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『由加里 54』
  その花は、赤いスイトピー。アイドル全盛時代に、かつて、そのような歌を歌った歌手がいたはずだ。しかし、その歌手の名前が思い出せない。何というアイドルが歌っていたのだろう。
  由加里は、この花を見せられたとき、一抹の不安がよぎるのを感じた。
花びらをじっと見てみる。いったい、何に似ているだろうか。
赤い血の塊が浮遊している。
 まるでその外観は赤血球そっくりだ。それも、重症の貧血患者のそれのように、いびつな姿は、由加里そのものを暗示しているようだ。
 中学二年生。
 普通の女の子なら、一番幸せな時のはずだ。たくさんの友人とともに、青春を謳歌しているはずである。にこやかに笑うその口は、いつでも外界に開かれ、吐く息からは、鈴のように可愛らしい鳥の声が聞こえ、少女たちが、通う道端には、春でなくても桜が咲くものだ。

 しかし、由加里は、クラス中の鼻つまみ者になって、いじめられている。吐く息すら、みんなに白い目で見られて、罵られる原因となる。ひどいときには、情け容赦ない暴力の標的となる。
 彼女がいくところ、トイレから休憩室まで、みんなの軽蔑と憎しみの視線が待ち受けている。
  少女は、この学校であたかも犯罪者のような扱いを受けているのだ。
 彼女がいくところ、いばらのあだ花しか咲かない。
 由加里は、考えに考えた挙げ句、その理由を外にではなく、内に求めた。
 いじめっ子たちと一緒になって、自分自身を責めることにしたのだ。そこに悲しい心の平和を求めた。

 由加里は、人間として一番大切なものが欠如している。それはかつて、体育教師に指摘されたことだ。教師は、由加里が嫌われる原因が本人にあると言ったのだ。
 きまじめな由加里は、それを真に受けたわけではないが、正しいと感じた。
 自分はいじめられて当然なんだ。みんなが正しい。自分はこんなにみっともないのに、このクラスにいさせてもらえるだけ、恵まれているのだ。みんなに感謝しなければならない。
 謝罪しなければならない。

 しかし、由加里がそうしなれば、ならない相手は、クラスメートだけではなかった。
いじめられているという事実。
 その境遇は、彼女の家族の表情を曇らせている。自分は、家族を楽しませなければならないのに、それができない。かつては、由加里がいるだけで、楽しく笑っていた。しかし、今は、腫れ物を扱うように扱う。家の中は、すべてのものが、まるで霞みがかかったように、ぼやけて見える。
 
 その理由は、自分が欠陥商品だからだ。
 由加里は、いつしか自分を責め始めていた。この花はいやでも、自分の身の上を彷彿とさせる。

 もうひとつ、付け加えると、スイトピーという花は本来、6月が旬だ。夏休み目前というこの時に、咲いている花ではない。
 季節はずれとも言える、スイトピーの開花は、由加里にとってどういう意味があるのだろうか。
今、由加里は、その花が揺れているのを見ていた。いや、揺れているのは、少女の心の方だったのかもしれない。その赤い花に、アクセサリーのように、填められた水晶。それは水滴だった。

 きっと、ゆららが水をかけたのだろう。しかしながら、その意図はよくわからない。はたして、由加里のことを思ってやっているのか、何らかの理由があって、由加里の歓心を買おうとでもいうのだろうか。それなら、背後に高田と金江のどす黒いものを感じずにはいられない。
 そもそも、生かされることがいいとは限らない。
 世間には、生かして殺すという言葉があったはずだ。
 何も生かしておくことが、彼女にとって幸せとは限らないということだ。
 ゆららは、自分の味方か、否か?
 
