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『マザーエルザの物語・終章 9』
  あおいは祈るような気持で、鉄格子の向こうにある満月を見つめていた。しかし、そうは言っても、別に、少女は牢獄に閉じこめられているわけではない。これまで使っている部屋を追い出されるということはなかった。
 しかし、少女を取り巻く空気は、悪化の一途を辿っている。薄めた毒ガスを絶え間なく、注入されるような状況は、じきに彼女を追いつめていった。当然のことながら、それは、精神状態にも影響を与えていた。
 彼女の部屋は、ヨーロッパ風建築によくあるような、鋼鉄の格子が入っているのだ。
 混乱し、停滞した精神は、見慣れているはずの部屋を、牢獄にしてしまったのだ。

  しかし、部屋の様子は、いままでとだいぶ違う。まだ午後9時を少しだけ回っただけだというのに、真っ暗なのだ。停電したとでもいうのだろうか。
  だが、この息苦しい雰囲気は、なんだろう。 
 8畳ほどの部屋に、所狭しと、巨大な荷物が鼻歌を歌っている。それほど低くはない天井に、達するほどの大荷物も存在する。その中で、あおいは、放心したように、鉄格子の間から満月を眺めている。その目はうつろで、はたして、満月の明るさを感じているのか、疑わしい。
 両手は、まるでマリオネットのように、垂れている。一生分に働くべき労力をたった数時間で、使ってしまったかのように、うなだれている。
 
 少女をここまで疲弊させたという。殺人的な労働とは、いったい、どのようなものだったのだろうか。
 
 これらは、その日の内に、運び込まれたのである。いや、正しくは、あおいが自身で運んだのだ。もっと正確を期せば、その小さな躯で、自分の背丈よりもはるかに大きく重い荷物を、運ぶことを強要されたのである。
  全身の筋肉が悲鳴を上げている。もう、限界だ。もう動けないと、泣き声を上げている。まだ小学生なのに、老人のように節々が痛い。祖父や祖母がそのように嘆いていたのだが、こういうことかと、ヘンな納得のさせられ方をした。

 有希江は、手助けしてやろうと食指を動かしたが、久子によって阻まれた。甘やかすなというである。彼女によれば、今まで、さんざん甘やかしてきた。そのために増長し、わがままになってしまった。そのあおいにお灸を据えようというのである。
「これは、あおいちゃんのためなのよ ―――」
 それは、久子が強調したことだった。家族はみんな、彼女の言うことに納得している。しかし、ことに、茉莉は進んで、母親の考えに賛同している。どうしてなのか、あんなにおとなしく、自分から何かを主張するということがなかった。そんな茉莉の変容は、有希江には訝しいことだった。
 徳子と久子は、彫像のように立ち尽くしているだけだ。
「なにも、ここまですることないじゃない! これって虐待よ!」

 今まで、セーブしていた感情を、露出してみせた。
「有希江、あなた、茉莉がどれほど傷ついていると思っているの?」
 徳子が逆に抗議する。有希江の抗議は、まったく意に介されない。
「あおいが、茉莉に何かしたの?」
 有希江は、テーブルの上を拭きながら、言った。ここは、ダイニング。今、夕食が終わったところである。しかし、メインディッシュが盛られていた皿は、四枚しかなかった。現在、榊家の家族は五人構成にもかかわらず、その数である。

 しかも、普段なら汚れているはずの席は、キレイなままだった。ご飯粒、ひとつ残っていなかった。あおいは、年甲斐もなく、食べ物を零すので、久子や徳子に叱られ、有希江には嫌みを言われていたものだ。
 しかし、外では誰よりも上品に、マナーを守って見せるので、その内弁慶ぶりに、家族は開いた口がふさがらないのだった。
 こと、あおいのことになると、興味深いエピソードに事欠かない家族である。笑い話とともに、いつも思いだしていたものだが、今回は違う。

 そもそも、みんなあおいには甘かった。これは確かなことである。しかし、このような挙に出るほど、ひどかったわけではない。あるいは陰険な非行を働くわけでもない。
 だから、みんな、あおいを笑って許していたのである。
 それは彼女の性格ゆえだった。みんな罪のない、彼女の笑顔が大好きだったはずである。裏表のない性格は、家族のみならず、誰にも好かれている ――――はずであった。今、茉莉がそれを否定するというのである。

