否するのだ。それが彼女のやり方なのだ。

――――ここで、乗ってはいけない。裏切られるのはわかっている。
「ミチルちゃん、お願い、助けて、誰からも嫌われちゃった―――――――――」

―――当たり前でしょう?!そんなことわかりきったことじゃないですか?
 そのような言葉を呑んだ。ぶつけてやりたくて、たまらない言葉だったが、あえて、飲みくだした。
それには、それだけの理由があったのである。由加里の目、両の目は、すべてを語っていた。ミチルは、自分が目の前の人間の、生殺与奪のすべてを握っているのだと知った。

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