  由加里は、幼児のようにだらしなく、口を開けて、込み上げてくる官能をひっしに、耐えている。可南子が、動かす指は、由加里を耐えず責め続けるのだ。
  その様子から、少女に理性的な思考を要求するのは無理というものだろう。
 そんなものは、度重なるいじめによって、失われてしまったのだ。赤い花の、奥深く隠れている花弁には、高い知性が隠されているにもかかわらず、その思考能力は、著しく限定されている。

「西宮さん、この花の名前、知ってる?」
「な、何だっけ?」
  由加里は震える声で、答えた。少女の華奢な肢体は、まだ可南子の膝に乗せられている。いわば、その生殺与奪を握られていると言っていい。
「私んち、花屋だから、花の名前だけには詳しいんだ。他には何にもできないけどね」
 ゆららは、自嘲ぎみに笑っている。
由加里は、そんなゆららを見ていると、ひどく気の毒になってくる。いつしか、股間を執拗に襲ううずきに、耐えながらも、ゆららを気遣っていた。

―――自分のことをそんな言い方でしか、表現できないなんて・・・・・・・。
 自分の躰に、刻まれた無数の傷を忘れて、ゆららをおもっているのだ。彼女のそういう側面を偽善と取る人は多い。高田などはその典型だろう。きっと、彼女の無意識レベルの何かを刺激するにちがいない。

「あら、何? もっと拭いて欲しいの?」
「そんな・・・・」
 ゆららがいるせいか、その日は、責めを途中でやめていった。いつもなら、性器の襞の隅々まで、拭ったあげく、その濡れた指を、自分の鼻に近づけてて臭いを嗅いでみせる。そのくらいのことは、普通にしていく。
 今回は、それが叶わなかったので、嫌みの一つでも残していたい気持になったのだろう。

「ねえ、あの看護婦さん、似鳥さんのお母さんでしょう? 何か普通じゃないよね」
「うん ・・・・・」
 ゆららも、直感的に見抜いていたのだろう。母娘だから当然かもしれないが、かなんと可南子はよく似ている。ジャガイモを思わせる容姿は、もちろんのこと、その内部から漂う生理を思わせるイメージは、そっくりである。レズ行為を趣味とする女性は、何処か似通っているのだろうか? 母娘としての遺伝なのか、由加里は判別できなかった。
 他にレズ趣味を持った女性を知らないのだから、比較できようはずがない。

 この会話が、由加里のわだかまりを多少なりとも、解消したことは事実である。彼女は、自分の性器が潤んでいるのも忘れて、ゆららに近づこうとした。それは自ずから、彼女が求めたものであり、当然のことだった。
 一方、ゆららにしてみれば、期せずして、クモの糸に獲物が掛かったと思ったことだろう。高田や金江に脅迫されて、命令に従ったものの、心の何処かでは、自分の恥辱を分かってくれた由加里に、同情しはじめていたである。それは、芝居が真実になった瞬間だった。

 しかし、それを表に出すわけにはいかない。それは自然と自滅を意味するのである。それは譲れないことだった。もしも、そこまで見透かして、ゆららに白羽の矢を立てたのなら、高田の悪魔ぶりも度を超したといえるが、それは事実ではないだろう。高田がそれほどの知性が持ち合わせているとは思えないのである。

「鈴木さん、ありがとう ・・・・」
 由加里は、まるで死線をくぐり抜けた傷兵のように、うなだれた。二人は、ことばを互いに、そうめんを細い箸ですくうように、拾い上げようとする。何とか、共通点はないだろうか? 共感できる言葉はないだろうかと。その手繰り合いが、何かを生み出すのかもしれない。
「西宮さん ・・・・・・」
「・・・・・・・・」
 由加里は、ゆららの顔があまりに眩しくて視線を反らした。久しく、そのような視線をもらった記憶がない。とてつもなく懐かしいけれど、今、自分がもらう資格があるようには思えない。自分は、淫乱で、変質者で、人間として一番大切な部分が欠落している。だから、クラスの誰にも好かれるわけはないし、顧みられることもない。良いところ、唾を吐いてもらえるだけ、感謝しないといけない。
クラスメートに言われたことが、脳裏に映る。
「わ、私、悪いけど、す、鈴木さんが信じられない! だって、私みたいなのを相手にする人がいるとは思えないもん ―――――」
 由加里は、両手で顔を覆うと、泣き声を立て始めた。それは、とてつもなく控えめで、自己主張が少ないように思えた。