 有希江はその理由は訊くことにした。この際、それをあきらかにしない限り、何も始まらない。
「言ってみなさいよ、茉莉、いったい、何があったのよ!?」
「ちょっと、有希江、この子は被害者なのよ!」
 徳子が激しくテーブルを叩きつけた。銀食器がぐらぐらと、悲鳴をあげる。それと呼応するように、ドアがノックされた。その音は弱々しく、まるで空気を摑むような仕草である。
「誰かしら?」
 久子が冷たく言い放つ。おそらく相手が誰かわかっているのだ。有希江が知っている限り、誰構わず冷たい態度を取る人間ではない。
「あおいです ・・・・・・・・」

 震える声が、ドアの向こうから聞こえる。一枚の板を隔てても、彼女の顔が恐怖のあまり引きつっているのがわかる。
 たった一枚の板で、彼女と家族は引き裂かれてしまったのだろうか。有希江は思った。
 もっとも、彼女こそ、それを実感していることだろう。しかし、何があっても解決しなければという意気込みがないのは、どういうわけだろう。
 壁に掛けられている絵画は、東郷青児という戦後まもなく活躍した画家の作品である。
 一見して、マネキンを思わせる人物群が、絵の中を占める。とてつもなくシュールな画風。彼女らの視線を追っても、何処を、そして、何を見ているのかわからない、さながら、今の久子を彷彿とさせる。いや、ここにいる四人を象徴しているのかもしれない。

「どうして、こんなに遅れるの!?」
「・・・・・・・・に、荷物を・・・・・・」
「いい訳しない」
 バシッッ!!
  空気を切り裂くような音がした。有希江が絵画とにらめっこしていう間に、事態は進行しているようだ。なんと、久子が平手打ちを喰わせたのだ。あおいは、凍り付いて佇立している。
しかし、理性を完全に失ったあおいは、こんな状況になってもその言葉を発した。
「ママ?!」
  その一言は、久子を完全に、怒りのために凍り付かせた。
あおいは、ほとんど、母親に暴力をふるわれたことがない。だから、その思考は停止してしまったにちがいない。未体験の出来事に、人は、ただ直立するしかないだろう。

 あおいは、頬を震える手で、触りながら、母親を見上げている。彼女は、この世でもっとも信頼しているはずの人間である。しかし、今、あおいにしてみれば、まさに悪鬼にしか見えないにちがいない。
「いやあ! ママ! 許してぇええ!!」
  久子は、あおいの髪を鷲摑みにすると、その力をもって、床に這わせた。そして、娘の背中に馬乗りになって、その頭を何度も平手打ちしはじめた。唖然となる有希江。恐る恐る茉莉と徳子に視線を移す。

  何と、二人はマネキン人形のように、無表情のまま立ち尽くしている。この二人は、10何年も家族と呼んできたひとたちなのだろうか。そして、あおいを叩きのめしている鬼母は、本当に、自分の母親なのだろうか。

  有希江は、あたかも白昼夢を見ているような錯覚に陥った。
  ひとしきり殴りつけた久子は、次ぎのように短く命じて、ダイニングを去っていった。
「この後始末をお願いね、お手伝いさん」
  あおいの黄色い泣き声が、部屋中が響いていた。しかし、茉莉は傷口に塩を塗るような行動に出ていた。

「あおいさん、ごはん、まだなんでしょう? 有希江姉さんたら、お腹すいてなかったみたいで、こんなに残しちゃったんだよ、あなたにエサをあげる ―――」
 そう言うと、茉莉は薄笑いを浮かべながら、その皿を手摑みにした。いたのである。あたかも、UFOのように、弧を描いて飛ぶ料理。そして、恭しい手つきで、それを泣きじゃくるあおいの目の前に置いたのである。
 コト。
 皿が床に置かれる音。それは、やけに嘘らしく聞こえた。あたかも、ドラマの演出のように、作り物めいていた。
 あおいは、涙で濡れる顔を、妹に向けることでしか、答えることはできない。声は一切でない。泣き声すら立てることができなかった。声帯はその機能を忘れ、喉は単なる筒と化した。
「?」

  あおいは、まるで赤子のような声を出すと、ただ、意識を茉莉に向けた。おびただしく流れる涙を拭くことも忘れて、妹に意識を集中させようと努力をする。もしかしたら、涙が流れていることにも、気づいていないのかもしれない。
 ただ、目の前に起こっていること、自分の身にふりかかっていることが信じられないのだろう。有希江は、ただ大道芸人が突如として出現したときのように、意識を中空へと放散させた。そうすることで、意識が集中しすぎて、過熱することを避けているのである。

