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『マザーエルザの物語・終章 10』
「ウウ・ウ・・ウ・ウウ・・・・うう!」
  あおいは、涙の粒が食器の上に、落ちるのを幾つも確認した。しかし、もうどうしようもない。彼等は、何かしら少女に訴えかけているのだが、その真意を知ることはできない。いや、探ろうとする。
今、自分の脳はどのようになっているだろう。身を裂かれそうな悲しみのなかで、ふと、あおいはそう想像してみた。
   CT―スキャンしたら、きっと、アルツハイマー患者よろしく、空の脳が見えることだろう。いつか、家族で見たドキュメンタリー番組で仕入れた知識だ。勉強はそれほど好きでないし、積極的に取り組むことはないが、憶えはいい。
  いや、本人の自覚はないが、大人たちはそう言って誉めてくれる。いや、それは過去形だろう。いや、高得点の答案を見せても、「ずるしたんでしょう?」と言われかねない。そんな経験など、全くないのに、どうしてこんな想像が浮かんでくるのだろう。いや。想像しなければならないのだろう。

「うう・う・う・う・・ううう!」
 裾で涙を拭う。
「あおいちゃんは、頭がいいのね、勉強しなくても良い点がとれるんだから、でももう少し努力してほしいな ―――」
 いたずらっぽく笑った母親は、年齢よりも若く見えた。お姉さんのような母親。あおいは、大好きだった。いや、今でもその気持は焦ることはない。かえって、失ったいまこそ、その愛情を余計に感じる。どれだけ、母親に愛されたことがよくわかる。

―――ちがう! 今でもママに嫌われてなんかない!!

  自分の内面に存在する、何者かに、牙をむいた。
しかしながら、実在しない猛獣を怒鳴りつけても、誰も誉めてくれないだろう。今まで、たいした努力をしなくてもチヤホヤされた“あおいちゃん”はもう何処にもいないのだ。

「そんなところで、拭いたら、せっかくのいっちょうらが台無しよ、ほらおいで、拭いてあげるから。あおいちゃん! 笑って! 折角の可愛い顔が台無しよ!」
  久子は、そう言って涙で濡れた頬を脱ぐってくれた。その手は、お日様と同じように温かかった。大好きだった。いや、今でも大好きだ。そして、家族は彼女のいちばん、大切なもののはずだった。
  しかし、今は ――――――――。
  彼女の涙を拭ってくれるママはもういない。
  有希江も久子に促されて、キッチンを去っていった。彼女の最後の言葉が、いまでも耳にこびりついている。
「ちゃんと、後始末するのよ! 一枚でも割ったら許さないからね、お給金から抜きますから」

―――お給金って何だっけ?
  確か、国語の授業で、読まされた小説にそんな言葉があった。

  あおいは、小学生の未経験な頭をフル稼働させて、今、自分が置かれた状況を理解しようとした。しかし、何も浮かばない。思いつかない。目の前で、ぞうきんが動いている。
  いったい、誰が動かしているのだろう? 何のために動いているのだろう? 
茉莉にされたいじめのせいで、ハンガリアチキンが零れたのだ。妹は、あおいが全部食べ終わるまで、許してくれなかった。まるで犬のように、いや、犬になってエサをもらった。

―――え?いじめ? あたし、いじめられたの? 家族に? 妹に? そんなこと?!
  姉としての自尊心が、少女にそう思わせていた。こんな小さな、まだ初潮も迎えていない少女の、華奢な身体の中に、たしかに確としたものが芽生えていた。
  だが、あらためて、それを自覚するほど、少女は精神的に成長しておらず、ただ戸惑う能力があるだけだ。目の前のぞうきんは、なおも動いている。一体、誰が動かしているのだろう。

―――え?私? 本当に、私が動かしているの?!
  あおいは、自分の視覚が信じられなかった。いや、五感、すべてが信じられないと言っていい。床のゴム臭は、フローリングのコーティングのせいか、ワックスのせいか。
  そして、加えて、全身の痛みは何なのだろう? 何処かにぶつけたのだろうか。
  よもや、自分が、誰からも愛される自分が、暴力をふるわれることなんて、ありえない。
  だから、何か硬い物に身体を打ち付けたのだ。
  だけど、それにしては、おかしい。背中が痛いのだ、どうやって、そんな場所を打つというのだろうか。寝返りが悪かったせいだろうか。