――――ここだ、ここだよ、ここで言いなさい。
 今度、聞こえてきたのは、照美の声だった。彼女の美貌が、備えつけのテレビに映っていた。
ゆららは決心した。
「西宮さん、私のこと、ゆららって呼んで、私は西宮さんのこと、由加里ちゃんって呼んでいいかな?」
 由加里が気が付くと、彼女の両手を握りしめて、顔を見上げる炎が見えた。それはとても小さく、控え目だったが、確かな温度は、由加里の凍り付いた心を、融かしはじめていた。

―――鈴木さん!
 由加里の小さな口が、かすかに動いたために、ゆららにはそう見えた。
「だめ、ゆららって呼んで」
 その積極的な態度は、本来の彼女を知っている人間とすれば、想像できない姿だろう。
「ゆららちゃん!」
「由加里ちゃん」
 由加里は、後ろめたくて、握られている手が燃えそう思えた。それほどに、ゆららの手が熱いのだ。

「わ、私、すず・・・・ゆ、ゆららちゃんを友だちって呼んでいいの?」
 その語尾は、消え入りそうなほど微弱だった。しかし、ゆららはそれをしっかり受け止めていた ―――いや、いてくれていると、由加里は思いたかった。だから期待を込めて、甘えてみた。まるで往来の乞食が、貴族の従者に、コインの一枚でもねだるように。

「ウウ・・ウ・・ウ・ウ・ウウウ・・うう!」
 由加里は、ゆららに抱きしめながら、泣いた。その悲しみは、ただ一点に凝縮されているだけに、強力であり、受け止めるには相当の揚力を必要とした。ゆららは、自分の躰が破裂しそうな痛みに襲われた。それは、由加里がどんな目にあってきたのか、その目で、躰で知っているからだろう。ゆららは、教室外での出来事も知っている。テニス部で、衆人環視のまま、恥ずかしい恰好で、テニスを強制されていた。

 ちなみに、その日、由加里をいじめる役を担っていたのは、一年生だった。
 6人対1人というむちゃくちゃな条件で、打ち合いの練習に引きだされていた。情け容赦なく、打ち込まれるテニスボール。6人がほぼ同時にサービスを打つのだ。由加里の華奢な身体は、またたくまに、めった打ちに合っていた。
 しかも、由加里が着せられているテニスウェアは、とても中学生が着るようなサイズではなかった。臍は丸出し。下着が丸見えというハレンチな姿で、衆人環視のまま、ぶざまな曲芸を晒していたのである。ゆららは、クラスメートたちと一緒に、それを見ていた。彼女たちの手前、表向きは笑っていたが、心の中はまさに悲惨の一言だった。

―――心を鬼にしないと!
 しかし、ゆららは密かに決心していた。自分のこころが、情に流されないようにと、必死に歯を食いしばっていた。少しでも油断したならば、舵を持って行かれそうになる。ゆららが戦っていたのは、峻厳な岩をも削る急流だった。水しぶきは、宙を舞い、波打ち際をはるかに超える霧を生み出す。
 空は真っ黒で、豪雨が降り注いでくる。その上、風も激しい。一瞬でも、力を抜いたら、全身がばらばらになってしまいそうだ。
 一方、由加里は、完全にゆららを信じ始めていた。その背後に高田と照美がいて、蜘蛛の巣を用意しているとは、露ほどにも知らず、友情が育ちはじめていると、勝手に思っていた。

―――――だめ! 信じちゃだめ! いつも簡単に信じて、裏切られてきたんだもん。
このとき、由加里はミチルと貴子を思い出していた。何故、こんなときに、二人の顔が浮かんでくるのかわからなかった。二人に裏切られたことはない。いつも倒れそうな由加里を必死に支えてくれていた。
 裏切ったとすれば、由加里のほうだ。我慢できずに自殺しようとしてしまった。あの時のミチルのあきれ顔はけっして、忘れられない。忘れないはずだったのに、由加里は、また同じことをしてしまった。
 あの事件いらい、二人とは、まだ連絡を取っていない。その結果がもたらす恐ろしさに、耳を塞いでいるのだ。また裏切ってしまったという意識が拭えない。次ぎはもうないのではないか。由加里は、ゆららに抱かれながら、無数の流れを感じていた。まさに、疑心暗鬼という言葉が脳裏に刻み込まれている。それを見ろと、無意識が命令するのだ。
この時、由加里は過去に彷徨っていた。