「どう? 感謝しなさいよ、あなたみたいなドロボウネコには、もったいないくらいのごちそうよ」
 恩着せがましく、茉莉は、あおいにそれをたべるように促す。
しかも、それはあおいが小さいころから好きだった料理だった。ハンガリアチキン。有希江の脳裏に残っているのは、まさ5歳当時の、あおいが、ナイフとフォークを握っている場面である。当然のように、彼女はそれをどのように使うのか、よくわかっていない。ただ、振り上げて怪獣遊びをするだけだ。

「ほら、ほら、あおいちゃん、それは遊び道具じゃないのよ」
 それは、この世のものとは思えない優しい声だった。聖母マリアのようだという形容が、これほど相応しい場面は、これまでもこれからも、ないだろうと思われる。
  久子は、あおいの両手に触れると、チキンを切り分けて見せたのである。
「ナイフとフォークはこう使うのよ、言ってご覧なさい、これとこれは何ていうの?」
「ないふとふぉーく!」
「はーい、よくできました。ほら、お口を開けて ―――」
「ああー、おいしいぃ!」
  久子の手を介して、チキンが、あおいの口に入ると、彼女は歓声を上げた。
「ほら、お食事中は騒いじゃだめでしょう、ほら、お姉ちゃんたちは、ちゃんと食べているでしょう」
「 ふふ――――」
「――――」

  当時、自分がどんな目つきを妹に向けたのか、よく憶えていないが、徳子が見せた笑顔は、とてもすてきな表情だった。決して、自分には見せたことのないほどの笑顔がこぼれていた。有希江は自分だけが、家族から取り残されたような気がした。
  今、目の前では、あおいがそのような境遇を辿っている。いや、それどころではない。まさに家族からつまはじきにされてしまったほどだ。そして、家政婦として、家に残ることを許されたことを感謝しろと強要されているほどなのだ。

 あおいは、犬のように、よつんばいにされていた。そして、頭を摑まれると、無理矢理に有希江の残飯に、顔を突っ込まされている。

「ほら、食べなさいよ、あおい姉 ―――いや、あんたの大好物でしょう?!」
「ひぎぃ・・・・ウウ!!」
 家政婦と言うべきところを『あおい姉さん』と言い間違えたことは、有希江の涙を誘った。それはあおいもそうだったかもしれない。もっとも、自分にふりかかっている陵辱行為のために、そんなことに耳を傾ける余裕はなかったかもしれない。

「ほら!」
「ウグググギエ!」
 茉莉は、間違った自分に対する、気持を整理するためか、余計に乱暴になる。それは折檻と言うほかに表現方法が見付からないほど、ひどいものになった。
 一体、自分たちの家族に何が起こったのだろう。起こっているのだろう。有希江は、何か見えない風圧を受けて、後ずさった。このとき、何かしら手を出していたら、事態はあれほど深刻にならずにすんだろうか。

 その答えは、誰も知らない。榊家の家族の誰も答えられないだろう。明かに見えない力に突き動かされていたのである。
  有希江が、手をこまねいている先で、事態は、さらに悪化の途をたどっていた。
  あおいは、泣き叫びながらも、元ハンガリアキチンだったものを銜えている。茉莉から受ける折檻に耐えかねて、従ったのであろう。
 
 おそらくは、有希江の唾液が残っていると思われる。他人の唾液には味があるんだろうか? たしか、哺乳動物の唾というものは、それを分泌した本人以外にとって、みれば毒にしかならないという。すると、接吻というのは、毒の交換を意味するのだろうか。

 あおいにとってみれば、その残骸は、かつて好物だったものを彷彿とさせる。それは、単に、物質的な意味だけに限ったことではあるまい。楽しかった家族との記憶をも、蘇らせていることだろう。
 きっと、その記憶と、現在、彼女が置かれている境遇を比較しているにちがいない。
  有希江は、それを思うと、胸が痛んだ。

「あははは、お前はまるで犬ね、家政婦じゃなくて、いっそのこと飼い犬になってみる? そうしたら働かなくてもいいわよ、その代わりに学校もいけないし、一日中裸でいてもららわないとね」
 徳子が、酷薄に言い放つ。
 あおいは、もうハンガリアチキンの味を忘れてしまったらしい。「ただ、塩の味しかわからなかった」と後から述懐している。
――――私も、この空気になるしかないのかしら。
 有希江は、いつしかそう思うようになっていた。
誰の戯れか、ここに掛けられた東郷青児は、不気味に笑っていた。
「私の姿は、未来の、いや、すぐ先の現実そのものだよ」
絵画が、そのように笑っている。
 有希江は、とてつもなく高価な、その絵を破ってしまいたい衝動に駆られた。





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