  頭や顔までが、痛い。どんな寝方をすれば、こんなことになるのだろう。しずちゃんに聞いてみたいものだ、ちなみに、それは、あおいが小さいころから気に入っているぬいぐるみのことだ。この狸のぬいぐるみは、少女の寵愛をたいそう、賜ったものだ。
  あくまでも、先ほどまで、自分に起こったことを認めたくない。そんな思いが、あらぬ妄想を掻き立てる。手を動かす。ひたすらにぞうきんを動かす。あたかも、この世の始まりから、終わりまで、ずっとそうし続けるかのようにすら思える。時間の間隔が全くない。誰かに止めてほしい。自分では、もはや止められない。ありえないはずの永久機関が、悲しみをひたすらに増刷し続ける。
  しかし、そんな少女を止めた者がいた。

「あおい!」
「ウ・・ウ・うう?!」
  もはや、人間としての言葉は出てこない。
「もういいよ、そこで休んでな、後は私がやるから ――――」
言うまでもなく、有希江だった。あおいは、その優しい手に誘導されるまま、椅子に座った。姉は、何も言わずに、休むように促してくれる。
「・・・・・・・・・・」
  もはや、涙も出ないという様子で、机の表面を見つめる。

――あ、こんなところに傷があったんだ。
  今まで、気付きもしなかったへこみを見つけた。マホガニーの机とはいえ、長く使っていれば、傷の一つも走るというものだ。ちなみに、あおいが生まれる遥か前、この机が、榊家にやってきたのは、徳子が赤子の有希江をあやしていたころだ。
  少女は放心状態のまま、数分を過ごした。その間、有希江はてきぱきとした手つきで、後始末をこなしたが、あおいはそれをよく憶えていない。ただ、いきなりやってきた精霊が、光のスピードで、あっという間に終えてしまった ―――――そんな認識しかない。

「あ、有希江姉さん ――」
  だから、後始末を終えた有希江に、肩を触れられたとき、まったく反応できなかった。まるで人形のような感触に、有希江も凍り付いた。
「お腹、空いただろう、用意しておいたから、私の部屋で食べなさい」
「・・・・・・・・・」
  かすかに俯いただけで、あおいは、小刻みに震えるようだ。有希江は妹を立たせると、まるで老人を介護するように、自分の部屋へと誘う。
  あおいが、意識を取り戻したのは、栄養がその身体に、生気を蘇らせて後のことだった。
その様子は、命の保証を得た傷病兵が、改めて苦痛で呻きだすのに似ていた。皮肉なことに、虎口を逃れた傷病兵は、命の保証を得て、はじめて自分が痛みを感じていることを思い出すそうである。

「ウウ・ウ・ウ・・ウ・ウウウ・・うううう!!」
  あおいは、有希江の部屋で、与えられたサンドウイッチを頬張りながら、泣き出した。それには、有希江の手のぬくもりが残っていた。
  それは、彼女にとってみれば薬だったのかもしれない。妹を気遣う気持があったのなら、薬にちがいはない。
 薬は、時に毒になる。
 その微かな優しさであっても、今のあおいには毒薬だった。少女の焼き爛れた喉と消化器にとってみれば、ごく微少の薬物でさえも受け入れることはできなかった。その反応が、激しい嗚咽と涙だった。
  口に入れたとたんに、息が出来なくなった。
  そのかけらに、有希江の優しさを感じたからこそ、である。
  かつて、家族から受けた愛情の片鱗を呼び覚ましたのかもしれない。
たった1日前のことなのである。まるで、悪い病気に感染したかのように、家族の態度は一変してしまった。
  その極寒の中で、唯一の温もりと思われたのは、有希江だった。あおいにとってみれば、それが目に眩しく、肌には火傷すると思われるほどに熱かったのである。

「有希江姉さん ――――どうして、こんなことになったのかしら」
  まだ嗚咽を残した口調で、言葉を紡ぎはじめた。サンドウィッチを食べ終えて、温かい紅茶を煤って、一息入れたのである。時刻はすでに午前0時を超えていた。
「たしか、茉莉のこと言ってたわ、心当たりはないの?」
「・・・・・わからない ―――」
  あおいは頭を抱えて、苦悩を表す。
  それも仕方ないと思う。どのような理由があろうとも、妹が、あのような仕打ちを受ける筋合いはない。しかし、何故か、それを強弁する気にならない。
「私、何も悪いコトしてない!」
「・・・・・・・?!」
   有希江は、ふと、今までになかった感覚が身の内に起こるのを感じた。

―――――それは違う!
  具体的に、何を指すのかわからないが、確かに何かを感じる。ちょうど、それは、料理の隠し味のようで、味の鍵を握っているのだが、その正体がようと知れないということは、よくあることだ。
「ねえ、そうでしょう?!」
  口調は、勢いをまして、いつの間にか抗議になっていた。