 テニスコート。由加里がかつて、あこがれ、失望し、絶望し、幾多の血を流した因縁の地である。
「西宮さん、今日は久しぶりに練習させてもらえるわよ」
意味ありげに、高田が笑う。
「荒木さん、伊藤さん、用意して、いやだろうけど、これの相手してやってよ。これも、一応、うちの部員だからさ」
 金江が続いた。彼女の言葉には、あきらかに毒がついて回る。
「はい、高田先輩、西宮先輩、よろしくね」
 荒木と伊藤をはじめとする一年生は、うなだれる由加里の顔を伺う。その視線は、由加里を観察するようであり、値踏みするようにも見えた。自分をせせら笑うその表情に、由加里は怯えた。

「はい・・・・ありがとうございます」
 まるで蚊の鳴くような声が、由加里から聞こえる。それは彼女の口から聞こえるのではなく、あたかも、彼女の胎内に音声機械が組み込まれていて、それが作動しているようだった。

 高田は、テニスコートの一方に、由加里を立たせると、もう一方に、荒木や伊藤をはじめとする1年生を6人配置した。そして、高田の合図で、一斉に、由加里目掛けて、サービスが打たれはじめた。後輩の手から、ボールが投げられ、落ちてくる。それ目掛けて、腕を上げるあのポーズは、由加里にとってどのように見えただろうか。その中には、由加里が懇切丁寧に、教えた子もいた。

「ありがとうございます!、西宮先輩!」
 1年生らしい、初々しい声は、いまでも由加里の耳に木霊している。それほど運動神経がよくないために、なかなか試合には出してもらえなかった。しかし、そのテニスに対する真摯な態度は、自然に、彼女に基本的な技術の習熟をもたらした。
 その姿は、先輩たちも、顧問の教師も、認めていて、由加里の指導は、一定の評価を得ていた。もちろん、1年生はみんな由加里を慕っていた。
そのために、由加里はたとえ、試合には出して貰えなくても、腐ったりはしなかった。
上には愛され、下からは慕われる。まさに理想的な部活ライフを過ごしていたのである、それが。

 由加里に、6人は次々とサービスをぶつけてくる。まるで銃弾のようだ。あの場所はさながら、少女にとって戦場だった。しかも、四面楚歌の、味方が誰もいない死線である。いや、一方的な虐殺とさえ言えるかもしれない。この場合は、命の危険はないかもしれないが、いじめという心が殺されるまさに、ジェノサイドだ。
 その一球、一球は、由加里の身体を切り裂き、心を血まみれのザクロにしてしまう。当然、一球とて、返せるわけはない。すると、情け容赦ない罵詈雑言が投げつけられる。
「西宮さん、何しているのよ! あんたなんかを相手にしてもらっているのよ! 何よ、その態度は!?」
 手持ちのボールがすべて無くなるまで、この行為は続く。しかも、このいじめの目的は、由加里を肉体的に痛め付けるだけではない。
 テニス部の練習に、部外者が見物しにくるようになったのは、ごく、最近のことである。

「あははは! あいつ露出狂かよ! よくもあんな恥ずかしい恰好で、部活が出来るよな」
「いやだわ! 知ってる? あの人、2年3組の変態って有名らしいよ、裸で夜の街を彷徨っているって」
「え?嘘! あははは、でも、あの変態ぶりならありえそうね、見てよ、あの恰好!」
「いやあああ!!」
 部外者の、それも男子にまで、恥ずかしいところを見られてしまう。
 由加里は、下着丸見えの下半身を手で隠そうとする。しかし、動きが止まったところで、サービスが集中することになった。そのとき、6個のボールが一斉に、由加里に当たった。
「ムギ!」
 まるで小動物の断末魔に似ていた。それは人間の声のように聞こえなかった。

 由加里は、テニスコートに転がっていた。まるでボロぞうきんのように、全身に穴が穿たれていた。
由加里は、倒れる寸前、ある少女の笑顔が視界に入るのを見た。それは鈴木ゆららだった。
 
 二人が思い出していたのは、奇しくも同じ体験だったのである。
 
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