――――どうして、私にぶつけるのよ。
  あおいに対する憐憫とふつふつと沸いてきた不満。
  両者の葛藤は、常に、有希江にまとわりつき、彼女を悩ませてきたことだった。ただ、一つだけ違うことがある。
  それは憐憫でなくて、愛情だった。
  いつも笑っていて、家族に黄金の光と福をもたらすニンフ。
  彼女は、いわば、榊家に咲いた一輪の花だった。家族にとって、アイドルそのものだったことは、もう書いた。有希江も当然のように、妹を愛した。口では、彼女の天性のものである口癖の悪さが頭をもたげたが、それは決して本心ではなかった。それは、あおいも承知していた。互いの間には、他の家族同士とは、また違う信頼感があった ―――はずだった。
  しかし、その半面、敵意を抱いていたことは否定できない事実である。それが、今、この時に蘇ってきたのである。あおいが、絶体絶命のこのときに、頭をもたげてきたのは、皮肉中の皮肉だった。

  あおいは、回転椅子に座りながら、足を組んでいる。その伸ばしている足の細さに、わけのわからない感情を憶えた。しかし、細いとは言っても、大人のようにくびれがはっきりとしているわけではない。その不完全さが、いささか哀れみをも憶えた。
  感情の冷却や、自動的にその身体に影響した。
「あ、有希江姉さん・・・・・・・・・・」
あおいは、その温度差から、熱いと感じ、有希江はその逆に感じた

――なんて、冷たい。こんなに冷え切っているの?
その熱は、有希江の怒りを、一時的にしろ、冷ます役割をしたのかもしれない。
「ああ、ゆ、有希江姉さん?」
  あおいは、姉の不自然な手の動きに、動揺したのか、ぷるぷると震えた。怯えた目で、姉を見上げる。
「きゃ ――――――」
思わず、回転椅子から、転がり落ちる。
  あおいは、目をシロクロさせて、姉の様子を観察した。
「どうして、こんなことになったと、あおいは思うの?」
「・・・・・何か悪いことしたから?」
  まるで誰かに質問するような答えだ。
「・・・・・・・・・」
 有希江は喉の渇きを覚えた。
炎天下の砂漠を、何時間も歩き通した旅人。彼等は、食糧も水すらなしで、歩き通したのだ。そして、やっと、辿りついたオアシスでは、美味しそうな料理が、湯気を立てていた。

――――どうしてだろう?
 彼女は、自分の気持ちを訝しく思った。あおいは、同性、しかも妹なのだ。それなのに、あらぬ感情を抱いている自分を不思議に思った。

――――私に、こんな趣味があったなんて・・・・・・・。
 それは、今まで、茉莉やあおいに感じていた感情とは、性格を異にするものだった。有希江は、密かに舌なめずりをした。
  確かに、可愛い女の子は、そばにいて気持ちいいとは思う。後輩は、有希江を姉のように慕っているし、バレンタインの日には、鼻血が大変だと、同級生から大量の鼻紙をプレゼントされるほどだ。大変、手の込んだ皮肉だが、同じ日、下駄箱にはチョコレートが置いてあり、同級生の名前が書いてあって、うんざりしたものだ。
  それはともかく、彼女たちを可愛いと思うのは事実である。面倒見のいい有希江は、後輩に限らず、同級生の女の子にも好かれている。
しかし、それはネコを愛おしく思う、それ以上でもそれ以下でもなかったはずだ。間違っても性的な好奇心の対象ではなかったはずだ。それなのに、今、有希江は、あおいに飛びかかろうとしている。

「ゆ、有希江姉さん ――――」
「ふふ、知ってるのよ、お風呂場でヘンな声あげてたでしょう?」
  あおいは、有希江が想像したような顔はしなかった。その可愛らしい顔に、羞恥の色は見えない。
「有希江姉さん、私、病気かもしれない。こんな」
「ふうん、あんな声だして、何をしていたの? あおいちゃんは?!」
 有希江は重々承知のくせに、あえて聞いた。あおいは気づかなかったが、彼女の切れながらの瞳は、慧眼よろしく輝いていたのである。そこには、有希江自身気づかない悪魔が、寝そべって酒盛りをしていた。
「うん ――――」
はじめて、あおいは羞恥心を顕わにした。しかし、彼女じしん、どうして自分の顔から火が出そうになるのかわかっていない。なんと言っても、彼女はまだ10歳の小学生にすぎないのだ。




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